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睡眠時無呼吸症候群と就寝中の血圧には深い関係があった⁉︎

睡眠時無呼吸症候群と就寝中の血圧には深い関係があった⁉︎

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睡眠時無呼吸症候群と就寝中の血圧には深い関係があった⁉︎

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こんにちは。精神科医の松井健太郎です。

以前の記事で、中高年の肥満体型の男性に多い、睡眠時無呼吸症候群について解説しました。
https://www.life-rhythm.net/matsui-suiminjimukokyusyokogun/

睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、とくに重症の方ですと、夜間の睡眠の質が非常に悪くなっています。夜間に気道が閉塞するのは、舌肥大(これは肥満の影響が大きいです)や、小顎症、下顎後退といった形態学的な問題(これは遺伝的な要因といえるでしょう)が原因となるので、一朝一夕には改善しません。結果、毎晩の睡眠の質が悪いことになります。

睡眠時無呼吸症候群では、夜間の睡眠の質の低下と、それによる翌日への悪影響(日中の眠気、体がだるいなど)がフォーカスされがちです。しかし、実はそれだけでなく、さまざまな心血管イベントの原因となると考えられています。

今回はその中でも明らかな相関があるとされている、高血圧と睡眠時無呼吸症候群について解説します。

睡眠時無呼吸症候群と高血圧との関係

睡眠時無呼吸症候群では、どうして高血圧が多いのでしょうか。痛みを感じたとき、苦しいときには血圧や心拍数が上がるんだよ、というのを念頭においておくと理解しやすいでしょう。

「睡眠時無呼吸症候群では、夜間睡眠中に呼吸が止まることで息苦しくなり、血圧や心拍数が上がってしまいますが、寝ているのでそれに気づけないことが多いんです」なんて説明しています。さらに、毎晩のように低酸素、睡眠分断に曝されることで、夜間睡眠中だけでなく、日中も交感神経活動の亢進が遷延します(注1)。

交感神経は「ストレスを感じているとき、興奮しているとき」などに働きます(リラックスしているときに働く副交感神経と対をなします)。睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、日中も交感神経が優位になっているので、常に身体にムチ打っている状態になってしまうわけです。

一般の高血圧患者さんの30%に、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群がみられる一方で、治療抵抗性の高血圧の患者さんだとさらに多く、約60%に及ぶと報告されています(注2)。

以前の記事にも書きましたが、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんに対しては、しばしばCPAP(持続陽圧呼吸療法)という医療機器を用いた治療を行います。就寝中にマスクを装着してもらい、鼻から空気を送り込むことで睡眠時無呼吸を改善する、という治療法です。

睡眠時無呼吸症候群が合併している高血圧患者さんでは、CPAP使用による降圧効果自体は降圧薬に劣る(注3)ものの、降圧薬使用・CPAP使用を組み合わせることで、より大きな降圧効果が得られるとされています(注4)。さまざまな降圧薬を服用しているのに、十分な効果が得られない高血圧患者さんは、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみると良いかもしれませんね。

まとめ

・睡眠時無呼吸症候群は高血圧のリスクファクター
・難治性の高血圧では睡眠時無呼吸症候群が合併していることが多い
・睡眠時無呼吸症候群が合併している高血圧の方では、CPAP使用、降圧薬服用のどちらも大切

睡眠時無呼吸症候群の方には、来院時に血圧を測ってもらっていますが、やっぱり血圧高い方が多いなあというイメージがあります。ただ、来院時の1回のみの測定なので、なんとも言えないんですよね…。「白衣高血圧」といって、病院で測定したときだけ血圧が高いという方もいますし、予約時間ギリギリで、急いでいらっしゃってすぐに測定したせいで、血圧が高く出てしまうこともあったりします。

そこで、毎月のように血圧が高い方を見かけたら、まずはご自宅で、朝晩2回、血圧を測ってみることをおすすめしています。血圧計を買ってもらわないといけないし、何より面倒だと思いますが、やっぱりきちんと診断するのが大切です。降圧薬を使用するとしても、納得した上で飲んでもらうことが大事だと思うので、そんなふうに指導しています。

<参考文献>

(注1)Somers VK, Dyken ME, Clary MP, Abboud FM. Sympathetic neural mechanisms in obstructive sleep apnea. Journal of Clinical Investigation. 1995;96(4):1897.

(注2)Pedrosa RP, Drager LF, Gonzaga CC, Sousa MG, de Paula LK, Amaro AC, et al. Obstructive sleep apnea: the most common secondary cause of hypertension associated with resistant hypertension. Hypertension. 2011;58(5):811-7.

(注3)Pepin JL, Tamisier R, Barone-Rochette G, Launois SH, Levy P, Baguet JP. Comparison of continuous positive airway pressure and valsartan in hypertensive patients with sleep apnea. Am J Respir Crit Care Med. 2010;182(7):954-60.

(注4)Thunstrom E, Manhem K, Rosengren A, Peker Y. Blood Pressure Response to Losartan and Continuous Positive Airway Pressure in Hypertension and Obstructive Sleep Apnea. Am J Respir Crit Care Med. 2016;193(3):310-20.

文・資料提供:リズムアンバサダー 松井健太郎

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