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【特集/食とエイジング】今の食事は将来の貯金!

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【特集/食とエイジング】今の食事は将来の貯金!

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からだによいと考えて手にした食品が、栄養学から見ると実は…ということもあるようです。知っているようで知らない栄養の話を、堀知佐子先生にお伺いします。


堀知佐子(ほり・ちさこ)
管理栄養士・食生活アドバイザー・アンチエイジング料理スペシャリスト。レストラン「Le Rire(ル・リール)」シェフ。京都の調理師学校で教鞭をとった後、京料亭「菊乃井」の物販事業部責任者を経て、2010年株式会社「菊の井」常務就任。08年アンチエイジングをコンセプトとしたレストランを開業。料理教室の開催、地方自治体アドバイザー、講演など、食と健康をテーマに幅広く活動。著書に『みそと野菜でアンチエイジング』『100歳まで錆びない栄養レシピ』など多数。

油と上手につきあおう

最初にお話ししましたが、私が妊娠・出産を経験したのは、年齢的にも体調の変化が訪れるころでした。その時に食生活とエイジングの関連性を意識するようになりました。私は、30代後半から60歳くらいまでの食生活が、エイジングに大きく影響すると感じています。その間に、きちんとからだのコンディションを整えておけば、大きな病気にもならず60歳を過ぎても元気に過ごせるはずです。
50代までに病気になってしまう人は、働き盛りでストレスが多く活性酵素もたまりやすい時期に、からだが「よい状態」を取り戻せずに耐えられなくなってしまうわけです。

食事の中身だけではなく、食べ方も重要です。魚は強い火で焼くと酸化します。それはつまり魚の表面にある脂が高温で酸化してしまうからです。油脂は高温で酸化する性質をもっていますが、サラダ油、コーン油、大豆油などの植物油は不安定な成分を多く含んでいるため酸化しやすく、これらの油で揚げた天ぷらやフライをたくさん食べると、酸化した油を余分に体内へ取り込むことになります。酸化した油は消化不良や下痢を起こしたり、肝臓に負担をかけたり、肌の不調を招くこともありますから、同じ油で繰り返し揚げ物をするファストフードやお惣菜はたまに食べるくらいがよいでしょう。

天ぷら屋さんの天ぷらやお肉屋さんのコロッケが冷めてもベタっとならずにサクサクしているのは、ごま油やラードなど安定性が高く酸化しにくい油を使っているからです。家庭で使うならオリーブオイルや米油が安定性が高く、炒め物にもドレッシングにもおすすめです。最近はココナッツがからだに優しいと注目を集めていますが、その理由は中鎖脂肪酸にあります。

油の主成分である脂肪酸は鎖のように分子が繋がっていて、鎖の長さによって長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸に分類されます。市販されている一般的な植物油は長鎖脂肪酸ですが、ココナッツオイルは中鎖脂肪酸で構成されています。鎖が短ければ、それだけ分解が早く、エネルギーに変わりやすいので、脂肪がたまりにくいと言われています。ただ、中鎖脂肪酸は肉類にも含まれているため、ふだんからお肉をたくさん食べる人がココナッツオイルをとると過剰摂取になってしまいますし、香りが強いのでどんな調理にも向くというわけではありません。あれがよい、これが悪いという情報をそのまま受け止めて、極端な食生活になってしまうのではなく、なぜからだによいのか、なぜからだに悪いのかを理解して、食べ方をご自身でコントロールできるようになることが大切です。

老けないからだは自分でつくる

油というと、海外では食品に含まれるトランス脂肪酸の危険性が注目されて、摂取量に規制が設けられている国もあります。トランス脂肪酸を多く含む食品は、マーガリンやショートニングが代表的ですが、日本の食品メーカーでもトランス脂肪酸の含有量を減らす取り組みが広がってきています。トランス脂肪酸を過剰摂取すると、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えて、生活習慣病を引き起こすことがわかっていますから、なるべく控えたほうがよいのですが、実は日頃なにげなく口にしている多くの食品にトランス脂肪酸が含まれているのです。

お菓子や食パン・菓子パンなど、ふだんスーパーやコンビニで買っている食品の原料を確認してみてください。マーガリンやショートニングを含む食品が多いはずです。意外かもしれませんが、実はクッキーバータイプの栄養補助食品もトランス脂肪酸を含んでいて、食べすぎると健康を損ねる可能性があるのです。そうはいっても、息抜きにお菓子やドーナツをつまんだり、忙しくて時間がない時は栄養補助食品に頼ることもあるでしょうから、口にするのは月に2回程度に抑えるなど、自分でルールを決めるとよいと思います。

トランス脂肪酸が話題となったのは、日常的にとりすぎていると将来的に心臓疾患のリスクが高まるという調査結果が報告されたからです。やはり食生活の積み重ねがからだを作るので、若いころとからだが変わってきたと感じたら、食生活には気を配ったほうがよいでしょう。
ですから前々回お話したように、ご自身のストライクゾーンに合わせて「私はこうすると体調がいい」という自分なりのケアの方法をできるだけたくさん見つけておくとよいと思います。誰かに合うケアが自分にも合うとは限りませんから、自分流のやり方で構いません。自分のからだときちんと向き合って、自分自身を労るようにしましょう。自分のからだは、自分でしか守れないのです。

—-60歳までに健康なからだをしっかりつくっておけば、その「おつり」で高齢になっても元気に過ごせる、と堀先生は考えているそうです。エイジング対策とは、将来のおつりを増やすことなのかもしれません。

取材・文/飯塚りえ
イラスト/はまだなぎさ

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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