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志を同じくするアスリートが心を通い合わせるbaseでありたい。そんな思いを自身のサロン「rollingbase」に込め、ローリング療法をメインに据えながら、訪れる人々の身体にリノベーションを施している寺尾隆宏さん。その技術はもちろんのこと、寺尾さんの現役ランナーとしての顔は、人々に安心と信頼をもたらし、またそれが、高い評価につながっています。
そんな寺尾さんが、サロンを立ち上げて3年目の今年、ローリング施術師としての大きな夢を一つつかみました。一方でランナーとしては、まだ叶えられていない目標もあるそうです。
rollingbase代表
蓑原ローリング療法 講師
陸上アスリート
寺尾 隆宏(てらお・たかひろ)
1979年、大阪府生まれ。中学時代はサッカージュニアユースチームで活躍、高校時代は日本高校選抜を務めた監督に師事。そのころローリング療法に出合う。2008年にランニングをスタート。2011年に左半身麻痺となり、ローリング療法と再会。それをきっかけに、陸上アスリートトレーニングとともに追求を始める。2015年8月に、ローリング療法のサロン「rollingbase」を開設。コンディションの改善・維持にアスリート目線でアプローチする施術は、一般市民ランナーやスポーツ愛好者はもちろん、プロスポーツ選手からの信頼も得ている。
http://www.rollingbase.jp/
(『ランニングによるケガをきっかけに、脱サラしてローリング施術師に【寺尾隆宏さんインタビュー前編】』から続く)
―現在寺尾さんは、「rollingbase」を運営しながら、リオオリンピック400m銀メダリストの飯塚翔太選手(ミズノ)の専属トレーナーもされているそうですね。
はい。今年のはじめに、ある食事会の席でたまたまお会いした際にローリングを紹介したところ、興味をもってくださり、すぐにサロンに来てくださったんです。施術も気に入ってくださって、とんとん拍子でトレーナーのお話をいただき、5月に大阪で行われたゴールデングランプリ以降、サポートさせていただくようになりました。これまでに、6月の鳥取での布施スプリント、山口での日本選手権、7月にはヨーロッパ遠征でマドリッド、スイス、ベルギー、ロンドンに3週間、8月後半からはジャカルタのアジア大会に帯同しました。
飯塚選手には、ローリングによって、身体の軽さや走るときの腕振りが良くなったり、股関節の可動域が広がってストライドが伸びるという点で、他の療法にはない効果を感じていただいています。
もともと僕自身の中で、こうしたトップアスリートのサポートをするという夢は描いていて、いつ誰が来てもいいように技術を磨き、「rollingbase」には、酸素カプセルやパワープレート、水素吸入器といった特殊な器具を取り揃えて、最高のステージを用意していました。でも、思いがけず早くにその夢を叶えることができて、今、とてもうれしく思っています。
写真:ロンドンで開催されたダイヤモンドリーグに帯同したときの一枚
―寺尾さんも陸上アスリートとして、飯塚さんから学べることも多いのではないでしょうか。
そうなんです。トップアスリートから直接走り方を教えてもらっています。(笑)
また、遠征では朝から晩まで常に一緒に動いているので、一流アスリートの完璧な生活、食べるものへの気の使い方とか、コンディションの整え方などを、肌で感じることができます。おかげで、僕自身のライフスタイルもかなり変化してきていますね。
―寺尾さんご自身は、日頃、ランナーとしてどんなトレーニングやケアを行っているのですか。
毎日、約12~13kmくらい走っています。休みの日には30kmくらい。あとはパワープレートでトレーニングしたり。ケアはローリングと、ときどきハリやマッサージにも通っています。
―食事にもこだわられているのですか。
トップアスリートの食事に倣って、腹六分目くらいにしています。朝はサラダやヨーグルト、しっかりした食事は昼に定食を食べるくらいです。あとは、3時間ごとに糖質の低いナッツなどを食べています。食事以上の運動をしているので、たんぱく質はサプリでも補給しています。
お酒は、今は飲んでいません。毎日24時間の心拍数を計っているのですが、朝練して、仕事で身体を動かして、さらにお酒を飲んで寝ると、ずっと心拍数が高いままになっていることがわかったんです。疲れが取れないのは、睡眠の質が悪いから。それに気付いてからやめました。
―さすが、徹底していますね。
でも実は、3年前の自己ベスト、2時間53分を、ずっと更新できていないのです。2時間50分切りを目指しているのですが、いつも失敗してしまって。一緒にレースに出ているお客さんたちからも、そろそろ出したいよね、と言われています。(笑)
マラソンはこれからの季節が本番。今シーズンは気合を入れて頑張ります!
―Rhythmの読者にも多くのランナーがいます。寺尾さんからアドバイスをいただけますでしょうか。
ランニングによるケガや、身体の故障の原因は、多くの場合、自分の中にあります。ですから、日頃のケアやメンテナンスが大切です。
忘れがちなのが上半身のケア。背中や脇、肋骨周りをゆるめて柔らかくすることで、しっかり腕が振れるようになりますよ。
―やはり、現役ランナーである寺尾さんの言葉には説得力がありますね。
rollingbaseに足を運んでくださる方々も、僕が現役ランナー、アスリートであることで、アドバイスをもらえたり、同じ目線や感覚で話ができたりすることに、魅力を感じてくれているようです。ローリングの施術においても、それが安心や信頼につながっていると言ってくださいます。
ローリングも、ランニングも、僕にとっては大切なもの。両者があるからこそ、楽しく、幸せな日々が送れています。これからも、自分のため、そして「rollingbase」を訪れ、支えてくださるみなさんのために、ますますチャレンジし続けていきたいですね。
本当は、マラソンの自己ベストを更新してからインタビューを受けたかった(笑)、と話していた寺尾さん。今シーズン中の目標達成に向け、頑張ってほしいですね。一方で、今後は、寺尾さんがサポートしている飯塚選手の活躍ぶりも楽しみになりました。
写真:岡本裕介
文:鈴木友紀
からだリフォームマイスター・萩原健史 〜身体を整えるセルフケア〜Vol.3『カンタンに健康を手に入れるために必要なこと』
自分らしく生きることの大切さを体現していきたい。だからこれからも、私のキーワードはアクティブ!【村松圭子さんインタビュー後編】