過食症と診断された25~63歳までの女性が、約3カ月間の摂食障害軽減ヨガプログラムに参加したところ過食の症状が減少したという報告が、2009年、オーストラリアで発表されました。
日本においても、「痩せている=美しい」という風潮にとらわれ、摂食障害に陥る人や、その予備軍が増えています。過食という負のループに落ちた人にとって、「食」の悩みとは、コントロール不可能な魔物のような存在ともいえるでしょう。
そんな人たちにこそ、ヨガがおすすめです。ご紹介するヨガのシークエンス(一連の動き)で、自分らしい心と身体を取り戻し、体形や食に対する苦しみから解放させてあげましょう。
心を落ち着かせて、身体をリラックスさせるヨガのシークエンスです。
食欲を抑制することを頑張るのではなく、このシークエンスを続けることだけを頑張ってみてください。ポーズの完成度よりも、心地よく動くことを重視してポーズを行うよう心がけ、毎日行いましょう。
1 四つんばいになります。お腹を引き締め、背筋をまっすぐに保ちましょう。
2 両膝を伸ばして腰を持ち上げ、お尻を頂点とした三角形(ダウンドッグ)をつくります。両手でマットを力強く押し、背中を気持ちよく伸ばしましょう。
3 息を吸いながら、左足を腰と同じ高さまで持ち上げましょう。余裕があれば、左の腰を左側に開き、左足を高く持ち上げます。
4 5呼吸ほどポーズをキープします。
5 左足をゆっくり下ろし、ダウンドッグのポーズに戻ります。
1 (ダウンドッグ・スプリットの最終ポーズから続けて)左足を両手の間に運び、右足の爪先を外側に45度ほど開きます。
2 下半身が安定したら、上半身をゆっくり起こしましょう。左膝が90度になるように調整します。
3 息を吸いながら両手を回し上げ、頭上で合掌します。背筋を伸ばし、胸を開きましょう。目線は空へ送ります。
4 5呼吸ほどキープします。勇敢な戦士になったつもりで、力強くポーズを行いましょう。
5 両手を体側に下ろし、左膝を伸ばして一呼吸つきます。
1 (戦士1の最終ポーズから続けて)身体を右側に向けます。右の足先も右へ向けましょう。
2 息を吐きながら左膝を再び90度に曲げます。左膝が内側に入らないように注意しましょう。
3 息を吸いながら、手のひらを下にして両腕を肩の高さまで持ち上げます。背筋はまっすぐ空へ伸ばし、目線は左手の指先に送りましょう。
4 5呼吸ほどキープします。前のめりにならないよう、両足に均等に体重をかけましょう。
5 両腕を体側に下ろし、左膝を伸ばして一息つきます。
1 (戦士2の最終ポーズから続けて)右手を右の太ももの裏に添え、息を吸いながら左手を空へと伸ばしましょう。
2 息を吐き、肩の力を抜きます。息を吸いながら、背筋をスッと伸ばしましょう。
3 息を吐きながら、上半身を右足の方向へ後ろに反らせます。腰が反り過ぎないよう、お腹を引き締めたまま行います。
4 5呼吸ほどポーズをキープします。目線は伸ばした左手の指先に送りましょう。
5 上半身をまっすぐの位置に戻し、両手を体側に下ろします。
1 右足を左足のほうへ引き寄せ、両足をそろえます。身体の力を抜き、呼吸を落ち着かせましょう。
2 反対側も同様の流れで行います。
1 両足をそろえて立ち、軽く目を閉じます。胸の前で合掌し、呼吸を落ち着かせましょう。
2 頑張った自分の身体と心に感謝を込めて、「ナマステ」という言葉を贈ります。
3 ゆっくり目を開け、優しい気持ちで日常に戻りましょう。
いかがでしたか。「食欲や体形をコントロールしたい」という強い欲求から一歩離れた位置にあるヨガは、心身を穏やかな状態へと導いてくれます。ご自分のペースで構いません。ご紹介したヨガを続けていってください。
食べ過ぎた日も、そうでない日も、痩せていても、太っていても、あなたはあなた。ヨガを通し、そんな当たり前のことに気づく瞬間がやってくるでしょう。
参照元:タラ・スタイルズのYOGA CURES -52の病気・症状に対する、シンプルな健康のためのヨガ-(医道の日本社、ISBN-10:4752990237、ISBN-13:978-4752990239)
文:erica
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