早く寝たほうが健康に良いと分かっていながらも、あれこれしているうちに睡眠時間が短くなってしまう、という人も多いはず。睡眠不足が原因で吐き気を感じる、という症状が出ることもあります。睡眠不足と吐き気には、どのような関係があるのでしょうか。
睡眠不足から吐き気が生じる原因には、主に2つ考えられます。
睡眠時間を十分に取ることができない場合、脳や身体の疲れを回復させることができず、免疫力が下がる原因に。身体のさまざまな器官がバランスを崩し、不調が生じます。その1つが吐き気です。
睡眠時間が足りていても、睡眠の質が悪ければ身体は休まっておらず、脳や身体が緊張状態にある場合も。睡眠時間が短い場合と同様に、脳や身体の疲れを取ることができず、吐き気の症状が出てしまいます。
睡眠の質が悪い、睡眠時間そのものが短いなど睡眠不足で吐き気をともなう要素はありますが、実は自律神経が関わっている、とも言われています。
自律神経は交感神経と副交感神経に分かれており、交感神経は昼間活動的に動くうえで必要な神経、副交感神経はリラックスするために働く神経です。2つの神経は自動で働くので、自分ではコントロールできません。
交感神経と副交感神経は本来バランスをとっていますが、寝不足の状態が続くとバランスが乱れ交感神経が優位になり、常に活発な状態に。身体が適応しきれずに吐き気が表れてしまうのです。
自律神経を整えるためにはストレスを溜め込まない、普段から簡単な運動を心がける、趣味に没頭する時間を作る、など心身ともにバランスを整えることが大切。
では、どうしたら吐き気に対処することができるでしょうか。
吐き気の症状がある場合は胃腸が弱っているので、コーヒーやアルコール、炭酸飲料、辛い物などの刺激物を取らないように気をつける必要があります。
胃腸に優しい食べ物や飲み物を摂りましょう。例えば、おかゆや雑炊、うどん、豆腐や野菜スープ、豆乳、白湯やスポーツドリンクがおすすめ。
家事や仕事などで睡眠時間が取れず吐き気まで出ている、という場合は仕事の内容や時間などを調整できるか考慮してみましょう。趣味のために睡眠時間が取れていない場合は、睡眠時間を確保するために調整することが重要。
30分や1時間でも睡眠時間を増やすだけで、体調に良い影響を与えることができます。
睡眠不足により吐き気が出ている場合は、とにかく無理をせず寝ましょう。光があるとしっかり寝ることができない場合も多いので部屋を暗くし、ゆっくり時間を決めずに吐き気が消えるまで寝ることをおすすめします。
吐き気があるときには、胃に食べ物を入れなければ体調が戻ることがあります。食事を消化する作業は、内臓にとってハードなもの。睡眠不足の時に食事の消化で体力を使ってしまうと、さらに疲労が溜まってしまいます。
もちろん栄養をつけることも大切ですが、睡眠が取れるまでは食事を控えて、睡眠を優先すると吐き気を早めに解消することができるでしょう。
吐き気は、身体が限界を迎えている状態を意味しています。嘔吐を我慢することでさらに身体に負担がかかっているので、可能ならば思い切って吐くことも方法の1つ。吐く前には、お湯などを飲んで胃液を薄めた状態にしておきましょう。
睡眠不足により吐き気が生じる場合は、睡眠の時間と質に原因があります。自分の生活スタイルを見直して、脳と身体をしっかり休めるようにしましょう。吐き気が出た時は、休みを必要としているサインなので、無理せずゆっくり寝るようにしてください。