気軽に始められるランニングやヨガのほか、スピードやメカを触ることが魅力の自転車、精神系スポーツのテニスやゴルフなど、さまざまなスポーツがありますが、水泳を楽しまれている方は多いのではないでしょうか。
総務省統計局が出した平成23年社会生活基本調査によると、「ウォーキング・軽い体操」「ボウリング」に続いて、3番めに多いのが「水泳」で、水泳人口は男女合わせて約1200万人もいると言われています。
これだけの人が親しむ「水泳」にはどういった魅力があるのでしょうか?
さまざまな種目がある中で、水泳にしかないと言って過言ではない魅力の一つが、非常にバランスのとれた全身運動であるということ。多くのスポーツは身体の一部に大きな負担がかかることが多く、逆を返せば、大きな故障リスクがつきまといます。
その点、水泳は、浮力があることで陸上ほど重力がかからないこと、そしてこの全身にバランス良く負荷が分散する運動であるということから、大きな故障やケガのリスクを抑えながら長く楽しむことができる生涯スポーツと言えます。
例えば、水泳の動きを自由形や背泳ぎでイメージしてみるとします。腕や肩を大きく回し、それに合わせて肘、手首、指先のすべてを使って水をかきます。腕の動きに合わせ、肩甲骨、胸、腰まわりが可動し、呼吸に合わせて首も動きます。
キックはお尻から脚のつけ根、もも、膝、すね、足首、つま先と、なめらかに動作していきますね。その一連の動作が流れるように繰り返されていきます。この動きをするために、ありとあらゆる筋肉が収縮と延伸を緩やかに行い、動いていない筋肉はほとんどありません。
また、心肺機能が鍛えられ、呼吸器系が丈夫になります。 よく喘息の持病がある方が水泳を始めたら、発作が出にくくなったという事例を聞きます。これは、呼吸法により肺機能が鍛えられるから。幼少の頃から水泳をしていると、心肺機能が発達し、どんなスポーツにも適応できますね。ケイコとマナブ.netが発表している「習っている・習わせたいお稽古ランキング2016」でも、水泳がトップとなっています。
水泳は、ハードな練習であれば仲間と一緒に練習することで励みになりますが、競技の特性から見ても個人競技のため、自分のペースで行うことができるのも大きなポイントです。
仕事や家事、育児の合間を縫って、少し時間が空いたなと思った時にプールに行き、すぐ練習できる。荷物も水着、キャップ、ゴーグル、タオルがあれば可能なので、少量で済み、とても効率的に時間を使えます。
「今日は○km泳ぐぞ」と、その日の体調に合わせて泳ぐ距離を調整できますし、長く続けることで、泳げる距離が少しずつ長くなり、体力や身体の変化を感じやすいのも魅力なのかもしれません。
全国各地に屋内プールがあり、年中泳げるようになっています。近隣のスポーツ施設のほか、学校のプールを開放していることも多数。ご自身のお住まいのエリアで調べていただければ、すぐ見つけらるのではないでしょうか。
公営の屋内プールは、1回数百円という料金設定なので、定期的に継続するかどうか判断できない初期段階でも気軽に利用できます。慣れて来たら、回数券を販売しているところが多いので、さらにお得です。
必要な水着、キャップ、ゴーグル、タオルはプールにショップが併設されていればそちらで購入することも可能ですし、ネットでも多数販売されていますよ。
水泳はダイエット効果、リフレッシュ効果がとても高く、怪我や故障も少ないので長く続けられるスポーツです。陸上とは違う気持ちよさをぜひ体感していただきたいです。
文:北川麻利奈