こんにちは、理学療法士の今井俊太です。今回はちょっと変わった記事を書いてみます。
日々、私たち理学療法士は、患者さんのリハビリテーションを行う前の「問診」というものを大切にしています。簡単にいうと、よく話を聞くということですね。このコミュニケーション能力が、理学療法士の良し悪しを決めるといってもいいでしょう。その中で患者さんが発した、ほんの一言にヒントが隠されていることがたくさんあります。
忙しいことを、昔から日本では「首が回らない」と比喩することがあります。実際に、ストレスなどで首に症状が出てくる人がいます。
このような言葉は、日本語特有の文化です。このほかには、「腰をすえる」や「へそで茶を沸かす」、「頭にくる」などの言葉も、それにあたります。実は、これらの言葉は、実際に身体の症状として現れる場合があります。
交感神経には、交感神経節といった神経が集まっている部分があり、その一つが、のどの近く(星状神経節)にあります。つまり、ストレスがたまり、交感神経が過剰に活発化すると、交感神経節が反応し、筋肉などへの血流が低下します。筋肉への血流が低下すると、筋肉は硬くこわばり、肩こりや頭痛などの症状として現れてきます。
あまりにもひどい痛みの場合は、この神経にブロック注射をすることもあるんですよ。
さて、首が回らなくなるメカニズムをご説明したので、理学療法士的予防方法をお伝えします。
1. 首を左右に回し、回しにくい方、引っ掛かりを感じる方の向きを確認します。
2. 写真のように、首全体を手で覆い、肘を大きく広げます。
3. 回しにくい方向に首を回しながら、手で首の皮膚も一緒に回します。これを5回繰り返します。
4. 最初のように、首の回しにくさを確認してください。最初よりも逆の方が回しにくいと感じることもありますので、同様に反対側にも行います。
5. 左右の首の回しやすさが均等になればOK。
この運動は無理に行うものではないため、痛みが強い場合は必ず病院で診てもらってください。その際はぜひ、理学療法士の人に診てもらえるかどうか聞いてみてくださいね。
文:リズムアンバサダー 今井俊太
写真提供:今井俊太
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