こんにちは。オーガニック農家の吉岡龍一です。
前回までは、「野菜も人間も仕組みは同じ」と題して、有機野菜を育てるにあたって、いかに土作りが重要であるかというお話をしました。土がよくないと、野菜が病気になってしまったり、虫に食べられてしまったり…。ぼくたち有機農家がどのようにして自然と向き合っているのか、少しはご理解いただけたかと思います。
今回は、その続きというか、番外編です。
ぼくたちが相手にしているのは、天候ばかりではありません。有機農業をやっていく上で、避けられない天敵がいます。
それは、獣害です。
ぼくたちの畑は木更津の山の方にあるので、野生動物がたくさんいます。最近は出なくなったようですが、昔は猿もいて、畑の野菜をしょっちゅう食べられていたようです。
今、「小糸在来」という在来種の枝豆を栽培しているのですが、豆は鳥類の大好物。鳩もやってきますし、雉やカラスも来ます。
そういう場合はこれです。
写真:使い古しの黒いビニールを巻いた棒を、畑のあちこちに刺しておきます
なんとも不気味な光景ですが(笑)。
こうしておくと、「人間がカラスを捕まえて、殺して見せしめにしている」と鳥が錯覚して全然近づいてきません。これがないと、畑に蒔いた豆がほとんど食べられてしまうのです。意外とアイデア一つで効果が出ます。
また、イノシシもよく畑を荒らします。今年栽培しているサツマイモも、そろそろイモが付いてきたところで、イノシシにやられてしまいました。
写真:イノシシは地面を掘ってイモを食べます
イノシシ対策には、電流の流れる柵を畑に設けます。
写真:ソーラーで日中に電気をためておきます
イノシシは夜行性なので、夜に電流を流しておけば、畑に近寄ることもなくなります。
野生動物が食べにやってくるくらい、おいしい野菜を作っていると思えば、多少は心が満たされますが、お腹はやっぱり満たされません(笑)。
自然と闘ったり、助けられたり、毎日真摯に向き合いながら、ぼくたちはこれからも野菜を作り続けるのです。
文・写真提供:リズムアンバサダー 吉岡龍一
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