食欲の秋ですね。おいしい旬のものに夢中になっている人もいるのではないでしょうか。そうはいっても、どんなにおいしい食べ物も、おなかが空腹でなければおいしく感じられません。今回は紅茶の胃腸への効能についてお話しましょう。
食後、食物は胃で消化され、腸へと運ばれていきます。一般的には5時間くらい必要だといわれています。胃と腸が正常な働きをしていれば、食物が消化されると空腹を感じ、次の食欲が出てきて食べ物をおいしく食べることができますが、胃腸が不調だと食欲不振になります。
そんな時には、紅茶のポリフェノールが胃に有効です。紅茶が胃に入ると、胃壁は緊張をはじめ、胃液の分泌を高め、ひいては食欲が増すことになるのです。
一方、腸の働きが悪くても食欲は低下します。腸の不調の代表格である便秘の原因は大きく分けると2通りあり、腸に緊張が足りなくて便を送り出せない弛緩性の場合と、逆に腸が緊張しすぎて、ぜん動運動が起こらず送り出せない神経性の場合があります。
そこでも紅茶のポリフェノールが効くのです。ポリフェノールにはリラックス効果があり、さらにぜん動運動を刺激して腸の活動を活発にさせる働きがあります。
小さな子どもから大人まで、乳脂肪や、肉、魚などの油の乗った食物、油で揚げた鶏のから揚げやてんぷらなどを好物とする人は多くいます。脂肪や油分が含まれていると、口内で滑らかさや柔らかさ、とろける風味、うまみ、甘みなどが増すからです。
それはインドでも例外ではありません。インド人の生活に欠かせないチャイ屋さんでも、チャイを飲みながら食べるものが揚げ物です。油分を紅茶がすっきり流しリセットするので、また揚げ物に手が伸びてしまうのです。
脂肪や油分はおいしいけれど、肥満に繋がり、コレステロールも高くなると心配に思うかもしれません。それを防ぐ効果があるのが紅茶ポリフェノールです。紅茶ポリフェノールはリパーゼ(脂質代謝酵素)を阻害する働きがあります。つまり、脂肪や油分を消化、吸収させにくくするのです。
参照:紅茶と暮らしの研究所 『vol.06 脂肪に紅茶!?』
果物の中でもリンゴは多くの効用があり、リンゴに含まれたペクチンは腸内の環境を整え、腸壁の改善にも効果があります。また、腸の活動を良くするためにはウォーキングや軽い運動も大切です。
リンゴ(いちょう切り) 4~5枚
カモミール 1つまみ
紅茶 (スリランカ) 4g
熱湯 350cc
1)ティーポットにリンゴを2~3枚いれる
食欲の秋。ついつい食べ過ぎてしまうという方は、胃腸の不調や脂肪の取りすぎを防ぐために、食後にアップルティーを飲んでみてはいかがでしょうか?
文・写真:磯淵猛