こんにちは、「滝ガール」の坂崎絢子です。
日本の春といえば、やっぱり桜です。皆さん、お花見の予定は立てられましたか? 東京の桜ももうすぐ見頃。
この時期、「滝と一緒にお花見できるところってないの?」と聞かれることも多いです。ですが、実はありそうでなかなかないのが、ソメイヨシノと滝とのコラボです。ソメイヨシノは公園的にある程度整備されたところにあるものなので、滝とセットで見られる場所というのは案外、少ないんですね。
そんな中、滝と桜のコラボレーションを楽しめる滝としてお薦めしたいのが栃木県那須烏山市の龍門の滝です。
2016年4月10日撮影
こちらの滝のほとりは「滝水辺公園」として整備されていて、川沿いに植えられたソメイヨシノは例年4月上旬に満開を迎えます。こちらのソメイヨシノは10年ほど前に植樹されたものでまだ大きくはないですが、滝見と花見が一緒にできるところとして近年知名度をあげてきています!
滝の個性も、水しぶきをしっかり浴びて感じてきましたよ。落差は20m・幅は65mとなかなかの迫力!よく見ると表情豊かで面白いんです。
大蛇が棲むという伝説から名づけられました。滝つぼから舞い上がる水しぶきを浴びつつ、舞い散る花びらを眺める。春の喜びを感じられる滝景色です。
この滝の見どころは、さらにもう一つ、素敵な要素がございます。
それは「鉄道」!
滝のすぐそばにはJR烏山線の「滝駅」があります。
滝の前でしばらく待っていると……滝の上の橋を鉄道が通過していくのです!
「鉄ちゃん」&「鉄子」も注目の滝というわけですね。実際に桜の季節は「滝と桜と鉄道」のレアショットを狙う「撮り鉄」の皆さんで賑わいます。
事前に時刻表をチェックして、滝の上を通過する時間を予測します。その時刻が近づいてくると、こんなかんじにカメラマンさんたちがあちこちでスタンバイしはじめます。
まだかな…まだかな…。みなさんも腕時計をチェックしながらソワソワしてきます。このなんとも言えない緊張感が面白い!
そして、列車は何の前触れもなくいきなり現れました! 特にガタゴト音をさせるでもなく(滝の音で聞こえないんだと思います)、さりげなーくあっという間に通りすぎてしまった!
焦ってぜんぜん構図決められず。思っていた場所じゃないところから鉄道がニュッと頭を出しました。
こちらが唯一撮影できた一枚です!(笑)
さて、この滝がある那須烏山市、滝の周辺もいろいろ見所がありますよ。春のオススメは烏山駅でレンタサイクルを借りて回ってみること!山あげ会館というところでレンタサイクルがあります。
春爛漫の里山風景に癒されながらのサイクリングは、とっても気持ちいいです!
自転車のスピードだと、こういう道ばたの風景にいちいち感動できるのがいいんですよね。
お昼は、この地方名物の「八溝そば」をどうぞ! 八溝山系のおいしいお水をつかって打ったお蕎麦です。市内にはいくつもお店がありますが、こちらは「はん田」さん。開店そうそうに、続々とお客さんがいらっしゃる人気店です。
香り高い十割蕎麦でした!
さらにもうひとつ烏山の有名スポットに立ち寄りましょう。
日本酒「東力士」を醸している「島崎酒造」さんです。
こちらは本店ですが、少し離れた場所に「どうくつ酒造」という変わった施設があるんです。
ここは、第二次世界大戦末期に人力のみで建造された戦車工場跡地。結局、工場としては使われることはなく終戦を迎えたそうですが、那須烏山市の「近代化遺産」として登録もされています。
島崎酒造さんは45年前からこの中で熟成酒をつくっています。
内部はかなり広くて、ちょっとファンタジーの世界にまぎれこんでしまったような気分。(実際、映画のロケ地とかにも使われるそうです)
日本でも珍しい日本酒の熟成酒もありました。どんなかんじかな、と思ったら、意外にもすごくまろやか。泡盛の古酒などに比べるとかなりマイルドな印象で、飲みやすかったです。この洞窟のように安定した温度湿度という条件だからこそつくれる味なんだそうですよ。
お土産をたくさん買って帰りました!
滝と桜と鉄道のコラボを堪能したあとは、春の景色とグルメを味わうサイクリングへ。この時期だけのおすすめですよ!
文・写真:坂崎絢子