歯ブラシや歯磨き粉のテレビCMで「歯周病ケアをしましょう」などとよく耳にしますが、歯科医院に通う習慣がない方なら、自分には関係ない話と思っていませんか?
でも歯肉になんらかの所見がある人の割合は、30代後半で約9割、40代になるとその割合はもっと増え、日本人の多くが歯周病にかかっていると予想できます。
歯周病を引き起こす原因は、歯周病菌と呼ばれる菌。歯にこびりついている歯垢は、その歯周病菌のかたまりと言ってもよく、わずか1mgの中に10億もの細菌が住み着いているといわれるのです。
そして歯垢が口の中で増えると歯周病菌も増殖していき、歯ぐきに炎症を起こしたり、歯周組織を破壊したりして、最後には歯が抜け落ちてしまうのです。
ただ歯周病は初期段階では自覚症状がなく、気づいたときにはかなり進行しているケースが多いのが実情。だからこそ、若いうちから定期的に歯科検診を受け、歯周病が進行していないかチェックや指導を受けたり、歯の健康のことを考えたりすることが、将来の自分の歯を守ることにつながっているのです。
厚生労働省は、日本歯科医師会とともに、80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという「8020運動」を呼び掛けています。その「8020推進財団」のウェブサイトに掲載されている、歯周病セルフチェックをここでご紹介しましょう。以下の項目で自分がいくつ当てはまるか数えてみてください。
・歯ぐきに赤くはれた部分がある
・口臭がなんとなく気になる
・歯ぐきが痩せてきたみたい
・歯と歯の間にものがつまりやすい
・歯を磨いた後、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある
・歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、おむすび形になっている部分がある
・ときどき歯が浮いたような感じがする
・指でさわってみて、少しぐらつく歯がある
・歯ぐきからウミが出たことがある
当てはまる項目の数が1~2個なら歯周病の可能性があり、3~5個なら初期または中等度以上の歯周炎になっている可能性があります。
歯周病は口の中だけの話にとどまらず、たとえば糖尿病、骨粗しょう症などさまざまな病気との関連が次々にわかってきています。
健康診断を受けて自分の健康度合を知るのと同じように、口や歯の健康についても定期的にチェックしていきたいものですね。
文:佐藤まきこ
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