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名門ピンディーズ復活に向けて、 選手たちが取り組むコンディショニングと自己管理

名門ピンディーズ復活に向けて、 選手たちが取り組むコンディショニングと自己管理

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名門ピンディーズ復活に向けて、 選手たちが取り組むコンディショニングと自己管理

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オムロンの実業団スポーツチーム、オムロンピンディーズ。日本ハンドボールリーグにおいては1976年の第1回大会から出場して最多17回の優勝を誇ります。地元熊本で開催された2019女子ハンドボール世界選手権大会にも4名の選手を送り込む国内屈指の名門チームです。

昨年就任した水野裕紀監督のもと、常勝を宿命づけられたピンディーズのさらなる飛躍のカギは、体づくりやコンディショニングといった選手一人ひとりが取り組む徹底した「自己管理」。今回はハンドボールの魅力とセルフケアをテーマに、新生ピンディーズの「今」を取材しました。

走る・投げる・跳ぶのダイナミックなプレーが魅力

走る・投げる・跳ぶのダイナミックなプレーが魅力

7人ずつ2組のチームが相手ゴールにボールを投げ入れるハンドボールは、スピーディで迫力ある攻防と華麗なシュートが魅力のスポーツです。とくにゴール前のスカイプレーなどは選手だけでなく観客もあっと思わせるダイナミックさに圧倒されます。本場ヨーロッパではサッカーと並ぶ人気のスポーツで、2011年の世界選手権では、発祥国デンマークでは全国民の半数がテレビの生中継を観戦したデータもあります。

キャプテンでレフトバックの吉田起子選手はハンドボール観戦の魅力について「試合展開の速さ。驚くような得点の入り方。体と体のぶつかり合い。3点差で勝ってても目を離したすきに逆転される攻守の波。毎試合が熱戦です」とプレーヤーと観客どちらもエキサイトするゲーム感を指摘します。

ハンドボールは球技の中の格闘技

ハンドボールは球技の中の格闘技

プレーヤーと観客を熱くさせるハンドボール。エキサイティングな要因の一つは接触プレーでしょう。ハンドボールはディフェンス局面において正面から上半身でボディコンタクトすることが許されています。サッカーやバスケットボールでも見られない攻守双方の体を張ったプレーは「球技の中の格闘技」と称されているほど。そのため選手個々には軽快なフットワークに加えて強い体づくりがポイントです。

小柄ながらチームの司令塔として攻撃の起点となるセンターバックの石井優花選手は「食事を増量して体重を増やしたパンプアップにチャレンジしています。カロリーなんか気にせずに(笑)。ついこの前は栄養士から白米を取る量が少ないと指摘がありました。三食で足りない時は夜食も食べますよ」とさらりと言ってのけました。

怪我の多いスポーツだからこそ、
入念なコンディショニングが大切

実際にハンドボール選手の怪我の多さは他のスポーツの比ではありません。唯一接触プレーのないゴールキーパーでも、「シュートブロックへ行ったら、ボールが至近距離で顔面に当たって脳震盪を起こし、その場で救急車に運ばれました。捻挫なんて日常茶飯事。怪我のうちに入らないですよ(笑)」と白石さと選手。怪我については、眼窩底骨折、唇と舌の裂傷など、聞くのも痛々しい怪我歴をピンディーズの選手たちは教えてくれました。


そのような中で、もっとも身体接触の多いポジションであるピボット(ポスト)の福井亜由美選手は人一倍体のケアに気を遣っていました。

福井選手
「ポストの私は相手ディフェンスと味方の間に立ち、相手守備をブロックして味方を活かすのが仕事。それゆえ怪我が多いので、他の選手より時間をかけてウォームアップし、試合や練習の後は痛みのあるところを必ずアイシングします。それでも追いつかない時はマイクロカレントによる細胞単位でのケアをおこないます。電流を感じるわけじゃないけど信頼感はありますね。」


選手たちに人気なのはコードレスタイプの低周波治療器。掃除や洗濯など日常生活の中で「ながらケア」できるのが好評です。

キャリアが長いほど怪我や疲労からの回復が重要

他のスポーツにも言えることですが、アスリートはキャリアが長くなるほど怪我や疲労の対処が重要です。2018~2019シーズンに自身2度目となるフィールド得点王を獲得したキャプテンの吉田起子選手は、筋疲労や古傷のケアに低周波治療器が欠かせないとのこと。

吉田選手
「もうすぐ30歳を迎えますがあきらかに回復力が落ちています。私は大学時代に今のポジションへ変更して毎日1時間シュート練習をしたのですが、その時に傷めた肩が今でも痛い。肩が張る時は低周波マッサージとマイクロカレントを併用します。若い頃よりずっと自分の体と向き合う時間が増えました。」

常勝復活のための新体制が目指す
スポーツ医科学に基づいた自己管理能力の育成

インタビューは選手だけではなく水野裕紀監督と勝田祥子GM代行からもお話を伺いました。かつてピンディーズのエースとして活躍した勝田GM代行は水野監督が就任してから指導方法が180度変わったと言います。

勝田GM代行
「私が現役だった10年前は気合と根性の世界です(笑)。女の体は3日で元に戻ってしまうと根拠のない通念がまかり通り、盆正月のない練習に明け暮れていました。でも今はそれだけじゃ勝てない。水野監督になってからは練習だけでなく、食事やコンディショニングといったスポーツ医科学の側面も重んじるようになりました。」

たとえば水野監督下の指導では休養の取り方もトレーニングの一つ。ある程度の制限はありますがオフの日の行動は基本的に自由。

「選手には集団生活が向いている人もいれば、一人の時間を持つのが良い人もいる。大切なのはフィジカルとメンタル両面の自己管理です。オフはしっかりコンディショニングやリフレッシュして、翌日の練習には全力で入る。入れなければもちろん叱りますけど。」

この自己管理はもちろん放任というわけではありません。むしろ伝統的な精神的指導が邪魔して不徹底だった自己管理の育成を改善した結果とのこと。選手たちは年に2回身体運動測定を受け、基礎体力や体の状態を客観的に把握します。また栄養士の資格を持つトレーナーによって細かい食事指導がおこなわれています。怪我については治療だけでなく予防の観点を取り入れ、毎日コンディショニングシートをチェックし、フィジカルやメンタル面について監督や専門家と自由に意見交換ができるようになりました。完全な新体制になってからまだ半年ですが、選手たちが体づくりやコンディショニングに主体的となり、プレーや戦術においても以前は監督から一方的だった指導が相互に話し合えるようになったようです。

目標は日本一の奪還

名門ながらピンディーズは日本リーグの優勝から6年遠ざかっています。伝統のある常勝チームの再建が一筋縄でいきません。昨年は準優勝とあと一歩及ばなかった結果を経て水野監督は、

「去年1年間を通してやるべきことがたくさんあるのがわかりました。無論、目標は日本一。日本リーグでの優勝です。そのためには選手たちが指示を待っているのではなく、自分に足りない点について自主的に考えて行動しなければなりません。優勝できるチームはそれができる。」

と言い切ります。勝田GM代行は、「常に勝ち続けるチームであるためには、今いる選手の成長に加えて実力ある選手の入団が不可欠です。最高の環境でハンドボールに打ち込めるチームづくりを提供していくことが有望選手を獲得することにつながります」と長期的視点で見たチームインフラの底上げを目標にしていました。

来年はオリンピックイヤー。日本はハンドボールで開催国出場枠を獲得しています。新生ピンディーズの日本リーグ優勝奪還はもちろん、日本代表チームおりひめジャパンにより多くのピンディーズ選手が出場できることを期待したいです。

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