毎日の生活習慣がその発症や進行に深く関わる「生活習慣病」。生活習慣病を予防するには悪い生活習慣を改善することが一番の近道ですが、毎日の習慣を急に変えるというのは、難しいという人も多いでしょう。
生活習慣病の原因のひとつであるストレスも、現代社会で生きている限り、なかなか切り離すことはできません。しかし、少しの心がけで予防することは可能です。生活習慣病の原因と、予防するためのコツについて紹介します。
生活習慣病の代表的なものとして、高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症などが知られており、日本人の死亡原因の3分の2は生活習慣病であるともいわれています。
生活習慣病は、動脈が硬くなって弾力性を失ってしまう動脈硬化を招いたり、血管壁にコレステロールがたまることによって血液の流れを悪くさせたりもします。
そして、それらが悪化すると、血栓がつまって血管を完全にふさいでしまう事態にもなり、命に関わる危険性が高まります。生活習慣病の原因は、運動不足や偏食、喫煙や飲酒などが代表的で、ストレスや不規則な生活習慣によってももたらされます。
では、生活習慣病を予防するにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。原因別に、予防のポイントとコツをご紹介します。
運動を始めるなら有酸素運動が効果的ですが、忙しくてなかなか時間が確保できないという人は、普段の生活でこまめな体操や軽い運動をするよう心がけてみましょう。
例えば、エレベーターを使わずに、階段を使ったり、バスや電車通勤の場合はひと駅前で降りて歩いたりするだけでも、運動不足の解消に役立ちます。
栄養バランスのとれた食事は生活習慣病予防の基本ですが、難しいという人はなるべく外食や加工食品を避けるようにしてみましょう。
調理の際には塩分を控えて、代わりにニンニクやショウガなどのスパイスをきかせることでも、生活習慣病予防の基本である減塩対策となるはずです。
お酒はたしなむ程度にとどめたいものですが、仕事の接待や付き合いで、どうしてもたくさん飲まなければならないこともあるでしょう。そのような場合は、週一日でも休肝日をつくるようにしましょう。
たばこは、やめるのが理想です。それが難しければ、1日の喫煙量を減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。
ストレス軽減には、十分な睡眠と休息が必要です。睡眠時間を確保するのが難しい場合は、夜遅くの飲食を避け、深酒をしないようにして睡眠の質を高めましょう。
朝食はしっかりと食べる、週末も夜更かしをしないなど、生活サイクルを見直すことでも睡眠の質が高まり、休息につながります。
生活習慣をすぐに改善することは難しいものです。しかし、毎日の小さな工夫が大きな結果を生みだします。自分だけでなく、家族や周囲の人にも協力してもらうなどして、生活習慣の改善に努め、末永く健やかな毎日を過ごしましょう。
文:山下希代