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現在女流浮世絵師として活躍するツバキアンナさん。アラフィフになってから、お酒を美味しく飲みたいがためにランニングを始めたところ、あれよあれよという間に東京マラソン2回目の挑戦でサブ4を達成したといういきさつをお話いただいたのが、今年の夏のこと。
そのインタビューがキッカケとなって、アンナさんは京都マラソンに初挑戦することに。
リズムアンバサダーでもあるランニングコーチ、青山剛さんの京都マラソンに向けた連載『For 京都マラソン12週間プログラム』に合わせ、時には青山さんの直接指導を受けながらアンナさんが京都マラソンを目指すプロジェクトがスタートします。(Vol1前編・後編より続く)
そこで、今回は、プロジェクトの旗揚げということで、お2人に対談していただきました。
(「現代女流浮世絵師、京都マラソンを走る 青山剛×ツバキアンナ対談 Vol.2」 〜アラフィフになっても、フォーエバー・サブ4で(前編)〜より続く)
ツバキアンナさん(以下敬称略)あと、どうしても走っていると、景色を色々と見てしまうんですよね。東京マラソンって、走っている人が面白いじゃないですか。着ぐるみ着て走る人もいるので、つい写メを撮ってしまったりとか、雷門を通ったりすると撮影したり。そういうことをやってるからいけないんだよって、怒られたことがあります(笑)。
青山剛さん(以下敬称略)どうしたいか、ですよね。僕は「頑張るラン」と「ファンラン」の2本立てをオススメしています。頑張るランのために練習してきた貯蓄で、ファンランも楽しむ。そういうふうに大会によって使い分けると長続きします。全部が頑張るレースだと続かないし、全部がファンレースだと、体力の貯金がなくなってしまいますから。
今回で言うと、自己ベストを目指すのであれば、写真はスタッフがたぶんいっぱい撮ってくれると思うので、任せておけばいいと思いますよ(笑)。
アンナ ツイートまでしていましたからね(笑)。それはちょっとやめようか、と思います。
青山 僕も今はそうですよ!今なら、全力で走っても、僕より速いアスリートはいくらでもいるから、何の得にもならない(笑)。この前のニューヨークの16㎞のレースなんかでも、写真を撮りながら走りました。そのレースのレポートを書きたかったので、写真を撮りながら止まっては景色を堪能しつつ、でした。僕も頑張るレースとファンレースを分けています。
アンナ フルマラソンだと、そこまで楽しめる余裕はないですけどね(笑)。
青山 写真撮ったりすると、けっこう足にくるんですよ。腕振りをしないで、足を止めるっていうのは、よっぽどの体力がないと。だから、ペースを落としてファンランするならいいけれど、記録を縮めたいというのであれば、写真はやめたほうがいいと思います。
アンナ そうなんですね!考えたこともなかったです(笑)。私、タイムに影響するだろうなとは思ってましたけれど、足にくるとは……。
青山 そうそう、タイムにはこないけど、足にくる!
——頑張るランとファンランを使い分けているからこそ、息長く楽しんで走ることができるということですか?
青山 アンナさんはある意味、ファンランをする権利がある。なぜなら、「サブ4達成した人は、ファンランっていう言葉を使っていい」ということ。4時間を切る体力がない人は、ファンランも何もないですから(笑)。
アンナ 厳しいですね〜!良かった、サブ4達成しておいて(笑)
青山 というのも、4時間半とか5時間かかる人がファンランをやろうと思っても、たぶん、国内レースでは見つからないんですよ。制限タイムがありますから。だから、ファンランというのは4時間を切った人のご褒美的なものなんです。余裕を持って走っても、制限時間にひっかからないでゴールまで行けますから。
僕もホノルルマラソンでファンランしたことがありますが、12㎞地点くらいで宿泊しているホテルに戻って、トイレをゆっくり済ませるっていう(笑)。27㎞地点では朝マックで30分くらい休憩して、レースに戻って、ダイヤモンドヘッドを登る前のコンビニでアイスを食べる(笑)。
しかも、ダイヤモンドヘッドを登り切ったあたりで、地元の人たちがキンキンに冷えたビールを出してくれるんですよ。あまり大っぴらには言えませんが、これがメッチャメチャ美味い!(笑)。そんなふうに楽しめるのも、体力があるからですよね。5時間くらいで完走できるわけです。
アンナ 一番最初に走った大会がハーフマラソンでしたが、それがたぶん、ファンランという感じだったのかも。南魚沼のグルメマラソンという大会ですが、完走すると、魚沼産コシヒカリが食べ放題!景色も良かったのですが、最後に給水所で日本酒が飲めたんです(笑)。
八海山が出てきて、「なに、これ、最高〜!」って(笑)。でも、みんなお水を飲んでいて、日本酒を飲む人は1人もいない。でも、私は最初のマラソンでタイムなんか気にしていなかったし、「日本酒好きとしては、水に行くわけにはいかない!」と(笑)。結局、日本酒をいただいて、走りきりました。
青山 そういうモチベーションの保ち方でいいと思いますよ(笑)。僕がよく言うのは、「フォーエバー・サブ4」ということ。4時間を切り続ける体力があると、何をやっても楽しい。海外旅行に行っても何をするにしても歩き回れる体力があるし、健康な身体でいられますからね。
アンナ それは、50歳を過ぎても、っていうことですか?
青山 レースに出て、60歳過ぎてもサブ4の人なんて何人もいますよ。逆に60歳過ぎてから走り始めた人のほうが、サブ4達成しやすい。ナゼかというと、時間がたくさんあるから。仕事がひと段落して、走ることに時間を割くことができます。もちろん、サブ4達成するには若いうちに始めたほうがいいのですが、若いうちは仕事もあるので、なかなか時間を割くことができない。
だから、4時間を切り続けるくらいの体力がずっとあると、日々の生活も楽しいじゃないですか。ウチの会員は経営者とかタレントさんとかモデルさんとかいろいろいらっしゃいますけど、多くの人がそこを目指しています。もちろん、サブ3を目指すトレーニングをする人もいますが、基本理念はそこにあるんです。
一般の人がどんなに走ることを頑張っても、世の中はそんなに変わりません。でも、今ある体力で、仕事などを頑張ったほうが、家族が喜んだり、仕事がうまくいって世の中が変わりますから。そういうふうに普段の生活に繋げていって、変換していかないと。ただ、走ることを頑張るだけでは、意味がないんですよね。
アンナ 50歳過ぎてもサブ4をキープするみたいなことは、無理なくできるんですか?私はもう50歳過ぎたら、できないものだと思い込んでいましたが。
青山 今、4時間を切っているのであれば、もちろん可能です。何ごとにおいてもそうですが、維持することは比較的カンタン。上げていくことは、変えていかないといけないこともあるので難しい面もありますが、サブ4をキープし続けることは難しくない。
一番大事なことは、健康であるっていうことだけです。練習量の確保という意味では、年齢と共に増やしていかないといけないということも出てきますが、50歳過ぎてくると都合がつけやすくなってくるじゃないですか。
アンナ 50歳になるまでは、1分でもタイムを縮めることができるのであれば、挑戦してみようかなって思っています。本当に1分くらいでもいいんです。走るごとにタイムが落ちるのは嫌ですが、1分でも縮まると嬉しいですね。
その上で、50歳を過ぎたら青山さんが提唱する「フォーエバー・サブ4」を目指して、美味しいお酒を飲み続けられたらいいなあって思います(笑)。
(「現代女流浮世絵師、京都マラソンを走る 青山剛×ツバキアンナ対談 Vol.3」 〜どんな運動でも、大切なのはリズム(前編・後編)〜へ続く)
構成・文:國尾一樹
【Rhythmアンバサダー・ツバキアンナの京都マラソン初挑戦プロジェクト】Team AOYAMAのセミナー体験取材!!(後編)