初夏や梅雨の季節は、身体に加えて心の不調を訴える人も少なくありません。なんだか気分が落ち込んだり、小さなことにイライラしたり…。そんなときは、古くから伝わる薬膳の知識を使って、心を晴れやかにする食事にしてみませんか。
初夏や梅雨は、一年の中でも汗をかきはじめる季節です。この汗は、かけばかくほど、“気”が失われるといわれています。
“気”は、漢方の世界では生命のエネルギーを指します。気が失われれば、元気や気力がなくなり、その結果、憂うつな気分になったり、イライラしたりといった精神不安定状態に陥るのです。
気温が上昇すると、体温調節のために汗をかくことは避けられません。そのため、汗をかく時期には水分をしっかり補給して、“気”を補う食事をする必要があるのです。
汗をかいて失った気を取り戻し、気をめぐらせ、心を元気にしてくれる食材をご紹介します。見てみると、香りに特徴のある食材が多いようです。
シソやセロリ、シャンツァイなど、独特の香りが苦手な人は多いかもしれません。しかし、ハーブ類にも分類される野菜は、その香りが身体にいい効果を与え、気のめぐりを改善したり、消化機能をアップさせます。
シソや三つ葉、ゆずなどは薬味としてもおすすめの食材。箸休めにらっきょうやきんかんを用意してもいいですね。
ムシムシしだす初夏や、ジメジメした梅雨はそれだけで気分が滅入るもの。ストレスが重なるとそれが原因で疲れを感じることもあります。ここでは、気候の変化で疲れた身体を癒やす食材を紹介します。
急に暑くなると、どうしても水分をたくさん摂り過ぎることがあります。その際はとうもろこしでむくみや食欲の低下を防止しましょう。
暑苦しさを感じる季節は、集中力が低下しますが、そんなときはじゃがいもがおすすめです。魚介類や豚肉は血行促進に効果的、牛乳はストレスや便秘の解消に効果があります。
薬膳の知識を利用すれば、天気がすぐれなくても心軽く過ごせるかもしれません。ぜひ、毎日の食事に取り入れて、これからの夏本番に備えましょう。
文:杉浦優子
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