寒い時期でなくても、冷えの症状に悩む人は意外と多いもの。春から夏にかけての暖かい時期に起こりやすい“冷え”とはどんなものなのでしょうか。
この時期の冷えを解消する入浴方法を紹介します。
私たちの身体は、生命活動を維持するうえで欠かせない酵素の働きを高めるため、一定の体温を保つように調節されています。そのため、暑くて体温が上昇しそうなときは、血管を広げ、なるべく多くの血液を流します。
そして、皮膚の表面温度を上げることで熱を放出したり、汗をかくことで体内の熱を逃がしたりします。
反対に、寒いときには四肢の先の血管を収縮させて血液をあまり流さないようにし、皮膚の表面温度を低く保って体内の熱を逃がしにくくします。そのため手足の先に血管が行き渡りにくくなり、冷えを感じるのです。
冷えの症状が起こるのは、冬に限ったことではありません。春や夏場のまだ気温が高い時期、外で汗をかいて冷房が効いた室内に入ると、身体の表面では汗が急激に蒸発し体温が奪われます。
そして、そのまま薄着で冷えた室内にい続けることにより、身体が冷えきってしまいます。冷え性は、このように外気温によって冷やされる程度ではなく、手足の先端がいつも冷えているような感覚がある症状のことをいいます。これは特に女性に多く、7割近くがつらい冷えの症状を抱えているといいます。
その理由として、女性は男性に比べ、熱を作り出す筋肉が少なく、皮膚の表面の温度が低いこと、そして、貧血や低血圧、月経によって血行が悪くなってしまいがちということなどがあげられます。
暑いからといって、毎日シャワーで済ませていませんか?シャワーでは、身体の表面の汚れは落とせても、身体を芯から温められません。
夏〜初秋の冷えを改善するのにもっとも良い方法が、ぬるま湯での全身浴です。身体を温めるお湯の温度は高いほど良いような気がしますが、熱いお湯では長い時間浸かっていられません。
それよりは、38℃程度のお湯に、半身浴ではなく、胸元や方までゆっくりと浸かる全身浴が効果が上がります。こうすることで、血行が良くなり新陳代謝も高まり、何よりリラックスした気分になります。
*半身浴と全身浴の違いについては、過去記事<<温活!医学博士が教える”芯から温まる正しい入浴方法”>>でもご覧いただけます。
また、入浴は水圧作用や浮力作用により、心臓の働きを良くしたり、筋肉や関節の疲労を取り除いたりと、冷えのみならず健康も促進します。一日の最後には、ぬるめのお風呂にゆったりと浸かって、冷えて凝り固まった身体を癒してあげましょう。身も心もじんわりと温かくなりますよ。
文:風美紫紺
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