更新日:
現在女流浮世絵師として活躍するツバキアンナさん。アラフィフになってから、お酒を美味しく飲みたいがためにランニングを始めたところ、あれよあれよという間に東京マラソン2回目の挑戦でサブ4を達成したといういきさつをお話いただいたのが、今年の夏のこと。
そのインタビューがキッカケとなって、アンナさんは京都マラソンに初挑戦することに。
リズムアンバサダーでもあるランニングコーチ、青山剛さんの京都マラソンに向けた連載『For 京都マラソン12週間プログラム』に合わせ、時には青山さんの直接指導を受けながらアンナさんが京都マラソンを目指すプロジェクトがスタートします。(Vol1前編・後編より続く)
そこで、今回は、プロジェクトの旗揚げということで、お2人に対談していただきました。
——前回、美味しいお酒を飲みたいがために走るという、“ゆるい目的”が素晴らしいと青山さんに評価いただいたアンナさんですが、目標というところではどう進めていくのがいいのでしょうか?
青山剛さん(以下敬称略)最初のカウンセリングでは、いつもお仕事の形態とか、働く時間帯を聞きます。いつ、どこを走れるのか聞くためですが、アンナさんは5㎞を全力で走ると、どれくらいのタイムで走れますか?
ツバキアンナさん(以下敬称略)やったことないので、わからないですね。
青山 そこが、ランニングをやめてしまう人たちの典型なので、ちゃんと計っていただきたいですね。マラソンって陸上競技じゃないですか。アスリートたちは王道を行っているから、だんだん走る距離が伸びていく。中学生で800mとか1500m、高校生になると3000mとか5000m。大学生になったら、箱根駅伝を目指しハーフマラソンを走る。その先に、いつかマラソンを走るという流れです。
ところが、一般の市民ランナーの場合は“いきなりマラソン”になっている。5㎞でどれくらい走れるのかわからないまま、いきなり40㎞以上あるマラソンを走るのでは、目標も何もないですからね。
でも、5㎞のタイムがわかると、計画性を持ってトレーニングができるようになる。たぶん、アンナさんの場合は、サブ4で走れるので、5㎞を25分は切ることができると思うんです。
アンナ 10㎞マラソン大会で走ったときは、確か49分でした。
青山 ということは5㎞は25分を間違いなく切れるじゃないですか。10㎞を49分で走れるということは、フルマラソンのタイムとしては妥当だと思います。10㎞が45分だったら、もっと目標を上げることもできる。
だから、12週間プログラムが始まるまでにちょうど1か月ほどある(取材時)ので、皇居1周を自分なりに全力で走ってみて、どれくらいのタイムかわかると、京都マラソンでの適性目標が決まりますね。ウォーミングアップだけは忘れないでくださいね(笑)。
アンナ それが苦手だったりするんですよね(笑)。
青山 連載でウォーミングアップ方法も紹介しているので参考にしてください。一番いいのは、5㎞の大会に出てみることですよね。皇居1周の大会に出てみるとか。GPS付きの時計を付けて、多摩川の河川敷を2.5㎞走って戻ってくるでもいいですし。
アンナ 駒沢公園を2周半とかでもいいんでしょうか?
青山 距離がピッタリ5㎞ならいいですけどね。ベストなのは、5㎞を全力で走ったときのタイムを知ると、12週間前に5㎞のベストタイムがわかると、12週間かけてどういう練習をしたらいいのか見えてくる。
アンナ ということは、11月末までにどこかで5㎞を走って、シッカリ自己ベストを把握する、ということをやらないといけないですね。
青山 そうですね。できれば、全力で走っていただきたいです(笑)。
アンナ なんだか厳しい(笑)。5㎞を全力で走るんですか!?
青山 より正確に目標を設定したいのであれば、やったほうがいい。そこをみなさん、なかなかやらないから、目標設定が正確にできない。このタイムで走れたら、このタイムでフルマラソン走れます、ということではなく、サブ4達成したい人は、5㎞で25分を切れるようになりましょう、と。そのほうが計画性を持ってトレーニングできますから。
アンナ 11月中旬にハーフマラソンの大会に出るんですけれど、その後でもいいんでしょうか?
青山 アンナさんの場合は、すでにフルマラソンを経験しているから難しければやらなくてもいいですが、初のフルマラソンを走る人は、絶対にやったほうがいいですね。
お酒と一緒です。若い頃はどれくらい飲めるのかわからないから潰れちゃう、みたいな(笑)。ランニングでもそんなことを繰り返すから、辞めてしまう。それって、お酒で潰れてしまう人と一緒なんですよね。
お酒にはたしなみ方があるじゃないですか。ランニングも同じで、ペースを決めるには5㎞のタイムを知る必要がある。だから、ちょうど、この連載が始まる時に合わせてトレーニングをすれば、きっと京都マラソンではいい走りができると思います!
アンナ 5㎞を全力で走ってタイムを計ってみますね。去年の年末に初めてGPS付きの時計を買ってハーフを走ったんですよ。そうしたら、ちょっと速く走れたので、「あ、自分のペースを常に把握しておくことは大事なんだなあ」と思いました。
青山 タイムを縮めたいのであれば、時計は付けたほうがいいですよね。楽しみたいのであれば、付けないほうがいいですね。
(「現代女流浮世絵師、京都マラソンを走る 青山剛×ツバキアンナ対談 Vol.2」 〜アラフィフになっても、フォーエバー・サブ4で(後編)〜へ続く)
構成・文:國尾一樹