こんにちは、オーガニック農家の吉岡龍一です。今回はサツマイモの栽培を紹介したいと思います。
プランター栽培やベランダ菜園など、様々な農業のスタイルがある中で、畑(市民農園なども)で農産物を作るというのが、農業を学んだり経験するための一番のベースになると思います。
オーガニックな農業でも、そうでない農業でも、畑で農作物を作るには、その時期や季節、気温や雨の量など、天候を考えながら栽培します。
これから植えようとするものが、果たして暑さに強いのか、寒さに強いのか、水を多く与えた方がよく育つのか、それともサボテンのように水がない方が良いのか。まずは野菜のカラダの仕組みを理解することが、上手に育てる近道になります。
野菜には原産地というものがあり、例えばトマトの場合は、南アメリカのアンデス山脈だと言われています。アンデス山脈は標高が高いので、寒暖の差が激しく、また乾燥しているため、それに近い環境を畑でも作ってあげるのです。つまり、その野菜の本来の特性に合わせてあげるわけですね。
最初にサツマイモを紹介する理由は、比較的栽培が簡単だと言われているからです。また農薬などを使う必要もあまりなく、肥料も少なくてすむので、ビギナー向きだと思います。
サツマイモの原産は、熱帯アメリカ地域と言われています。熱帯ですから気温も高く、雨量も多いエリアです。そのため、サツマイモ栽培は暖かい季節、春に植え付け、芋が大きく太る季節は夏となるわけです。
サツマイモは、苗を植え付けることから栽培がスタートします。
苗は比較的に手に入りやすく、サツマイモの芽から伸びたものを苗と呼びます。実際、食用の苗を買ってきて、その切れ端を水に漬けておけば芽が出てくるので、それを苗にすることも可能です。
畑にサツマイモの苗を植え付けるわけですが、土はどのような状態が良いか、考えてみてください。
植え付けた苗が根を張り、その先に芋ができるわけですから、なるべく土を柔らかくしてあげることによって、芋がストレスなく育ち、太りも良くなり、形もきれいになります。なので、私の畑では、機械を使って畑を耕し、土を柔らかくしてから、その土を高く盛るようにして、栽培します。土を高く盛ることを高畝(たかうね)というのですが、これはみなさん、見たことがありますよね?
高畝(たかうね)
このように農業では、例えば苗を植え付けたり、土を耕したりと、作業一つ一つがシンプルで簡単なだけに、その一つ一つの作業の意味をしっかりと考えながらやることが、とても重要になると思います。
次回は、実際にサツマイモの植え付け方を解説します。
文・写真提供:リズムアンバサダー 吉岡龍一