その日一日の疲れを残さないためには、日々栄養バランスのよい食事をすることを心がけたいもの。しかし、忙しくて食生活が乱れてしまいがちという方には、疲労回復に役立つ栄養素を積極的にとることがおすすめです。
ぜひ疲れを癒す栄養素を知って、毎日のメニュー選びや料理に役立ててみてください。
まず、疲労回復に効果があるといわれる5つの栄養素をご紹介します。
身体に負担がかかると、まずタンパク質が多く消費されます。筋トレや運動、スポーツ、労働などで刺激を受けると、筋肉は損傷した状態になります。この損傷した筋肉の回復に役立つのが、アミノ酸です。
タンパク質の多い肉や魚、卵、大豆製品を中心としたおかずなどを摂取すると、体内の消化酵素がアミノ酸に分解します。すると、アミノ酸が、筋肉損傷を回復する材料として使われます。
特にアミノ酸の中でも、「BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)」の必須アミノ酸は、筋肉に運ばれて代謝されます。これらは筋肉痛を和らげ、疲労を予防する効果があるともいわれています。
消化されるとアミノ酸となるタンパク質は、疲労回復の基本的な食材といえます。
ビタミンも、疲労回復には欠かせない栄養素です。特に、ビタミンC、ビタミンB1、パントテン酸を意識して摂取しましょう。
●ビタミンC
ストレスが多くかかると、体内のビタミンCの消費が増えます。ビタミンCは抗酸化作用を持ち、老化や病気から身を守ってくれるといわれています。
また、美白効果や肌のハリを保つコラーゲンの生成も高めてくれるため、美肌をキープするのにも役立つでしょう。免疫力を高める効果や、ストレスをやわらげる効果もあるため、疲労回復だけでなく、心身の健康に大きな役割を果たすといわれています。
ビタミンCは、赤ピーマン、ほうれん草、キャベツ、ブロッコリーの野菜や、レモン、いちごやキウイフルーツ、柑橘類などに豊富に含まれています。
●ビタミンB1
ビタミンB1は“疲労回復のビタミン”といわれるほど、疲労回復には欠かせない栄養素です。糖質をエネルギーに変えるときに使われます。豚肉、鮭、鶏肉、大豆など、身近な食品に多く含まれているので、毎日、積極的に取るようにしましょう。
●パントテン酸
ビタミンB群の一つであるパントテン酸は、体内のエネルギー産生やストレスに対しての抵抗力をつけるために欠かせない栄養です。
パントテン酸は、レバー、納豆、うなぎ、モロヘイヤ、エリンギ、アボカド、はちみつなどの食材に多く含まれています。野菜やフルーツをはじめ、さまざまな食材からとり入れましょう。
ミネラルの中でも、カルシウムとマグネシウムを意識してとり入れましょう。
これらが不足すると、感情が不安定になったりイライラしやすくなったりします。カルシウムは牛乳や小魚、緑黄色野菜に、マグネシウムは海草類や牡蠣、ナッツ類に多く含まれています。
身体にとり入れた栄養からエネルギーを産生するほか、老廃物の排出を促す働きをもつクエン酸は、疲れにくい身体づくりや疲労の早期回復に効果があるといわれています。
クエン酸は、梅干しやみかん、レモン、パイナップル、お酢などに多く含まれています。
5.イミダペプチド
鶏胸肉の骨格筋に多く含まれている「イミダペプチド」は、耳慣れない名前ですが、疲労予防・回復効果が実証されている成分です。
渡り鳥が一週間以上も連続で飛び続けられるのも、このイミダペプチドが理由だといわれています。
鶏胸肉を使った料理には、タンドリーチキン、チキン南蛮、チキンのトマト煮込みなどがありますが、最もイミダペプチドを効率的に摂取するには、じっくり煮込んだスープがいいといわれています。
30分ほどじっくり鶏胸肉を煮込んでみてください。すると、スープにイミダペプチドが抽出されます。具材の肉だけでなく、スープもしっかり飲むとよさそうです。
6.酵素
野菜などに含まれる酵素を意識してとり入れることで、消化酵素として体内で使われることになります。すると、体内の消化酵素を節約できるため、その分、代謝や疲労回復、免疫力向上に酵素に利用することができます。
人間の身体が一日に作り出せる酵素の量は限られているため、酵素を積極的に取ることで、間接的に疲労回復につながるでしょう。
上記にあげた栄養素の働きをより効果的にするためには、食材の組み合わせ方がポイントです。
ビタミンB1はクエン酸、カルシウムの吸収にはマグネシウムとビタミンC、パントテン酸はビタミンCと同時に摂取すると効率よく体内に吸収され、疲労回復により効果的です。
例えば、トンカツや豚ステーキはレモンや梅肉をつけて食べる、そして、デザートにはご紹介したいちご。タンパク質が多い食事をとる場合にはフルーツ酢を作って飲むのもおすすめです。
また、酢豚は、豚肉、黒酢、パイナップルという組み合わせなので、疲労回復したいときにはうってつけの料理です。ほかにも、サラダにはアボカドやナッツ類、ひじきやわかめをトッピングし、レモン汁をかけて仕上げるという方法も簡単でおすすめです。
脳が疲労すると糖分を求めるため、甘いものが欲しくなるという方も多いのでは?
糖質はブドウ糖に変わって脳にエネルギーを与えるため、頭がシャキッとして疲れがとれたという感覚になります。
しかし、それは脳の疲れだけで、身体の疲れがとれるというわけではないようです。身体の疲れを回復させるためには、やはり、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラル、クエン酸を意識した食事が基本です。
これまで食べ物からの疲労回復効果をご紹介してきましたが、軽い運動をすることでも、積極的休養となり、疲労回復に有効といわれています。
なぜなら、軽めの運動は、適度に血流を良くするため、たまった疲労物質が流れやすくなるからです。ウォーキングや軽いジョギングなどは、最適です。ぜひ休日やアフターファイブにとり入れてみてください。
また、ストレッチは特に拾う回復に役立つといわれているため、運動後や夜寝る前などに行ってみましょう。
仰向けになって寝て、両腕を頭上に伸ばし、つま先もまっすぐ前に伸ばします。このようにして、全身を伸ばしてみましょう。
また、肩こりがある人は、四つん這いの姿勢から両腕を前方に思い切り出し、床につけてお尻を引き上げるようにして上半身を伸ばしましょう。ちょうど猫の伸びのようになります。
あぐらをかいて股関節をゆっくり伸ばすのもおすすめです。
疲労回復に効果的な栄養、そして、吸収がよくなる組み合わせを知れば、日々のメニュー選びも楽しく、さらにおいしく食事ができそうですね。
そして、同じ食材ばかりでなく、まんべんなくとることも大切です。
また、食事だけではビタミン・ミネラルなどの必要な栄養素が不足しがちな人は、うまく栄養機能食品などをとり入れるのもいいでしょう。いくら食事に気を遣っていても、身体を休める時間がないと疲労回復の効果が半減してしまいます。できるだけ睡眠時間を確保できるような生活スタイルも心がけたいですね。
そして、意識的に軽めの運動やストレッチをとり入れるのもおすすめです。
文:小西玲奈
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