水泳は、有酸素運動の代表的な存在。ダイエットに役立つと言われていますが、健康や美肌効果など、水泳には嬉しいメリットがたくさん。
今回は、水泳が健康に及ぼす効果について紹介します。陸上での運動に苦手意識がある人も、水の中で運動をすることで効率よく健康効果を得ましょう。
水泳は他の運動と比べて、どのような点が健康に良いのでしょうか。
水泳を行うと、重力の関係で下半身に流れがちな血液が、水圧によって全身に広がります。泳ぐことで心臓が活発に動くことで、体液がスムーズに流れるメリットも。
水泳には、健康的に体を引き締める、筋力アップの効果もあります。浮力を利用できるので、足腰が弱い、体重が重く運動に制限がある人でも気軽に行える点が魅力。
肥満やメタボリックシンドロームは生活習慣病として問題になっています。肥満による病気のリスクを減らす意味でも、水泳は有効です。また、加齢とともに筋力は衰えていきます。寝たきりにならないためにも、筋力アップは欠かせません。
厚生労働省では「メッツ」と呼ばれる運動の強度を表す単位を使って、それぞれの運動を数値化しています。メッツを使って比較すると、ウォーキングなら3メッツ、水泳はランニングと並ぶ8メッツです。メッツの数値が上がるほど運動の強度が高い、つまり消費するカロリーが高くなります。
ゆっくり泳ぐクロールなら8メッツ、平泳ぎなら10メッツというように、同じ水泳でも泳ぎ方によってメッツが異なるので、目的に合わせて泳ぎ方を変えてみましょう。
水泳独自の体に良い効果も。水しぶきなどで発生するマイナスイオンは、リラックス効果を生み、体温より低い水温の中での運動は、心臓の働きを活性化させ、血管を収縮させます。そうした作用によって、以下のような効果が期待可能です。
・疲労回復効果
・肝臓や筋肉の代謝機能が上がる
・心肺機能が上がる
・胃腸の働きを活性化させる
・元気が出る
健康対策やダイエット、疲労回復も望める水泳。水中は体への負荷が少ないので、運動が苦手な人でも挑戦しやすい、と好評です。水泳というと運動目的と考えられがちですが、実は美肌効果もあります。
冷たい水に入ることで交感神経が刺激され、活発になることで肌にハリを与えることが可能です。普通に泳ぐ、歩くだけでも約1トンほどの水圧がかかり、適度に肌を刺激して血流やリンパ液の流れを良くするので、老廃物が体外に排出されやすくなります。
老廃物が体外に排出されることによって新陳代謝が活発になり、美肌へと促されていくのです。
ここまで水泳で得られる健康効果をみてきましたが、水泳によるダイエット効果もおさらいしておきましょう。
水泳を行うと自然と腹式呼吸になるので、体内により多くの酸素を取り込むことができます。その結果、激しい運動でなくてもダイエット効果を得ることが可能です。
水泳は有酸素運動であるため、酸素を取り込むことでエネルギーをつくりだすことができます。血液中にある血糖をエネルギーとする点は無酸素運動と同じですが、血糖が無くなると今度は体脂肪をエネルギーとして使用します。
つまり、激しい運動でなくとも、体脂肪をエネルギーとして使用するようになるため、脂肪燃焼によるダイエット効果が期待できるのです。
水泳は、他の運動と比べて全身の筋肉を大きく動かす運動です。水の抵抗もあるため、消費カロリーも大きくなります。短時間で効率的にエネルギー消費が行える点で、ダイエット向きです。
消費カロリーは、自分のスキルや泳法によって大きく変わってきます。消費カロリーは参考程度にして、消費エネルギーが高いと過信しないようにしましょう。
基礎代謝とは、1日中寝ていても消費するエネルギー量のことです。基礎代謝を上げるには、筋肉量を増やすと良いと言われています。水泳は全身運動なので筋肉をまんべんなく鍛えることができ、より全体の筋肉量アップに有効。
水泳を通して基礎代謝が上がると、いつもと同じ生活活動量であっても、より多くのエネルギーを消費できるようになります。太りにくく痩せやすい体になることが可能です。
水泳をいざはじめようと思っても、「学生時代に苦手だった」「いまだにまともに泳げない」という人は意外と多いのではないでしょうか。そこで、初心者向けの水泳で健康効果やダイエット効果を得るコツを紹介します。
泳げないという場合には、プールに入って歩いてみましょう。歩いてみると分かりますが、意外と水の抵抗を強く感じるものです。これにより、筋肉を引き締める効果が得られると言われています。
泳ぎ方には、平泳ぎやクロール、背泳ぎ、バタフライなどがあります。得意・不得意があるかもしれませんが、有酸素運動を効率的に行えるのは、クロールです。平泳ぎは足の内側を鍛えることができるので、ほっそりさせたい人におすすめ。
水泳は目的によって泳ぎ方を変えると効果的です。そこで、目的別に、おすすめの泳法を紹介します。
水泳を健康維持の目的で行う場合、特にがんばって泳ごうとする必要はありません。むしろ、日頃運動不足になっている人は、突然泳ぐと体に大きな負担が生じる恐れも。
また、膝や腰に痛みがある場合にも、水泳がピッタリです。水中では浮力があるため、膝や腰への負担が少ないと言われています。水中ウォーキングを行うと、水圧で血流が促進され、血のめぐりが良くなります。
できるだけ体に負担の少ない泳法がおすすめです。例えばクロールや背泳ぎは、体への負担が他の泳法と比べて少ないというメリットがあります。平泳ぎは、関節に支障がある場合には避けてください。
水泳では、水圧によって筋肉疲労を回復する効果も。水泳では全身を動かすので、アクティブレスト(積極的休養)につながります。筋力トレーニングを長時間行って負荷をかけた後におすすめです。
泳ぐことで心臓と下半身が平行になるため、下半身に溜まりがちな疲労物質や老廃物が流れやすくなります。体にできるだけ負担のないクロールや背泳ぎがおすすめ。水中ウォーキングも有効です。
ダイエット目的である場合は、脂肪燃焼効果の高いクロールがおすすめ。ただし、泳法には個人差があり消費カロリーがまちまちであることから、水泳に過度な期待をすることは禁物。水泳後はお腹が空くため思った以上に食べてしまい、結局プラスマイマナスゼロになることもあります。ウォーキングと同じ程度の有酸素運動だと思っておきましょう。
また、有酸素運動の前に筋力トレーニングを行っておくと、脂肪が分解されることで、有酸素運動の際に脂肪がエネルギーとして消費されやすくなると言われています。水泳の前に腹筋、スクワット、腕立て伏せ、といった基本の筋トレをしてからトレーニングを行うのがおすすめ。
水泳をするといっても施設に通う必要があるので、ウォーキングのように気軽に始められない部分も。
社会人が水泳をするには、市民プールを利用する方法、スポーツジムのプールを使用する方法があります。市民プールは1回につき数百円で利用することができる場合が多いので、リーズナブルさを重視したい人にピッタリ。
スポーツジムでは月額料金がかかるのが一般的ですが、トレーナーに指導してもらえる場合もあります。より本格的にトレーニングを行う場合には、スポーツジムの利用価値は高いです。自分が最も利用しやすい方法で水泳を行い、目的を達成できるようにしましょう、
今回は水泳のさまざまなメリットを紹介しました。年齢に関わらず気軽に始められ、その日の体調に合わせて無理なく行える水泳。健康維持・ダイエットのためにも、生活の中で取り入れやすい方法で行いましょう。