こんにちは。「滝ガール」の坂崎絢子です。
2019年もリズムアンバサダーとして、引き続き、滝の話をさせていただきます!
どうぞ宜しくお願い致します。
「冬場だと、滝ガールもオフシーズンなんですよね?」とよく聞かれます。
皆さんも、滝っていうと一般的に「夏」のイメージがあるんじゃないでしょうか? 爽やかな水しぶきを浴びて、涼しさを味わう、という。確かに俳句の世界でも、滝は夏の季語になっていますしね。
でも、滝ガールは冬も元気に活動中です。いやあ、冬の滝はいいですよ〜。というか、実際は春夏秋冬のすべてがベストシーズンなんですけどね!
今回は意外と知られていない「冬の滝」の魅力、楽しみ方について、お伝えしたいと思います。
まず、なんといっても「冬だからこそ」の滝絶景が「氷瀑」です。
氷瀑とは、凍った滝のこと。冷え込みが厳しい地域で見られます。「凍る」という滝自体の状態変化は、まさに水の芸術である滝の本領発揮です。
流れている滝とはまた違う、自然が作り出した最上の「アート」。水の流れが完全に氷になる場合(完全氷瀑)もありますが、凍っている部分とそうでない部分が両方見られる方が、面白いかもしれません。氷の「静」と、豪快に落ち続ける滝の「動」のコントラストを感じられるのがポイントです。
凍り方も、滝によってそれぞれ。
つららが彩って、滝自体が龍のように見えたり……
氷が青く輝いていたり…
見どころが増えて、芸術作品としてはさらに面白くなるんです。
冬の滝の魅力は氷瀑だけではありません。
凍ってはいなくとも、流れる水が少なくなって滝つぼの輝きがクリアになることも、冬だからこそ、なんです。
夏場は水量が多く豪快な滝も、雨の少ない冬は、繊細で透明感のある滝の姿に出会うことができます。
例えば、こちらの滝(和歌山県すさみ市の琴の滝)。
夏はこのように豪快な滝で、近寄るのも少し怖いくらいですが…
冬はこんな感じになります。
落ち着きがあって、しっとりした風情ですよね!
冬の森は木々が枯れているので、滝の周囲もちょっとさみしいんじゃないかと思われるかもしれませんが、むしろ彩りの少ない景色の中で滝がひときわ目立つ、とも言えます。
岩と水が作り出す芸術をよりダイレクトに鑑賞することができますよ。
これは実は外せないポイントです。一般的には「滝=夏」というイメージが浸透しているので、観光地として人気の滝であっても、訪れる人は多くありません。なので、滝を独り占めできる可能性が高い!(氷瀑の名所として人気がある場合は除きます)
例えば、こちらの陣馬の滝。
夏は子供たちが水遊びをする大人気スポットなんですが、冬はこんな感じでかなり空いているんです。名瀑が、独り占めできてしまいます。
さすがに滝つぼに飛び込んで遊ぶようなことはできませんが、滝の前でコーヒーでも淹れてのんびり……というのは、最高に気持ちいい!
冬は「虫がいない」というメリットもあります。それなりの防寒対策をしておけば、かなり長居できちゃいますよ。
もちろん、冬の滝めぐりでは注意しなくてはいけないこともあります。
それはやっぱりアクセスです。雪が積もった遊歩道を進んでいくのは慣れていない方にはお薦めできませんし、路面の凍結などがある場合は、クルマの運転も要注意です。事前に現地の天候、状況を確認してからお出かけくださいね。
特に、氷瀑を見に行かれる場合は、それなりに装備が必要になることも多いですし、より安全に楽しんでいただくためにも、ガイドツアーを利用するのがお薦めですよ。
次回は、氷瀑のツアーについてもご紹介したいと思います!
文・写真:坂崎絢子