みなさん、こんにちは。漢方薬剤師の森田ひろみです。
季節はすっかり暑い夏となりました。春先の心地よい風は何処へやら、外を歩けば吹き付ける熱風に、体力が根こそぎ奪われてしまうような錯覚に陥ります。
昨年は東京都だけで50日以上の真夏日が記録されましたが、今年はどうなるでしょうか。夏バテにはくれぐれも気をつけたいところです。
さて、寒い冬は冬で、身体を温めるのに大変だったはずなのに、こんな暑い季節になっても身体がひんやり冷えている方、いらっしゃるのではないでしょうか?
夏は、冷房のよく効いた室内と、暑い屋外との寒暖差によって、体調を崩してしまう方を多く見受けます。暑いからといって、キンキンに冷えた飲み物をたくさん飲んでしまうのも要注意です。これもまた、人によっては体調不良に繋がる原因となるのです。
「温活」を東洋医学の視点から考えた時に、生活で気をつけるべきポイントや養生法というのは、実は人によって異なります。今回は、女性に多い冷えの症状をいくつか紹介し、その対処法をお伝えします。
夏なのに、手先と足先だけはいつも冷んやりしているという方、実は女性にとても多いんです。このような体質の方は、血流に原因があると考えられます。
血流が悪いと、心臓から送り出される血液が身体の末端まで行き渡らず、末端冷え性となってしまいます。
このような方は、不足しがちな血を補い、それをしっかりと流すことが大切です。
日々の食事でいうと、小松菜やほうれん草、トマト、人参、ひじき、赤身のお肉などを積極的に食べることで血を作ることができます。
毎日湯船に浸かることを心がけ、ウォーキングやストレッチなどの運動も取り入れましょう。
体力があまりなく、代謝が落ちている方に多く見受けられる症状です。身体がエネルギー不足のため、熱を作ることが苦手です。
このタイプの方は、身体を温めることよりも、「熱を閉じ込めること」を心がけてみてください。冷たい飲み物を避け、身体を冷やす作用のある夏野菜やフルーツも避けた方がいいでしょう。
筋トレはもちろん、身体の芯から温まるような運動も効果的なので、ぜひ行ってみてくださいね。
冷えに伴い、身体のむくみや重だるさを感じる方の場合、余分な水分や毒素が溜まりやすい状態にあるため、外見的にも太って見えがちです。露出の多いこの季節はなおさらのこと、できることなら解消したいですよね。
こういった方は、お風呂にゆったり浸かったり、運動をすることでよく汗をかき、こまめに水分補給をすることで、溜まった老廃物が排出されやすくなります。なるべくお酒やしょっぱい食べ物、冷たい飲食を控えるといいでしょう。
ネギ、生姜、しそ、山椒、胡椒といった身体を温める食べ物は、冷えとむくみの両方に効果的なのでオススメです。
これをすれば即効性があるというよりも、日々の生活習慣から改善していくことで、温活効果を手に入れると考えましょう。日常のちょっとしたことの積み重ねが明日の身体に反映されます。冷え性対策とは、体質改善に他ならないのです。
文:リズムアンバサダー 森田ひろみ