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目指しているのは、日本のスポーツ現場の安全環境整備と、トレーナーの働き方改革【一原克裕さんインタビュー後編】

目指しているのは、日本のスポーツ現場の安全環境整備と、トレーナーの働き方改革【一原克裕さんインタビュー後編】

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目指しているのは、日本のスポーツ現場の安全環境整備と、トレーナーの働き方改革【一原克裕さんインタビュー後編】

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トレーナーとしてやりたいことが明確にあったから、アメリカでも常に前向きに、強い意志をもって、ブレずにやってこられたと話す一原克裕さん。帰国して4年、今後の日本のスポーツ界、トレーナー界の発展に向け、今、一原さんが抱いている夢について、話を聞きました。

一原 克裕(いちはら・かつひろ)
ALIGNE 代表
米国認定アスレティックトレーナー
早稲田大学アメリカンフットボール部にて、学生トレーナーとして活動。その後、資格取得のために渡米。ハワイ大学大学院に入学するも、学校側の事情でマサチューセッツ州にあるブリッジウォーター州立大学大学院に編入。同校在学時に、MLBマリナーズをはじめ、NFLやMLS球団で学生インターンを経験。米国認定アスレティックトレーナーの資格取得後は、プロアメフト独立リーグやMLBマリナーズにて、アスレティックトレーナーとして活躍。
2015年に帰国し、ALIGNEを立ち上げ、パーソナルトレー二ング・スポーツ関連留学サポート・スポーツ医学コンサルティング事業等を行う。また、NPO法人スポーツセーフティージャパンに所属し、スポーツ現場の安全環境整備の普及にも尽力している。

『山あり谷ありの9年間を経て、米国認定アスレティックトレーナーに【一原克裕さんインタビュー前編】』から続く)

7年間のアメリカ生活で達成した3つのミッション

―一原さんが、アメリカの大学院でアスレティックトレーナーの資格を取得した後も、しばらく現地でプロのトレーナーとして活躍されたのには、明確な理由と目的があったそうですね。

僕が、将来的に「トレーナーとして、日本のスポーツ現場の安全環境整備を進めていきたい」という思いにたどり着いた大学4年生の頃、まさにそれを進めていこうとしているNPO団体、スポーツセーフティージャパンが立ち上がりました。

当時、その存在を知った僕は、すぐさま代表者に会いに。僕も一緒にやりたいと言ったときにその方から命じられたのが、アメリカに行ってまず資格を取り、アメリカのスポーツ現場における安全管理に関する調査を行い、トレーナーとして誰もが認めるような実績やバックグラウンドを持って帰って来いという、3つのミッションでした。特に3つ目のバックグラウンドは、将来、日本に帰って人々に安全管理についての話をしていく上で、相手に耳を傾けてもらうための関門を突破するきっかけになる大切なものだ、と言われました。

そのバックグラウンド作りのために、大学院生時代には、4ヶ月の夏休みを利用して、プロアメフトチームやプロサッカーチームでのインターンを経験。また、イチロー選手のいるシアトルマリナーズでも2週間のインターンを経験しました。

―大学院卒業後も、現地でトレーナーとして就職する道を選んだのですよね。

はい。就職活動は困難を極めましたが、なんとかプロアメフト独立リーグのチームから採用され約半年間、その後マリナーズに採用され3シーズン、プロトレーナーとして従事しました。

一方でその間に、仕事のオフシーズンなどを利用して一時的に何度か日本に帰国し、渡米する前に疑問を抱いていた日本の高校のスポーツ現場の安全管理の状況を見ていました。しかし、あまり変化の兆しを感じることができませんでした。

それで、当初に掲げていた3つのミッションをクリアできたという思いに達したところで、そろそろ僕自身が取り組みを始めたいと思い帰国を決意しました。

長年胸に抱いていた夢と、新たに浮かび上がった夢の実現に向けて

―2015年に日本に帰国後、一原さんは、NPO法人スポーツセーフティージャパンに所属しながら、ご自身の事業としては、ALIGNEという会社も立ち上げられていますね。

スポーツセーフティージャパンでは、チーフディレクターとして活動しています。最近は東京オリンピックが近づいてきたこともあり、日本でも安全に対する取り組みへの関心、また、その必要性への認識が高まりつつあり、それが追い風となって、教育現場や、スポーツをやっている子どもたちやその親御さん、その他、ジャンルやプロアマを問わず、スポーツに関わるすべての人たちに向けたセミナーのご依頼が増えてきています。少しずつですが、世の中の変化を感じ始めていますね。

一方で自身の会社では、アスレティックトレーナーの働き方改革という観点で、アスレティックトレーナーが活躍できる新たな現場、プロのアスリートだけでなく、一般の方々の健康をサポートするためのさまざまな取り組みを模索しています。

その一つとして今思い描いているのが、ウェルネスデザインマネジメントというコンセプトです。人が健康を維持していくためには、身体的、精神的、社会的健康のバランスがとれていることが大切です。スポーツの現場で多くの人の身体と向き合うトレーナーは、それを身をもって感じているので、一般の人々に向けたサポートもできると思うのです。かかりつけ医のように、人々の健康を幅広い側面からサポートできる、ディレクターのような存在のトレーナーを生み出せたらいいなと思っています。

―それはいいですね。一般の人々にとってもトレーナーが身近な存在になりそうです。逆にいえば、私たちも、健康サポートという観点で、トレーナーに相談をしてもいいということですね。

パーソナルトレーニングなら、自分の今の体の特徴や状態から、どんなことをしたらそれがより良い方向に向かうのか、ディレクションをしてもらえます。一度それを確認し、理解できれば、あとは自分でやればいい。ずっと通い続けなくてもいいのです。むしろそれがベストです。

このジムもパーソナルトレーニング専用のレンタルジムで、僕も少し運営のお手伝いをしているのですが、一般の人々にトレーナーやパーソナルトレーニングをもっと身近に感じてもらえるような仕組みづくりも、積極的に行っていきたいですね。

―ちなみに一原さんご自身は、今、健康のために取り組まれている運動はありますか。

空いた時間に、家やこのジムで筋トレやマシントレーニングを行ったり、時々走ったりしています。あと、まだ最近始めたばかりなのですが、クロスフィットを続けていきたいなと。日常の仕事は細かいことが多いので、クロスフィットのレッスンでヒーヒー言いながらなりふり構わず動くことが頭を瞑想状態にし、スッキリさせ、いい発散になります。

本来運動にはそういうところがあって、日常のさまざまなことから離れられ、忘れられる時間でもあるので、心身の健康のためにも、そういった時間を持つことは大切ですよ。


トレーナーを目指し始めてから今に至るまで、変わらぬ熱い思いと持ち前のパイオニア精神で道を切り開いてきた一原さん。ご自身の今後の活躍、そして夢の実現を応援したいですね。

<NPO法人スポーツセーフティージャパンのイベントのお知らせ>

第5回 スポーツセーフティーシンポジウム
『Beat the Heat』〜スポーツ中の熱中症死亡事故ゼロを目指して〜
日時:2018年11月24日(土)
場所:早稲田大学国際会議場 井深大記念ホール
時間:10:00~17:00
参加費:5,000円(学生3,000円)

スポーツにおける熱中症をクローズアップ。ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックと世界大会が行われる日本でどのような対策が必要か、熱中症に関する最新情報と経験談などを元にスポーツ現場に関わるすべての方と一緒に考えるイベントです。

申し込みはこちらから>> https://kokucheese.com/s/event/index/534076/

<撮影協力:シェアワークアウトスペースTHE PERSON>

都内に15店舗レンタルジムの提携店を抱え、フリーランスのトレーナー、スポットで場所を借りたいトレーナー約150名が登録。そのほか、都内100店舗以上のパーソナルジムと提携し、トレーナーがクライアントの希望にあった場所でトレーニングを提供できるようになることで、ユーザーがトレーニングを継続するハードルを下げ、トレーニングをもっと身近にすることを目指しています。利用したいトレーナーまた店舗を提供したいジムオーナーの方はこちらからお問い合わせください。 http://www.the-person.com/

写真:中村年孝
取材・文:鈴木友紀

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