日本ではあまり馴染みがありませんが、紅茶の国イギリスで発祥したスポーツにクリケットがあります。イギリスの植民地だったインドやスリランカでもこのスポーツが発展し、今や国民的スポーツとして人気を誇っています。
クリケットは芝のフィールドで行う、野球に似た球技で、平たいバットで硬いボールを打ち、球が浮遊している間にピッチの端まで走って得点するというゲームです。試合中には紅茶の国らしくティータイムがあり、その優雅さから別名「紳士のスポーツ」とも言われています。
競技時間は著しく長く、1試合6〜7時間は常で、決着がつくまで数日かかることすらあります。
イギリス、インド、スリランカといえば紅茶の国なので、ティータイムがあるのは不思議ではありませんが、実は紅茶にはスポーツ飲料としての効能もあります。紅茶に含まれるポリフェノールは、運動中のエネルギー補給にとても有効で、バテにくく、ラストスパートで力を発揮できる飲料なのです。
運動前に紅茶を飲んでおくと、エネルギー源であるグリコーゲンの消費を抑え、先に燃焼しにくい脂肪を代謝させてエネルギーにする働きがあります。つまり、脂肪の消費によって運動が行われ、疲れを感じた頃にグリコーゲンが抽出され、エネルギーに代えることができるというものです。
インドやスリランカでは、運動選手は好んでカレーを食べると言われています。 野菜、肉、脂肪、油分、スパイスを含み、運動機能をアップさせる栄養素が一つのメニューに凝縮されていて、しかもバランスがいいのです。また消化も良く、胃や腸の負担も少ないため、すぐに運動してももたれる感じを与えません。
さらに、食間、食後に紅茶を飲むと、ポリフェノールの効果で、脂肪や油分を分解し、口内のべた付きをさらっと流し、すっきりさせます。これはカレーをおいしく感じさせるだけでなく、消化を助け、代謝を上げるので、正に運動する時にカレーと紅茶は最高のスポーツフード&ドリンクと言えます。
スポーツの前には紅茶にミルクと砂糖を入れ、できればすりおろした生姜やシナモンを加えてチャイ風の紅茶を飲むのをお勧めいたします。
ホットティー 300cc
牛乳 30cc
砂糖 20g
生姜すりおろし ティースプーン 半分
シナモンパウダー 適量
1)マグカップの中に砂糖、生姜、シナモンパウダーを入れておく
スリランカの紅茶(キャンディ) 10g
熱湯 1L
氷 500g
1) ポットに紅茶を入れ、熱湯を注ぐ
2) 10~15分蒸らし、茶こしで別の容器に濾す。
3) 氷を入れて攪拌する
文・写真提供:磯淵猛