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アスリートのプレコンセプションケア啓蒙に取り組む 與那嶺恵理さんインタビュー

アスリートのプレコンセプションケア啓蒙に取り組む 與那嶺恵理さんインタビュー

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アスリートのプレコンセプションケア啓蒙に取り組む 與那嶺恵理さんインタビュー

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| プレコンセプションケア | ロードレース | 生理不順 | 與那嶺恵理 |

2020年の東京オリンピックに向け、さらなる女性アスリートの活躍が期待されています。その活躍の反面、継続的に厳しいトレーニングを行っている女性アスリートの健康障害も問題視されるようになりました。彼女たちが陥りがちな「エネルギー不足」、「無月経」や「骨粗しょう症」は将来、妊娠を望んだ時のハードルになったりするそうです。婦人科疾患に悩まされた体験を明らかにし、自身の経験を踏まえて女性アスリートの健康管理支援活動を積極的に行いながら、2016年リオオリンピック ロードレース17位という成績を獲得した與那嶺恵理選手にお話を伺ってみました。

—まずは、普段の生活やロードレースのことについて教えてください

ヨーロッパでは合宿所などではなく、自分で家を借りて住んで、競技のあるときに開催地に赴きます。レース時間は4時間くらいで、長くて150キロ、短くても100キロを超える、さまざまな国の特性ある公道を走ります。かなり疲れるので、アフターケアもしっかりします。レースのあるときはスタッフにマッサージをする人がいますが、そうでないときはセルフケア、コンディションが悪いときはマッサージ師のところに自ら赴くこともあります。

レースの無い日の練習時間は4時間くらいです。家でのセルフケアは入浴とストレッチポールが主になります。ストレッチポールは身体のバランスを調整して自転車競技で取りがちな丸まった背中を伸ばします。その他、良いと思われることは何でもセルフケアに取り入れています。普段の睡眠時間は最低8時間、取るようにしていて、23時には寝て朝7時には起きています。

基本的にはよく寝られているのですが、チームで相部屋になるときは寝れない日もあるので、そんな時はメラトニンを飲んでいます。メラトニンとは、寝るときに身体から出ている物質。朝、光を浴びると数時間後(夜)に身体から勝手にメラトニンがでてきます。ジェットラグで体内時計が乱れるので、眠れない時はメラトニンの錠剤をのんでいます。メラトニンは体内物質で、化学物質ではないので体に害はないんです。

—食事はどんなものを取っていますか?

以前は、体重コントロールのために「食べない」生活でしたが今は、トレーニングした分だけ「食べる」ようになりました。バランス良く食べてはいたが、以前は圧倒的に量が少なかったので充分に栄養素を摂取、消費できていて充実しています。取る栄養素は決まっていますが、日本と海外では食べるものが全然違いますね。日本食が好きなので、日本にいるときは絶対に定食っぽいものを朝昼晩でとるようにしています。タンパク質、野菜などすべてバランス良くとれるので。しかし日本にいても、色々な方にお会いする中でつい外食が多くなってしまいがちになりますから、なるべく朝、昼を定食などでバランス良く取るようにしています。海外レースに出ているときはホテルのビュッフェなので意識して選んで食べることができます。自炊するときは野菜中心、スープとの献立が多いです。

—與那嶺さんは女性アスリートの健康向上についての活動に積極的で、特にアスリートと女性周期の悩みやプレコンセプションケア※ についての講演に出演するなどの活動もされていますよね。 

競技を始めたころは生理が止まっていました。筋肉量よりも体脂肪率で女性ホルモンは正常に動くので、オンシーズンはどうしても無月経になりがちでした。気になって西が丘にあるナショナルトレーニングセンターの産婦人科の先生に診てもらったりしていた中、競技が終わったあとに妊娠・出産を望む場合にかなうように、プレコンセプションケアを意識するべきだということを知りました。
昨年の秋に女性の痩せすぎなどの健康問題、女性特有の病気など身体の問題に取り組んでいらっしゃる舘出張佐藤病院の佐藤雄一院長先生とのご縁とアドバイスのもと、ピルを飲むことになりました。

海外の選手は普通にピルでホルモン調整しているけれど、日本人はピルを飲む習慣がないので日本のアスリートには一般的にはその選択肢が無いんですね。専門の先生に出会わない限りピルを飲んでケアするということができないのではないかと思います。

※プレコンセプションケア:将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと

—いつぐらいからピルを飲み始めたんですか?

2016年10月から2017年1月までピルを飲んでいたのですが…結果的にピルは身体に合わなかったので、もうやめました。女性ホルモン周期とは関係なく、副作用で年がら年中ずっと身体がむくむようになってしまったため体調のコントロールが不可能になってしまったんですね。ずっとイライラしてしまい、トレーニングもうまくいかず、食欲は出て、食べてしまう・・という負のスパイラルに陥ってしまいました。

今は不定期ではあるけれども生理は来ていて、自然に身体が生理を起こしたいときに来ているのでピルを飲んでいるときに比べると身体の重さもなく快調です。ちゃんと食べている分だけ身体の状態はいいですし、生理の間隔は広くなるけれど今の優先順位は妊娠よりもパフォーマンスの向上だと考えています。

トレーニングと睡眠と食事だけのバランスだけで減量などもふくめて自分の体調コントロールができるようになりました。食べ過ぎれば太るし、コントロールができればそのように身体が作られるので競技者である限りはこのペースで続けていくことになると思います。自分のリズムを掴めているので今の状態が一番良いですね。一般女性、会社勤めの方などと比べると逆にアスリートの人は生理が来ないとか、来たらパフォーマンスが落ちるとか、無月経とか、そういった要素でうつっぽくなってしまう人が多いという印象があります。女性同士でも相談しにくい状況ですね。中国の選手が「生理だったから今日はパフォーマンスが悪かった」と言っただけで大きいニュースになるくらいですから。自転車は日本人女子が少ないので、生理について声を大にして言えない雰囲気がありました。まるでないものにされているけれど、年頃であればだれでも毎月あるものですよね。

私は、シーズン中はいつ生理がくるかわからないし、気にしない。来たら来たで対処するという感じです。鎮痛剤はドーピングにひっかからないので普通にのみます。オフシーズンになれば生理が普通に来ることは自分の毎年のリズムでわかっているので、生理が無い期間があったとしても、そのあたりは気にせず過ごすことができています。どこかでバランスを取らないと競技を続けられないと思うので割り切っています。そういった心持ちでいることが一番精神的に良いと思っています。

—自分の身体を自分のペースで管理する方法は、競技者でなくても知っておくべきことですよね。

我々トップアスリートが経験する「無月経・骨粗しょう症・低エネルギー」は、実はアスリートに限らない問題である女性の痩せすぎや婦人科系の病気などとも、深く繋がっていますからね。生理不順や無月経で悩まれている人も多いと思いますが、まずは医者にかかって知識を得て、自分の身体に会うケアをなるべくそこに神経質にならないのが一番だと思います。たとえば先にお話したピルについても、一般女性だったら病院でピルを処方されて、ひとつのピルが合わない場合は合うピルを探す・・・といったステップが妥当なのかもしれませんしね。

—では、最後に東京オリンピックも視野に入れた、未来に向けての意気込みをお願いします。

自国開催のオリンピックですから、メダルを狙いたいです! あと3年はすぐ来るので、そこに向かって着実に練習を積み重ねるだけです。自分のステップアップできる場所は獲得しているので、あとはやるだけだと思っています。

その先の未来については、現役を終了した後にキャリアをスムーズに移行できるように、ある程度しっかりお金を稼ぐことも考えていきたいです。先にお話しした「女性アスリートの健康問題」というテーマについても、セカンドキャリアのことも見据えながら、女性アスリートが競技を続ける中で経験する女性特有の身体の変化と向き合い、医学・社会科学的なサポートを頂きながら、健康で強い身体つくりと競技力の向上を目指していきたいと思っています。

とかく競技となるとひたすらがんばることが美徳、かっこいいとされがちですがそれだけを追及するのではなくて、現役中も先のキャリアを考えて活動していきたいです。ロードレースをやりたいと子供が希望しても、親が「稼げないからやめなさい」なんて言われないように「稼げるしくみ」をしっかり、後進のためにも作っていきたいですね。

與那嶺恵理 Profile

1991年4月25日, 大阪府堺市生まれ  プロサイクリスト
ロード、個人タイムトライアル、MTBの全日本優勝者。2014年アジア選手権 ITT 銀メダル。
2016年リオオリンピック ロード17位、ITT 15位。FDJ-Nouvelle Aquitaine-Futuroscope所属。

omron 式美人

” 美も健康もちょうどよく” オムロンの女性プロジェクト

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