栄養に関して深い知識と明快な理論をもつ森拓郎さん。後半は、脂肪燃焼のために今から始められるテクニックを披露します。
「セルライトを改善させたいならば、その部分を動きやすくし、筋肉をつけましょう。マッサージなどのアプローチも悪くはないですが、脂肪燃焼しないので、不完全といえます。脂肪は分解から燃焼という流れをたどらなければなりません。脂肪が固まりから分解されて、血流に乗り、エネルギーとして燃焼されることが必須。筋トレした後に、有酸素運動するのも、セルライト解消には効果的です」
「水をたくさん飲むダイエット法を取り入れる女性も多いのですが、胃酸や体液が薄まってしまうので避けるべきといえます。とくに食事中は水を極力飲まないほうがベター。太っている人の食事スタイルを見ると、噛まなくてもいい食事を選ぶ傾向が。また、水で流し込むようにしてしまう人も。そうすると、唾液の量が減ってしまい、脳が食事をしたと認識しないので、食べたい欲求が膨らんでいってしまいます。食前に、水でおなかいっぱいにするダイエット方法もナンセンス。フードファイターのように、胃の容量を広げてしまうだけに終わってしまいます」
「最近は、朝ごはんから昼ごはんまでの間隔がすごく近い人が多く見られます。そのかわり、昼ごはんから夜ごはんまでの間はすごくあいていて、バランスが悪い。そういうライフスタイルならば、朝ごはんをとらず、昼と夜の間に食事をとるほうがおすすめです。また、夜ごはんの時間帯に関して、よく相談を受けるのですが、仕事帰りが遅いなら、食事の時間が遅くなっても仕方ないと思っています。たしかに、22時以降の食事は脂肪になりやすいのですが、1日の栄養バランスを考えて、きちんと食事をとったほうが、健康的なボディメイクのためには大切です」
「ウイスキーや焼酎のような蒸留酒をジュースなどで割らない限り、それ自体が脂肪に変わる量は少ないですが、アルコールが肝臓に負担をかけることは避けられません。そうすると、肝臓がエネルギー源として脂質を欲しがるので、どうしてもおつまみなど食べたくなってしまいます。脂肪を落とすことを第一に考えるなら、お酒は控えるほうが賢明です。肝臓は、基礎代謝の中枢となる重要な臓器。肝臓にダメージを与えてしまうと、基礎代謝を落とすことになってしまうのです。飲んだ次の日にむくみやすいのは、代謝が落ちてしまっているため。肝臓を強くするには、普段ならたんぱく質を、飲む日はアミノ酸のサプリをとることを心がけましょう」
「運動より食事を変えることが大切といっても、1日の活動量が極端に少ないと、なかなか脂肪を落とすのは難しいでしょう。自宅で行う”ながら運動”は、ハードルが高いような気がするのでおすすめはしていません。腹筋や腕立て伏せなどを日課にして挫折するよりも、毎日の活動量を上げていくことを心がけるほうが現実的です。スマートフォンのアプリなどで1日の歩数を測り、6000〜8000歩ほど、歩くことを目標にしましょう。デスクワーク中心で1日3000歩弱しか歩いていないのであれば、改善の必要があります」
背中など、普段使わない大きな筋肉を鍛えることが、基礎代謝を上げるのには効果的。
ただし、筋トレは独学でやると、間違えたフォームになりやすいので注意を。プロの指導の元に行いましょう。
〈前編〉はこちら。
語り/森拓郎(ボディワーカー)
ボディワーカー。大手フィットネスクラブでの活動を経て、自身のスタジオ『rinato』にて、ボディメイクのための運動と食事の指導を行う。トレーニングだけでなく、栄養の知識を取り入れた指導法を書籍やSNSで発信。ダイエットに関心をもつ世代や、タレント、モデルから支持を集める。
取材・文/川口夏希
撮影/長谷川梓
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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※今記事は、文章・写真ともWacoal Body Bookより転載し、「Rhythm」にあわせ体裁を整えたものです。
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