睡眠コンサルトの友野なおさんが、上質な眠りを導く環境づくりを指南。「睡眠力は免疫力!」と語る友野さんの睡眠のテクニックを前編と後編に分けてお届けします。
友野なお
睡眠コンサルタント 株式会社SEA Trinity代表取締役
科学でわかる ねむりの環境・空間ラボ主宰
睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から睡眠を研究。科学的なエビデンスを基本とし、睡眠改善や、快眠をうながす睡眠環境づくりを得意とする。全国での講演活動や商品開発のプロモーションなど、幅広く活躍。
「やすみかたの教科書」(主婦の友社)、「きょうの睡眠ダイエット」(主婦と生活社)など著書も多数。
http://tomononao.com/
寝具の色は優しいパステルカラーやアイボリーやベージュなどがおすすめです。私は、パウダーピンクやブルーなどの色を愛用しています。「ライト・トーナス値」というものがあるのですが、赤や黒などコントラストの強い色は、無条件に心拍数を上げ、筋肉を緊張させてしまうことがわかっています。
就寝時は、いかにリラックスできるか、いかに副交感神経を優位に保てるかが大切なので、寝室やパジャマは優しい色で統一するのが大切です。
寝るときにジャージやスエット、ルームウェアを着る方も多いようですが、就寝時にはパジャマとして売られているものを着用するようにしましょう。パジャマは寝返りしやすい状態をつくるために欠かせないもの。マットや枕などにこだわって、パジャマはおざなり、ということにならないようにしたいものです。私は、パステルイエローのコットン・ガーゼ素材のものを最近愛用しています。ほかにもシルク、リネンなど天然素材のものがおすすめです。汗を吸収しやすい素材などを好みや体調に合わせて選びましょう。
日本の住環境だと、壁際にベッドや布団を置きがちですが、夏や冬など気温が眠りの妨げになるときは特に注意を。壁際から寝具を少し離して配置するだけで、夏の寝苦しさや、冬の寒々しさから守ってくれます。冬は電気マットや電気あんかなどを使用しがちですが、寝るときは電源をオフしましょう。足元が寒ければ、湯たんぽやレッグウォーマーを活用するのがおすすめです。
睡眠時は部屋の光をつけず、真っ暗な状態で寝るのが私の習慣ですが、太陽が昇ってくるにしたがい、部屋が自然に明るくなる環境をつくるのがベスト。人間は朝の光を浴びてから、15時間後に眠くなるようにできています。遮光カーテンを使っている方は、少し開けて寝ましょう。そして起きたらすぐに太陽の光を浴びることを一日の始まりの習慣に。
よく眠るためには、日中に神経ホルモン「セロトニン」を多く分泌させる必要があります。日中に「セロトニン」を多く出しておくと、よい眠りへと導くホルモン「メラトニン」の総量が増えるのですが、そのためには、リズミカルな運動を行うのがよいとされています。激しい運動をする必要はなく、歩くことも効果的なリズム運動に。手を振り大股でリズミカルに歩くだけで、「セロトニン」が分泌されます。また昼と夜のメリハリをつけることも重要。一日中ダラダラと仕事をしてしまいがちなら、ライフスタイルの見直しを。日中はキビキビと働く、夜間は就寝するというバランスが大切だと思います。
〈後編〉はよい睡眠へと導くコツを伝授します。お楽しみに!
取材・文/川口夏希
撮影/長谷川梓
※今記事は、文章・写真ともWacoal Body Bookより転載し、「Rhythm」にあわせ体裁を整えたものです。
*こんな記事も人気です*
関連キーワード
| Wacoal Body Book | 疲労回復 | 睡眠 |