胸焼けが慢性化してしまうと、逆流性食道炎や胃潰瘍といった病気になりかねません。実は、胸焼けのしやすさと食べ物には、深い関係があります。よく胸焼けする人は、普段の食事を見直すことが改善につながると言えるでしょう。
今回は、胸焼けに効果的な食品と、胸焼けの際に控えるべき食品を3つずつご紹介します。
胸焼けとは、逆流した胃酸が食道の粘膜を傷つけることによって起こる症状です。そのため、粘膜を保護する食品や胃酸の分泌を抑制する食品を摂取することで、胸焼けになりにくくなるでしょう。
乳製品は、食道の内側を膜で覆って保護するので、胸焼けに効果的です。なかでも胃酸の分泌を抑制する牛乳は、食事の前に飲んでおくと胸焼けしにくくなります。
ただし、脂肪を含む乳製品は胸焼けを引き起こしやすいので、高脂肪の生クリームはおすすめできません。できるだけ、低脂肪の乳製品を選びましょう。
ニンジン、ホウレン草、カボチャは、粘膜を保護するβ-カロテンを含むので、胸焼けに効果があります。また、レタス、キャベツ、パセリは、胃酸の分泌を抑制するビタミンUを含むので、胸焼けしにくいです。
一方、たけのこ、ごぼう、ネギなどは、繊維が多くて消化しにくいので、胸焼けの際には適していません。もし食べる場合は、よく噛んで胃の負担を減らしましょう。
粘膜を保護するEPA(エイコサペンタエン酸)を含む魚は、胸焼けに効果的です。EPAを多く含む魚としては、マグロの赤身、カツオ、アジ、イワシなどが挙げられます。また、タラ、タイ、カレイなど脂肪が少なく淡泊な白身魚も、胃に優しく胸焼けしにくい食品です。
消化しにくい食品や、胃酸の分泌量を増やす食品は、胸焼けの際に控える必要があります。
脂肪分は消化に時間がかかるので、長時間にわたって胃の中に留まりがちです。脂肪を分解するために胃酸の分泌量が増えることで、胸焼けを起こしやすくなります。
脂肪分を多く含む食品の代表例としては、肉類、揚げ物、マヨネーズなどが挙げられるでしょう。なお、胃の負担が小さいオリーブオイルは、油のなかでは胸焼けしにくいと言われているようです。
食道と胃の間には、下部食道括約筋という筋肉があり、普段は締まって逆流を防ぎ、食べた物が通過するときだけ開く働きをします。
しかし、糖分にはこの下部食道括約筋を緩める作用があるため、チョコレート、あんこ、ケーキなどは、胸焼けしている際には控えるようにしましょう。
スパイスや唐辛子などの刺激の強い食品は、胃酸の分泌量を増やし、胸焼けを起こしやすいです。そのため、スパイスカレー、キムチ、チゲ鍋、担々麺、麻婆豆腐などは、胸焼けしている際には控えるよう気をつけましょう。
食べものを少し工夫するだけで、胸焼けの症状を和らげることができます。少しでも胃に違和感がある場合は、胸焼けに効果的な食品を積極的に摂るように心がけてみてください。
一方、胸焼けを感じたときは、脂肪分の多い食品、糖分の多い食品、刺激の強い食品は避け、症状が悪化しないようにしましょう。
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