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リズムアンバサダーでフードエディターの小竹貴子さんが、同じくリズムアンバサダーでランニング&トライアスロンコーチの青山剛さんから1年後にマラソンにチャレンジするためのレクチャーを受けるということでスタートしたこの企画。当初の目標を変更し、まずはハーフマラソン出場を目指すというところから始めることになったのは、2018年9月のこと。
その3か月後の12月、小竹さんが神宮外苑近くにあるチームアオヤマの事務所にて青山コーチのパーソナルトレーニングを受けることとなったので、リズム編集部も同行。その模様をレポートします。
まずは、いつものように青山コーチによるカウンセリング開始。
「9月の頭に自転車のトレーニングをやりましたが、今、12月だから3か月が経ちました。この間の身体の感じ、トレーニングの様子はどうでしたか?」と青山コーチが尋ねます。
小竹さんは、毎日、10分間のマストストレッチは朝に行っているとのこと。体幹スイッチ・エクササイズに関しては、週5はやるつもりで週3回実践するようにと指導されていたのですが、結局、週1回しかできていないとのことでした。身体の感じに関しては、急に寒くなってきたことが影響しているのか、「足のむくみが取れないのが気になっています」と言います。
※青山剛コーチ リズム参考記事:「ストレッチ、体幹スイッチ・エクササイズ」の正しい方法(記事全般をご参照ください)
9月時の青山コーチから提案されたメニューをおさらいすると、
●10分間マストストレッチは毎日おこなう
●体幹スイッチは週3(週5でやるつもりで)
●30分の最遅ランニングを週1
●適度な移動距離は自転車を使う
でした。体幹スイッチが週1になってしまったものの、それ以外はキープできているようです。
その様子を聞いた青山コーチは、「トレーニングがゼロになってしまって、身体が眠ったりはしていないことはわかったのでOKです。」と言いつつ、「何か締め切りみたいなものを決めたほうがトレーニングしやすい。12月はいろいろお忙しいでしょうから今のペースで続けていただいて、年明け1〜3月の3か月計画で考えてみると、3月あたりに10㎞マラソンあたりに出場してみるのもいいかもしれません」との提案がありました。
さらに、「『10㎞くらいなら来週あたりでも走れそうかも』と思うようであれば、もっとハードルを上げてハーフマラソンにしてもいいですし。どうですか?」と青山コーチが尋ねると、「10㎞だと、何だかすぐに走れそうな気がしますね」と、小竹さん。
10㎞マラソンではそんなにモチベーションが上がらないようなら、ハーフマラソンを目指したほうがいいとの青山コーチのアドバイスにより、今後は“10㎞マラソン経由、ハーフマラソン”の流れで挑戦することが決定しました。小竹さんご自身のスケジュールをみながら、3月中に開催される10㎞マラソン大会と、その後に開催されるハーフマラソン大会を探し、エントリーすることになりました。
それと共に、年が明けた1月からは、週1ペースだった体幹スイッチを週3ペースにすることと、ハーフマラソン大会出場をモチベーションにして30分以上のジョギングを週2回にするよう、青山コーチからアドバイスがありました。また、「もし、週に2回以上ジョギングしたいと思うようになったら、ウォーキングを増やすようにしてください」と青山コーチは付け加えました。
カウンセリングを一通り終えて今後の3か月計画が決まったところで「今日は小竹さんのフォームがどうなのか見るために併走します。30分間、走るときはペースを絶対に上げません。いかに楽に走るにはどうすればいいのかということを感じていただきます」と青山コーチ。
ランニングのトレーニングにおいて最も大事な練習はジョギングだと青山コーチは言います。
「トップアスリートだろうが、一般の市民ランナーだろうと、最も大事な練習がジョギングであることに変わりありません。なぜ大事なのかと言えば、ジョギングで如何に楽に走れるのかを学んでいかなければ、効率良く走ることはできないから。ジョギングのペースは人それぞれで、例えば僕がジョギングするなら1㎞5〜6分ペース。フルマラソンを4時間で走れる人なら、1㎞6〜7分程度が目安です」
さらに、“如何に楽に走るか”の目安については、「ポイントとなるのは、厳密に言えば心拍数などですが、それだと分かりづらいので、今日は『走りながら僕と喋ることができるかどうか』を見ながら、どのくらいのペースが小竹さんにとってベストなのかも探っていきます。つまり、今日は“ザ・ジョギング”を学んでいただきます!」と青山コーチは説明します。
その後、前回と同様にストレッチと体幹スイッチを入念に行い、小竹さんは青山コーチにフォームをチェックしてもらいました。
ストレッチと体幹スイッチが終了したところで、いよいよ神宮外苑を周回しながらの30分のザ・ジョギング開始です。小竹さんの走るフォームをチェックしつつ、小竹さんが話をしながら走れるジョギングペースを探りながらゆっくりと神宮外苑を30分間、周回しました。
30分のジョギングを終えたお2人にお話を伺いました。
——走り終えてみていかがでしょうか?
青山コーチ 小竹さんのジョギングでの最適なペースを探るために走ってみたのですが、探るポイントは先ほど言いましたように、喋りながら走れるかどうかです。それが楽に楽しく走れるジョギングの最適なペースなんですよね。一緒に走ってみて、小竹さんは1㎞7分より速いとキツそうでしたので、7分〜7分30秒くらいがちょうどいいようです。GPS付きのランニングウォッチがあればペースが表示されるので、常にチェックしながら走ってもらいたいですね。
小竹さん 最初は苦しかったのですが、ペースがわかってきたら楽になりました。
青山コーチ ランニングには3つの段階があります。まず、最初にやってくるのが自分が欲している酸素に対して供給が間に合わなくなって全身が苦しくなるデッドポイントです。ここをずっと我慢して11〜15分くらい走っていると「あれ? さっきまでのあの苦しさは何だったんだろう?」となるのが、セカンドウィンド。ちょうど酸素の需要と供給のバランスが合う瞬間です。デッドポイントを乗り切ると、あとは酸素の需要と供給のバランスが合っている状態のステディステートとなり、楽にジョギングができるようになります。
小竹さん 青山コーチが言うとおり、確かに10分くらいから苦しくなって、しんどいなあ、ってなりました(笑)。いつも苦しくなると歩いてしまっていたのですが、青山コーチに今のお話をお聞きしながら「今を乗り越えると楽になるから」とアドバイスいただいた通りにしていたら呼吸が楽になり、喋りながらジョギングができました。
青山コーチ 今日は小竹さんのフォームをチェックしながらジョギングのペースを探っていきました。走り出しで苦しみましたが、適性ペースもわかったので、これからは走る時間をもっと作っていくようにしてもらいらいですね。
小竹さん あとは、走るフォームについても色々とアドバイスしてもらいました!
青山コーチ 小竹さんは胸が閉じてしまう傾向にあるんですよ。カンタンに言えば、猫背になっちゃうので、それを直すためには、肘を後ろに引くということをアドバイスしました。それさえ意識して直してジョギングを続けていけば、あとは勝手に直っていきます。
——青山コーチのレクチャーを受けつつジョギングしてみてどうでしたか?
小竹さん 自分のフォームをチェックすることはできないので、わからなかったことがクリアになりました。これから、どう走ればいいのか、フォームがわかってきたので、あとはそれを繰り返していくことが大切なのかな、と思っています。
青山コーチ たぶん、1〜3月までの3か月間でモチベーションに火を付けるのは、小竹さんに合ったレベルの大会に出るということです。僕の判断では、春頃に10㎞マラソンに出て、その後にハーフマラソンを目指すといった感じが1番いいと思いますね。
小竹さん 早速、どんな大会があるのか、自分でいろいろ調べてモチベーションを上げていきたいと思います!
青山コーチ まずは3月の10㎞を楽しく走れるように準備をして、ハーフマラソンも楽しめるようにしていきたいですね
——今後の展開が楽しみです。お2人とも、お疲れさまでした!
取材・文:國尾一樹
写真:たつろう
インタビュー:堀川臣樹(パドルクエスト) カヌー、カヤック、SUP【特集:パックラフトと川の旅~パドリングスポーツの現在】