あっという間に11月ですね。暦では立冬、いよいよ冬のスタートです。
寒くなってくると、人間は少しでも熱を発生させて体温を維持しようと、無意識に体を縮こまらせ筋肉を固めてしまいます。
私も思い返せば女子中学生時代……
セーラー服の中に何枚も防寒着を着込むと太って見えるのが嫌で、どんなに寒い日でもインナーはキャミソール1枚で登校していました。
今考えると恐ろしいですが、真冬の教室の寒いことといったら(泣)
どうやら最近の学校は冷暖房設備が完備されているところも多いみたいですが、当時はクラスに1台ストーブがあるだけでしたので、私はほぼ1日中自分の席から移動することもなく唇を真紫にしながら、ただただ震えて体温を上げておりました(笑)
どうでもいい話ですが、これは筋肉を収縮させて体温を上げ、色々な機能をうまく働かせるために人間がとる防御機能とも言えます。
しかし一方で、肩こりや腰痛など、筋肉のこりが原因となる痛みを持つ人にとっては、この防御機能は必要な反面、ちょっと迷惑な話。
特に、いつも同じ姿勢で仕事をしている方や、日頃の運動不足を実感している方。
拘縮した筋肉が更に寒さで硬直するのですから、それはもうカチカチなんて可愛いもんじゃありません。
ガッチガチに筋肉がこり固まって肩こりや腰痛を悪化させないためにも、日々のちょっとしたケアが必要になってくるのです。
そこで今日は、デスクで出来る、ゆるゆるヨガをお教えしたいと思います。
しかも肩こりにアプローチするヨガは顔のむくみをすっきり取り除き、小顔効果も期待できるから一石二鳥!
なぜ小顔に効果があるかって?
それは簡単です。
肩周りや首周りの筋肉が固まる→血流が悪くなる→リンパの流れが滞る→顔がむくむ
なんとまぁ、肩こりと顔のむくみは相関性があったのです。
すっきり小顔美人を目指す女性には、肩や首周りの筋肉のこりは大敵というわけですね。
そうとわかれば早速実践です。
使うのはアレ。背もたれのあるオフィス用の椅子です。
① まず、肩こりに効くツボと言えばここでしょう。
「天柱」です。
このツボは肩こりや腰痛、ありとあらゆる疲労に有効な万能ツボ。
筋肉の緊張をほぐし、血行を促進する効果はピカイチです。
場所は後頭部の生え際付近、太い首の骨の外側の位置です。
まずはここを親指でグーッと押さえます。
② 次に、そのツボを押さえたまま、息を吐きながら体を後方に倒します。
このときのポイントは肩甲骨下部(一番下の尖ったような、手で触れる骨)が背もたれの上に乗っかることです。
オフィス用の椅子はだいたい背もたれが少々リクライニングするので、その動きと連動することが出来てとっても気持ちいいです。
高さが足りないときはお尻にクッションを敷くなど工夫してみましょう。
③ さらに余裕があれば、両手をお尻の後ろで組み、肩甲骨を引き寄せるイメージで組んだ手を床に向かって引き下げます。
頭は重みを感じて、無理のない程度に脱力しましょう。
ちなみに、オフィスにオシャレ椅子しかない方は、こんなストレッチ法はいかがでしょうか。
オフィスで実現可能かはさておき、これ、とっても気持ち良くって肩甲骨周りの筋肉が引き伸ばされるポーズなんです。
① まず、あぐら等の楽な姿勢で座り、手をクロスにし、背もたれの両サイドをしっかりと持ちます。
② 額は椅子の座部に置いて、首回りに力が入らないようにしましょう。
③ 息を吐きながら、肩甲骨を左右に引き離すイメージで背中を丸めていきましょう。
この時、思いっきり背もたれを引っ張っていいです。
自分の足が椅子の動きを止めるストッパーになってくれます。
そこで深い呼吸を5呼吸、背中に酸素を入れるようなイメージで行いましょう。
これは、肩こりの原因となる僧帽筋だけでなく、その深層にある、肩甲挙筋や大菱形筋、小菱形筋といった、むしろ慢性的な肩こりを生み出す張本人の筋肉達も緩めることが出来やすいポーズです。
私たちはどうしても使いやすい表層の筋肉にギュッと力を入れがちです。
無駄な力を小道具を使って上手く抜くことで、本当に伸ばしたいところを伸ばすことが出来ます。
小さいクッションタイプのマッサージャなどが市販されていますが、そういった小物も非常に有効です。
参考商品: omronクッションマッサージャー
http://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/products/03.html
夜寝る前に首の下に置いて、頭の力をだらんと抜いて、もみ玉の圧だけを感じるなど、意識的に筋肉の力を抜いてあげるのもオススメ。
しかも、こういったコンパクトタイプのマッサージャはオフィスにも持っていけますので、是非、デスクワーク中は腰と椅子の背もたれで挟むように使って下さい。
ブランケットを丸めて代用しても良いです。
なぜなら、肩こりの原因として「姿勢の悪さ」も頻繁にあげられますが、こうすることで後傾しがちな骨盤が起き上がり、背筋がピンとなるからです。
普段、浅く椅子に腰掛けて足を前に投げ出す姿勢で座っていませんか?
そのような姿勢は猫背になりやすいです。
猫背は肩こりと小顔の最大の敵ですよ。
(もしかしたら肩こりが猫背を生む場合もあるかもしれませんが)
こういった小物を使って、深く腰掛けることを習慣化し、骨盤から起こして正しい姿勢を保つようにできたら、姿勢の美しさだけでなく小顔美人にも繋がります。
そう考えると、
・ 無意識に筋肉を緊張させてしまって起こる肩こりには、軽いストレッチでほぐす習慣を
・ 猫背などで逆に筋肉が伸びきったまま硬直して起こる肩こりには、骨盤を正しく起こして綺麗な姿勢を維持する習慣を
肩こりには2つのパターンがあって、それを改善するためには、①無理なく、②その場で手軽に行えるストレッチや姿勢づくりを習慣化することが大切になってくるというわけですね。
皆さんの職場は「真冬でもストーブ一つ!」なんてことはないかとは思いますが、寒さだけでなく、思考フルパワーで頭がいっぱいになっているときも交感神経の影響で筋肉は縮こまります。
「あ、今肩に力入ってないかな?」
美しさを保つためにも、たまに自分自身に問いかけてみてあげてくださいね。
ヨガ&バレエ講師 中山めぐみ