足が冷たくてなかなか寝付けない──冷え性の人によく見られる症状です。冷え性解消に日々取り組む際に、寝るときの靴下をどうするかについては、履いた方がいい、履かない方がいいと、様々な意見があります。
足の冷えを解消するにはどちらが効果的なのでしょうか?そこで今回は、冷え性解消にに効果のある、「睡眠時の靴下、オススメ素材と履き方」についてご紹介します。
結論から言えば、寝るときに靴下を履いてもいいのです。その理由をみていきましょう。
靴下を履いてはいけない理由として、靴下を履いて寝ると、寝ている間に足に汗をかくことで、足がかえって冷えてしまうといわれていました。
しかし、汗は足以外にもかきますから、その理論が正しいならば、冷えを防ぐためには、裸で寝なければなりません。
裸で寝ることは、冬は寒くて現実的ではありません。つまり、冷えている足を靴下で覆ってあげるのは間違っていないことになります。
人の身体は眠る前になると、深部体温が低下して、眠るのに適した状態になります。
体温が下がるとき、手足から熱が放出されます。身体の熱が血液に乗って手足にまわり、熱がそこから放散されるのです。靴下を履いていれば、足が温かくなるので血流が良くなり、熱放散がうまくいきます。
その結果、身体が眠るのに適した状態になり、寝付きが良くなることもあるといわれています。
つまり、寝るときに靴下を履くことは、一概に眠りを妨げるとは限らないのです。もし足先が冷えて眠れないという場合には、靴下を履いて寝ましょう。
この足の冷え対策を考えるときに知っておきたいのが「頭寒足熱」の考え方です。
頭寒足熱とは、その名の通り、頭は涼しくして、足は熱くするという身体の温め方を表すものです。これは、冷え対策の基本であるといわれています。
よく、平熱は?と聞かれると、36.5度などと答える人は多いでしょう。しかし、それはたいていの場合、脇の下に体温計を当てて測ったときの温度です。全身がその36.5度で保たれているわけではありません。
多くの人は、上半身は37度くらいあり、下半身は31度くらいしかないといわれています。つまり、下半身にいくにしたがって体温は5度以上も低いのが人間の身体なのです。
冷えを感じる人は、主に足や下腹、手の先などが冷えるといいます。いずれも身体の下のほうであることが分かります。
このことから、冷え対策をするときには、もともと体温の高い上半身よりも、体温の低い下半身を温めて、身体全体の体温のバランスをとることが大切だといわれています。
普段の服装で、寒さ対策で厚着をするときに、上半身ばかり着こんでしまいがちですが、実は下半身こそ厚着をすべきなのです。
腹巻きをつけたり、ズボンの下にスパッツやズボン下を履いたり、レッグウォーマーや靴下の重ね履きをしたりして下半身をしっかりガードすることが、冷え対策の基本といわれています。
夜寝るときにも、「頭寒足熱」の基本的な考え方は変わりません。ぜひ靴下を履いて、足元を温めましょう。
しかしどんな靴下を履いてもいいわけではなく、寝るときに適したものにする必要があります。寝るときは、日中に履いているものは避けたほうがいいでしょう。
なぜなら、締め付けが強いので血行を悪くし、冷えを助長してしまうからです。そこで、次に挙げる素材と履き方がオススメです。
シルクの素材は身体を温め、汗や老廃物を吸い取る効果があり、綿はシルクが吸い取ったものを受け取る役目をしてくれます。この2種類で、重ね履きをしましょう。4枚ほど重ねると、より効果的です。
次の順番で履いてみましょう。
1.シルクの5本指靴下
2.綿の5本指靴下
3.シルクの靴下
4.綿の靴下
こんなに何枚も履くのかと思われるかもしれませんが、この順番で重ねて履くと冷えの改善につながり、足が冷たくて寝付きが悪いとか、途中で目が覚めてしまうことを避けられるでしょう。
の素材はまた湯たんぽにかけるカバーも天然素材のウールなど、肌に優しく、肌心地の良いものを選ぶと眠りも良い影響がでそうです。
また、寝るときに上半身はできるだけ薄着にするのをおすすめします。人は寝ている間に汗をかくと紹介しましたが、上半身を厚着して、もこもこになってしまうと、暑くて寝苦しくなります。寝返りも打ちにくく窮屈になるので、眠りの妨げになってしまうこともあります。
上半身は、パジャマのように、ゆったりとした身体を締め付けないものをおすすめします。
今回は、寝るときの靴下の履き方や冷え対策の方法、冷え対策の基本的な考え方についてご紹介しました。
寝るときも、基本的に普段着による衣類の冷え対策と変わりません。「頭寒足熱」を心がけましょう。
特に冬の寒い夜、足元が冷えて眠れないとお悩みの方は、靴下と湯たんぽをうまく活用してみてはいかがでしょうか。
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