深夜まで残業して、ご飯を買うためにコンビニに行き、家に帰ってからもネットショッピング。疲れて布団に入ったものの、なかなか寝付けない…。こんな経験ありませんか?
その不眠の理由には“光”が関係しているかも。強い光を浴びると、眠りに影響がでてしまうことがわかっています。
光は人の眠りに深く関係しています。睡眠や目覚めにとって心地よい光とは、どのようなものなのでしょうか。
人は、夕方になるにつれてメラトニンが分泌され、体温の低下とともに眠気が強くなります。夜遅くまで明るすぎる環境にいると、メラトニンの分泌が抑えられてしまい、結果、眠気が遠のいてしまいます。当たり前のことのように思うかもしれませんが、これこそが人間の体内リズムの基本なのです。
[日常的な照度はどのくらい?]
・一般家庭の昼の室内 300〜500ルクス
・一般家庭の夜間の室内 500〜700ルクス
・夜のコンビニ 1500〜1800ルクス
・晴れた日のオフィスの窓側 2500ルクス以上
夕方以降に500ルクス以上の光、あるいは青白い光を浴びると、メラトニンが分泌されにくくなることがわかっています。光を浴びることで人は目覚めますので、夜に強い光を浴びることはできるだけ避けるようにしましょう。
寝る前に暗い場所でパソコンやスマートフォンを見る習慣がある方は、画面の明るさを弱くして、長時間見続けないようにしましょう。目安として、寝る30分前にはやめるのが望ましいです。
夜9時以降に強い光を浴びないことが、メラトニンの分泌を邪魔しないので理想とされていますが、現代の生活スタイルではちょっとむずかしいかもしれません。そういう場合は、以下のような“理想の明るさ作り”を行ってみましょう。
寝る前にくつろぐ場所では、暖色系の照明に切り替えてみましょう。徐々に眠りへの準備を身体に意識させていきます。
こちらも暖色系の間接照明にするのがベター。寝ている間、真っ暗が苦手な方は0.3ルクスくらいの照明(月明かりくらい)であれば◎。照明も、いきなり消すと交感神経が優位になって覚醒することがありますので、オフタイマーなどを使って徐々に暗くするのがオススメです。
また、夜間にトイレなどで起きるときは、明るい照明をいきなりつけると脳が覚醒することがあります。フットライトなど10ルクスほどの照明にするといいでしょう。
朝は、明るい光を浴びるように意識します。2500ルクス以上の光を浴びると身体が朝と感知し、体内時計がリセットされます。朝なかなか起きられない方は、寝室は遮光カーテンではなく採光性の生地のものにしたり、カーテンを少し開けたまま寝るのもよいでしょう。
どうしても毎日残業が続いてしまう方も、夜に強い光を浴びてしまう環境にいる方も、家に帰ってからの明るさを意識するだけで、今まで無縁だった“質のいい眠り”ができるかも。部屋を見回してみると、改善できることが見つかるかもしれません。できることからはじめてみてくださいね。
文:リズム編集部