こんにちは。オーガニック農家の吉岡龍一です。
今回は農業の基本中の基本である、土作りのお話です。
おいしい野菜を作るために欠かせないのが、土作り。つまり、野菜にとって一番大切な根を、たくさん張らせてあげられるような土を作れるかが大事なのです。
どんな野菜作りにとっても基本となる、この土作りについて今回は触れてみようと思います。
写真:良い土で育てたナス
おいしい野菜を作る上で理想とされる良い土とは、水持ちが良く、水はけが良く、有機物を多く含んでいる土と一般的にいわれています。
土が乾燥しすぎると根が水分を吸収できないし、逆に田んぼのような水分を多く含んだ畑だと、根が深く広範囲に広がることができません。
水持ちが良く、水はけの良い、という相反する機能を持つ畑など、本当に作れるのでしょうか。
いくつか方法はありますが、私たちが取り組んでいる方法の一つは、籾殻を使うことです。籾殻は、お米を包んでいる部分。普段私たちが食べている白米は、玄米を精米したものですが、その玄米の外にある殻のような部分です。この籾殻を土中に含ませることで、土と土の間に隙間を作り、水はけを良くします。
同時に、籾殻が土中に入ることによって、有機物の力で、団粒構造という状態に土が変化していきます。この団粒構造が、ある程度水分をキープしてくれるのです。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、自然の力で生まれるものを使うことで、畑の土の質をどんどん良くできるのです。これはとても大切な考え方だと思います。
写真:籾殻をまいた畑で育てている玉ねぎ
太陽からの光が野菜に降り注ぐことによって、野菜はとても元気になります。これは、野菜を栽培している期間中の話ですが、畑を休ませている間にも、その太陽からのエネルギーを無駄にしない努力をしています。
私たちの農園では、野菜を栽培していない期間中の畑に麦の種をまいておくようにしています。
写真:冬の間育てた麦
野菜に限らず、植物は育つ上で太陽光から重要な炭水化物を作り出し、それらが葉や茎になるのです。それが光合成の力です。
冬の間、育てておいた麦は収穫せずに、そのまま畑にすき込んでしまいます。
写真:麦を畑にすき込む
炭水化物の塊である葉や茎を土中に入れ込むことによって、その後に栽培する野菜が土中から炭水化物を得やすくしてあげるのです。
これにより、たとえ日照が不足した時期でも、きちんと野菜が育つようになります。
野菜の成長スピードがゆっくりなこの時期こそ勝負!
しっかり土作りをして、おいしい野菜を育てる準備をしています。
写真:麦をすき込んだ畑
麦をしっかりすき込んであげた畑で、これからいろんな種類の野菜を作ります!楽しみ!
文・写真提供:リズムアンバサダー 吉岡龍一