こんにちは、幻冬舎plus編集長の竹村優子です。
この連載では、毎週3冊「軸」を確立するヒントとなる本を、編集長として多くの本に接してきた経験からお伝えしています。本日のテーマは「食事の軸」をつくるです。
竹村優子
「毎日1%ずつ新しく生きる!」をコンセプトに立ち上げられた、WEBメディア、幻冬舎plusの編集長。ワクワクする本や物語との出会いの場になるような記事を、毎日お届けしたいという気持ちで、日夜、編集業務に携わる。* 連載コンセプト「ゆるぎなくて軽やかな、私の軸のつくり方」の詳細はこちらからご覧いただけます。
まずご紹介したいのは、成嶋早穂さんの『前田家の食卓』です。
食事の目的はカラダに必要な栄養をとること。栄養についての知識があるにこしたことはありません。本書は、広島東洋カープエース前田健太投手の奥様がご主人の体作りを意識して栄養を考えた家庭料理のレシピ集です。
「集中力を高める」「筋力アップ」「風邪の予防に」「鉄分アップ」「食欲がない時に」などはっきりとした目的のもと、アスリートフードマイスターなどの資格を活かして考えられた前田家の献立は、一般の家庭にも役立つヒントが満載です。
『前田家の食卓』より抜粋
毎日、みそ汁は欠かさないと決めたら、献立の考え方も楽になるかもしれません。本書の著者である料理研究家の飛田和緒さんの育った家庭でも、和洋の料理にかかわらず、朝晩ともにみそ汁が出たそうです。
ひとつでも組み合わせてもおいしい野菜のみそ汁から、豪華な海のみそ汁や具だくさんのおかずみそ汁まで100種類のみそ汁レシピを紹介する本。見ているだけでも楽しいです。
カラダをリセットしたいときには「お粥を食べる」ことを提案するのが本書。
永平寺のお坊さんは、毎朝365日同じお粥を食べます。
その理由は、毎朝、変化がないお粥から、“私”と“お粥”の関係を毎日見つめることができ、“身体”と“在り方”が細やかに見えてくるからなのだそう。修行僧ではない私たちも、毎朝のお粥で、心を整え、一日を気持ちよくスタートさせることができます。
刺激のある味やご馳走ばかりを求めがちですが、その欲望の連鎖を一度断ち切ることで、“食べることの豊かさ”が実感できます。
数年前につくった『世界一の美女になるダイエット』(エリカ・アンギャル著 幻冬舎)という本は、たくさんの方に読んでいただくことができ、話題になりました。
最初、企画したときは、「ダイエット」という言葉はタイトルに入れておらず、「ゴージャス美女になる食べ方」とか、そういったものだったように思います。
それは著者のエリカ・アンギャルさんがけっして「痩せる」ことを推奨しているわけではなかったから。むしろ日本女性は痩せすぎだとおっしゃっていました。
でも、あるとき、「ダイエット」を「痩せる」という意味ではなく、英語本来の「食事」の意味で使ったらどうだろう?と思ってつけたのが、最終的なタイトルになりました。
健康や美容にまつわる食の流行は、時代によって移り変わります。もちろん有効な情報もたくさんあるし、新しいことを試してみるのも楽しい。
でも、それに振り回されて疲れたりしたら本末転倒です。そんなときに安心して戻れる場所が食事の「軸」といえるのではないでしょうか。本日は、そのヒントになる3冊を紹介しました、ぜひご一読いただければ嬉しく思います。
語り手:リズムアンバサダー 竹村優子
写真提供:幻冬舎