ストレス解消を食事から行っていく場合、どのような方法が考えられるでしょうか。まずポイントになるのが、今現在の食生活を振り返って、ストレスをためこむ食生活をしていないかを確認することです。そして、ストレス解消されやすいといわれる食べ物と栄養素を意識して摂取することがあります。今回は、そのストレス解消と食事との関係をご紹介します。
(監修・取材協力)
医師 平田レナ先生(ひらたれな)
東邦大学医学部医学科入学、在学中よりThe Royal London Hospital(ロイヤル・ロンドン・ホスピタル)にて臨床実習を行う。卒業後は、東京慈恵医科大学附属病院にて勤務。形成外科、皮膚科を経て現在の湘南美容外科クリニックへ入職。日本美容外科学会会員(JSAS) 日本形成外科学会会員 ビビーブ認定医。http://dr-rena.com/
まずは、人はストレスを感じるとどんな反応が起こるのかを確認しておきましょう。人はストレスを感じると、そのストレスに対抗するために、「副腎皮質」という腎臓のそばにある臓器から、副腎皮質ホルモンである「コルチゾール」を分泌させます。すると、血糖値が上がり、傷などの炎症が抑えられます。
では、ストレスを放っておくとどうなるのでしょうか?
自律神経が乱れ、免疫力が落ち、心にも体にも悪い影響が出るといわれています。例えば、自律神経は胃腸に関係しているため、便秘、下痢、腹痛、胃もたれなどにつながります。また、肩こりや首こり、腰痛、頭痛なども悪化するでしょう。また、免疫力が下がると風邪を引きやすくなります。
場合によっては重大な病気になることも。その他、活性酸素が多く分泌されることもあります。また、ストレスによって「飛蚊症(ひぶんしょう)」という蚊や黒い点が飛んでいるかのような光景が視界に映る病気の症状が出ることもあります。
日頃の食生活を振り返ってみると、ストレスを解消する妨げになる食事を摂っていることがあります。次のような食生活を送っていないか、確認しておきましょう。
ストレスが高い人は、交感神経がいつも緊張状態にあると考えられます。現代人は常にストレスを受けているといわれているため、一日中緊張し続けていることが多く、その分、高血圧になりやすくなります。
それに加えて、血圧を上げる塩分の多い食生活を送っていれば、もはや高血圧まっしぐらに。中でも、食塩相当量の比較的多いスナック菓子やコンビニ飯・コンビニ弁当などを日常的に摂取している人は、相当、高血圧の危険が高まっています。
ストレスを受けると、血液中の亜鉛が不足するといわれます。亜鉛は、免疫系の働き、脳の発達と働きに重要な役割を担っています。亜鉛が不足すると、味覚異常、イライラ、疲労、無感動、健忘症、うつ病などが起こるといわれています。
では、反対にストレス解消のためにおすすめの食事内容をみていきましょう。
強いストレスを感じたときは、サプリメントで抗酸化ビタミンを摂取するという方法もあります。例えば、抗酸化ビタミンには、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEがあります。
β-カロテンは特に緑黄色野菜に多く、油と一緒に摂ると吸収率がアップします。ビタミンEと一緒に摂取するのもおすすめです。ビタミンCは野菜や果物に含まれ、赤ピーマンブロッコリーなどに豊富です。ぜひ積極的に摂取しましょう。
ストレス解消におすすめの栄養素の一つが亜鉛です。亜鉛は、牡蠣、肉・魚など多く含まれます。
・亜鉛を多く含む食材
牡蠣、ほたて、カニ、豚レバー、牛肉、納豆、玄米、卵など
また、ストレスを退治するには、しっかりと夜に眠りにつき、成長ホルモンを分泌させることが重要です。成長ホルモンが分泌されやすくなるのは、眠りに入って最初に訪れる深い睡眠のときといわれています。ですから、睡眠を軽んじず、十分な睡眠を取ることが大切です。
生活にメリハリをつけることも、ホルモンバランスを整え、ストレスケアに役立ちます。食事だけでなく、これらのことも注意したいですね。
ストレスと食事の関係をご紹介してきました。ぜひ生活習慣の重要な一つとして、食事を意識しながら、ストレスケアを上手に行っていきましょう。
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