毎日のことなのに、意外と知らないことが多い「睡眠」について。身体の疲れを取る上で、睡眠はとても重要ですが、それ以外にもさまざまな役割があります。
一晩の睡眠のなかには、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があります。入眠してから目覚めるまでの間、ごく浅いノンレム睡眠から始まり、次第に深いノンレム睡眠、また浅いノンレム睡眠を経て、レム睡眠に入るという1セットのリズムを何度か繰り返しています。
浅い眠りのレム睡眠時には、身体の機能の点検や頭の中の情報整理、記憶の固定などが行われています。一方、安らかで深い眠りのノンレム睡眠時は、脳も休んでいる状態です。
人は一晩の間、無意識のうちに平均20~30回の寝返りをうっていますが、実はこの寝返りが、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の移行に関係しているといわれています。いわば、この睡眠段階をスムーズに移行させるスイッチのような役割で、寝返りをうてない状況で眠ると心地よくないのはこのためとも考えられます。
また、寝返りは睡眠時に最適な湿度を保つための役割も果たしています。睡眠時には、およそコップ1杯分の汗をかくといわれていますが、寝返りをうつことによって寝具内の湿気を逃すことができるのです。
そのほかにも、睡眠の重要な役割がホルモンの分泌です。一晩の睡眠中に、成長や代謝などに関わる何十種類ものホルモンが体内で分泌されています。なかでも、睡眠覚醒リズムと深く関係しているホルモンが次の3つです。
血圧や脈拍を下げ、睡眠を安定させる作用があります。日中は分泌が抑制され、眠りにつく1~2時間前から増加し、最低体温の1時間後くらいにピークを迎えその後減少します。
夜も明るい環境にいるとメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。眠りにつく少し前から、部屋の照明を暗めにするとよいとされているのはこのためです。
皮膚細胞の修復、代謝の促進、疲労回復などの重要な役割を果たしていて、実は子どもだけではなく大人にとっても大切なホルモンの一つです。一日を通して、1~3時間ごとに分泌されていますが、入眠してから約3時間の深い眠りのなかで、集中的に大量分泌されます。
血糖値の調節などの働きをしているホルモンで、明け方から分泌量が増加、朝の起床前後で分泌量が最大になるリズムを持っています。「明日は何時に起きるぞ」と気合を入れて寝たら、目覚ましが鳴る前に目が覚めた経験はありませんか?これは、起床前にコルチゾールの分泌が増大して、起きる準備を体内で始めているためです。
人は眠っている間も複雑に機能し、一日の疲労やストレスをせっせと癒しています。同時に、人の身体に必要なホルモンの分泌もしています。睡眠は、身体や心を休めるだけではなく、生み出す時間でもあるのですね。
文:リズム編集部
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