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博士と対談!正しい知識と記録が「カラダの変化」につながる

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博士と対談!正しい知識と記録が「カラダの変化」につながる

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オムロンでカラダのリズムを分析する中嶋宏・博士(工学)が、運動を科学している中京大学の渡邊航平准教授・博士(教育学)にお話を伺うため、先日、中京大学を訪れました。

中嶋宏(なかじまひろし)
1985年神戸大学工学部システム工学科卒業。2004年熊本大学自然科学研究科博士後期課程システム情報科学専攻修了。博士(工学)。1985年立石電機株式会社(現オムロン株式会社)入社、現在、同社の技術専門職。九州工業大学客員教授。人類、人工物(機械、情報)、環境へのヘルスマネジメント技術展開に尽力している。データ解析などが専門。

渡邊航平(わたなべこうへい)
2005年日本体育大学体育学部卒業。2010年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程修了(博士(教育学)取得)。日本学術振興会特別研究員PD(京都大学)を経て,2012年より中京大学国際教養学部体育系列准教授。専門は運動生理学・バイオメカニクス。学生時代は陸上競技400メートルハードルで日本選手権や日本学生選手権に出場した経験も持つ。

中嶋:
今回は、京都マラソンも近づいておりますので、「健康的に走れるカラダづくり」というテーマで、お話できたらと思っております。

渡邊先生は、健康科学に関する授業をお持ちで、“運動の習慣化”や“自分の健康への関心”のきっかけとなるような内容を教えておられる、と伺っております。

DSC_0094

渡邊:
わたしの研究は、主に高齢者における筋力低下や、歩行時の転倒に関する神経筋系のメカニズムを明らかにし、それに基づいた運動方法を考案することです。大学の講義では、運動や健康全般に関する授業を担当しています。

わたしが授業を受け持っている学生の多くは、スポーツを専攻に取り組んでいる学生というわけではありません。スポーツを専攻しているわけではない学生たちに、「いかに運動を習慣化してもらうか」を考えて講義しています。

DSC_0045

中嶋:
運動の習慣化の重要性を、学生に理解してもらう上で、心がけていることは、どんなことなのでしょうか。

身体の変化を実感するために記録を録る

渡邊:
できるだけ身近なことから実際に体験して、記録を録ってもらっています。そうすることで、自分の身体の変化に気付き、それを評価していくことができるようになるからです。身体の変化を実感するのは、とても重要なことです。

資料1
写真:学生たちが授業でつける測定記録。「見える化」が「改善」へつながるという。

もちろん、モチベーションも大切です。ゼミを履修した学生たちが、運動習慣をつけるためのリーフレットを作ってくれたのですが、その中では、例えば「大学への通学時」などの身近な環境や、限られた時間でエクササイズできる、わかりやすい事例を挙げてくれているので、読みやすく、また理解しやすい内容に仕上がっています。

資料4

写真:中京大学の渡邊先生のゼミ履修学生が作ったというリーフレット。基礎代謝やカロリー計算など、運動に必要な知識が、イラスト付きでわかりやすく説明されている。中京大学内で無料配布されている。

30min.WORKOUT
写真:リーフレット「30min.WORKOUT」
出典:http://kwatanabe.net/

スポーツに関わる研究を行っていると、運動習慣を持つのが当たり前な人たちと接することが多いわけですが、スポーツを専攻しているわけではない学生たちの、普段の生活や意見を見聞きすることは、わたし自身、とても勉強になります。学生に教わることが多くて、自分でも驚いているほどです。

中嶋:
モチベーションが高く、学生が主体的に、普段の環境からも学ぼうとするという姿勢は、「健康的に走れるカラダづくり」という意味でも、とても重要ですね。オムロンも「測る、気付く、動く」を、テーマにしています。

成果を出すには、正しい実践的な知識が大切

中嶋:
気を付けたいのが、モチベーションが高くても、最低限の知識がないと、変わろうとしても間違ったアプローチをしてしまったり、正しい評価ができない可能性があることですね。

DSC_0180

渡邊:
その通りです。例えば、走っている身体の変化を知る方法のひとつに、心拍数を測るというのがあります。身体への運動負荷を知る上でも、非常に有用なパラメータですが、多くの人が、測定された数字を絶対値として注目してしまいます。

しかし、心拍の絶対値は個人差があるので、その人の基準値をベースにして、相対値でとらえないと、自分の身体の正しい変化に気付きにくいのです。

中嶋:
それは、わたしが取り組んでいる情報の個別化ともつながります。個性に合わせると言い換えてもいいかもしれません。要は、その人にとってどのような情報が重要か、ということですね。

なんのためにという、「目的設定」も重要です。集めた情報を、価値につなげる形にして提供しなければ、意味がありません。測定された数字はひとつでも、走るためという目的と、個性というものを、かけ合わせた解釈が必要になってきます。

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渡邊:
例えば、脂肪燃焼ひとつとってみても、筋トレと有酸素運動は、できるだけ両方を習慣的に行うことが必要です。

というのは、筋トレだけをしても、筋肉にとっては良い効果があっても、循環器系にはネガティブに働くこともあるので(動脈硬化が進行)、血管の柔軟性を改善させる有酸素運動をして、それを予防する必要があるからです。また、有酸素運動だけしても、筋肉量がないと、エネルギー代謝量が上がらずに、効果も頭打ちになってしまう可能性があるんですね。

学生には、そういう生理学的背景を持ち出して、説明してあげることにしています。

身近なところだと、急な体重の増減は、体脂肪の変化よりも水分量の変化の可能性が高いこと、脂肪を減らすには、有酸素運動を地道に継続することが必要なこと、筋トレによって筋肉が顕著に肥大するのは、トレーニングを開始して1ヶ月後あたりからであること(トレーニング初期は神経系が改善される)などを説明します。

多くの学生がダイエットや筋トレを始めますが、なかなか続きません。それは短期的には目に見える効果が出にくいからだと思われます。しかし、生理学的な観点から見れば、急に目に見える効果が出ないのは当たり前なんです。それをきちんと説明してあげることで、運動習慣の継続を促すようにしています。

なぜ、そうするほうがいいのかという理由を、ちゃんと理解した上で運動したほうが、とにかく痩せるためにはこれをしなきゃいけないんだ、と理解しないでやるよりも、続けられるのは間違いありません。

中嶋:
目的をはっきりさせて、そのための適切なアプローチの根拠を、理解しながら行動するのであれば、実感もありますし、継続につながりますね。実践的な正しい知識を身につけることは、カラダづくりのためには必須ですね。

自分の身体の違いを受け入れてコントロールする

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渡邊:
わたしは研究で、歩行における爪先の軌跡も調べているのですが、そこから得られる考え方というのは、走るという行為に置き換えることも可能だと思っています。

個々の歩行のリズムの違いや、左右の足の長さの違いを、同じものとして考えるのではなく、元々バラツキのある条件を、いかに自分のものとして受け入れて行動していくか、ということが重要になってくると思っています。

走るときの自分のフォームも、そういう視点を持って意識してみたら、何かが変わるかもしれません。そして、自分の変化に気付くことができれば、高いモチベーションも維持できるはずです。

中嶋:
そういう画一化できない自分の身体の違いに、自分で気付いて、そのリズムに合わせて、うまく自分をコントロールしていくということが、走ることに限らず、自分の身体のパフォーマンスを高めるきっかけになりそうですね。今日はとても楽しく、貴重なお話を、ありがとうございました。

渡邊:
いい人材も、活躍するには心身ともにアクティブで健康でないといけない、ということですね。
こちらこそ、ありがとうございました。

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オムロンでは、マラソンする人にもしない人にも大切な、日頃からのカラダづくりのコンテンツを配信しています。
http://www.omron.co.jp/about/kyotomarathon/


京都マラソン2016

文・写真:リズム編集部

“関連特集:
Rhythm内の「腹筋」に関する、記事はこちらから”

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