突然ですが、皆さん、土踏まずを気にしていますか?
実は土踏まずは身体の基礎であり、扁平足や外反母趾は身体の歪みの表れなんです。建物でいうと、基礎が歪んでいる状態です。過去2万人以上の方の身体を診させていただきましたが、扁平足ではなかった方は、たったの3人だけ!「歪みもないのに、なぜうちに来院されたのですか?」と逆に質問するくらいでした(笑)。
では、なぜ多くの方々の土踏まずがなくなり、ほとんどの現代人は扁平足なのでしょうか?
今は、昔と違い土の道がほとんどなくなり、アスファルトの道路ばかりになりました。鼻緒がある下駄や草履を履くことも少なくなり、足の5本の指全部に力を入れて、地面をつかむように歩くこともなくなりました。(この点、5本指ソックスは良いですね~)
この結果、小学校の低学年時点で本来あるべき土踏まずがなくなり、靭帯が伸びて扁平足になってしまいます。また、後脛骨筋(こうけいこつきん)が緩み、足裏にあるアーチが歩く時になくなってしまうのです。これを「隠れ扁平足」というのだそうです。
実は、土踏まずは片足に3つずつあります。それは以下の3つに対応するためです。
・前後の揺れ(横のアーチ)
・横揺れ(内側のアーチ)
・斜めの揺れ(外側のアーチ)
私の友人の建築家に「アーチ」(弓型)の強度について質問すると「非常に強い構造をしています!」と答えます。
このアーチの型をした土踏まずは、身体全体の重みを支えてくれます。その元々あった「型」がなくなった…これは時代の流れなので、どうしようもありません。だから、人工的に土踏まずを作り、脳にその新しいデータをインストールする必要があるのです。
扁平足の何がいけないのかというと、扁平足は歩くたびに地面から受ける衝撃(体重の約5倍の負荷)を吸収できる「型」ではないからです。衝撃が足や膝、腰、さらには全身に伝わり、疲れやすい身体になって、ケガもしやすくなります。
そして、最後には顔や頭に歪みは移っていきます。(2015年、マンション建設のデータ偽装事件がありましたね。杭という基礎が歪むと、上に行くほど歪みが大きくなるのです)
ほとんどの方の左右の眼の大きさが違うのはこのためです!メガネをかけても、真っすぐにおさまらないのは、扁平足による歪みが大きな原因の一つです。立ち仕事の方、スポーツ選手、産後のお母さんは、特に足裏の3つのアーチが必要です。
土踏まずが身体の基礎だということを、わかっていただけましたでしょうか?
実は、私の妻が今から6年前に、35歳の若さで脳梗塞で倒れてしまいました。手術後、1週間の面会謝絶。私は覚悟を決めましたが、運よく意識が戻りました。ただ、車いす生活になり、トイレに行くにも看護師さんの力を借りなければなりません。右の脳が梗塞したので、左半身にしびれが残りました。
満足に手足に力が入らないので、車いすから便座にも移動できなかったのです。そこで、私は妻に3つのアーチができる方法を実践するように指導しました。すると、なんと3日後に、手足に力が入らなかった妻が壁に手をつきながらも、自分で歩いてトイレに行けるようになったのです!このときに確信しました。足裏の3つのアーチが整えば、人の身体の神経伝達も回復する可能性があると。
次回は、その「3つのアーチができる実践方法」をお伝えしたいと思います。
文・写真提供:植屋浩幸
【連載】“逆輸入された禅”といわれるマインドフルネス。理解するためのポイントはコレ!〜マインドフルネスのすすめvol.2〜