頭痛やめまい、朝起きるのが辛いなどといった症状は、もしかしたら低血圧が原因かもしれません。血圧が高いと重大な病気を発症する恐れがあることから、高血圧は重要視されますが、低血圧は軽視されがちです。しかしそれは、対策しなくてもよいというわけではありません。
今回は、低血圧の種類と低血圧を改善する食事について紹介します。
低血圧の基準値は、最高血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下、最低血圧(拡張期血圧)が60㎜Hg未満の血圧を指します。血圧はポンプに例えられますが、低血圧の方は血液を送り出す圧力が弱いために起こる症状で、傾向としては若い女性を中心に多いようです。
低血圧の症状として、めまい、頭痛、肩こり、疲れやすい、動悸、息切、食欲不振、また場合によってはめまいや立ちくらみ、失神など起こるといった症状が挙げられるでしょう。一口に低血圧と言っても、体質や病気などが原因で起こるものなどいくつか種類があります。
起立性低血圧は、急に立ち上がった時や寝ている状態から起きあがった時に起こる症状です。起立性低血圧の原因としては、自律神経のバランスが乱れることで起こしやすくなると言われています。
特に低血圧でなくても血圧が急激に下がることが原因で起こるので、多くの人は起立性低血圧を経験しているかもしれません。
本態性低血圧症は、特に病気との関連性はほとんどなく原因不明のものを指し、遺伝や体質、自律神経が上手く機能せず起こることがあります。特に虚弱体質ややせ形の女性に比較的多く見られる傾向にあるようです。
二次性低血圧は、内服薬や病気が原因で起こるものを指します。原因となる病気には、心筋梗塞や重度の不整脈、心筋炎、大動脈弁狭窄症などの循環器系疾患、胃・十二指腸潰瘍、悪性腫瘍など血液の循環が悪くなる病気、肺梗塞や甲状腺機能低下症や脳腫瘍、パーキンソン病なども症候性低血圧などです。
内服薬では、抗不整脈薬、降圧剤、精神安定剤など内服していると薬剤の影響で血圧が低くなることがあります。
低血圧では、朝起きられないという症状が多いのですが、人によっては日中にめまいや立ちくらみを伴うこともあります。また、頭痛や肩こり、不眠、耳鳴り、動悸、胃もたれなど様々な症状が起こる場合も。その中で気をつけたいのが、低血圧による思わぬ怪我です。
街を歩いているときなどに、めまいや立ちくらみが起こることで、バランスを崩してしまい転倒する、階段から落ちる、などの危険性があります。また低血圧でもっとも危険なのが、失神発作を起こしてしまう場合です。場所が悪いと、命を失う可能性があります。
もし、めまいや立ちくらみがひどい、フラっと失神するような予兆がしたら、安全な場所で座り、頭に血液が流れるのを待つ必要があります。失神発作を起こさないためにも、朝シャワーを浴びる、ストレッチなどで身体を動かすなど、身体を目覚めさせることが大切です。
症状の重篤化を防ぐためには、日頃から血圧の変化をチェックしておくと安心。
血圧を管理するには、医療機器として高い信頼と評価を得ているオムロンの上腕式血圧計がおすすめです。 チューブレスで装着から測定、収納まで簡単にでき、スマートフォンアプリで血圧のデータもチェック可能。
低血圧の症状のなかには食欲不振が症状として見られるため、栄養が摂れず悪循環になってしまうことがあるようです。低血圧を改善するためには、栄養バランスの良い食事の摂取や生活習慣を改善することで症状が和らぐことがあります。
また、不規則な生活も低血圧を引き起こす原因となるため睡眠をたっぷりとるなど、規則正しい生活を送ることが大切です。
低血圧を改善するには、栄養バランスの良い食事を摂取することが重要です。必要な栄養素として、タンパク質、ミネラル類、ビタミンEやDHAなどが効果があると言われています。
1日のエネルギーとなる朝食はしっかり食べるようにしましょう。そして、食事はできるだけ温かいものを選び、消化の良い食品群をよく噛んで食べることも大切です。
不規則な生活は、自律神経のバランスを乱して低血圧や体調不良を起こすことがあります。夜更かしをせず、早寝早起きを習慣にすることで低血圧は改善されるでしょう。また、末梢血管の循環が促される適度な運動も効果的です。血流が良くなることによって心拍数と血圧が上昇し、低血圧の改善に役立ちます。
食事療法に付随して、飲み物を見直すのも低血圧の改善に効果的な方法といえるでしょう。水分を多めにとるようにしたり、コーヒーを飲むのがおすすめです。コーヒーにはカフェインが含まれており、このカフェインの作用によって血の巡りを促進する効果が期待ができます。
摂りすぎない程度に飲んでみるとよいかもしれません。
マッサージには血流の改善効果があるので、日々の生活の中に取り入れたい改善方法の1つといえます。とくに入浴時にマッサージをすると、温水による血流改善効果に加え、マッサージの効果も同時に得られるのでおすすめです。
またマッサージをするときは、アロマオイルなどを使ってみるのも良いかもしれません。マッサージを習慣にできると体に血が巡りやすい状態になるので、ぜひ時間があるときにでも試してみるとよいでしょう。
血圧が低下するのは、血流が悪いから。足腰の筋肉を鍛えることで、下半身の血液を押し流す力を高め、心臓に血液を送りやすくします。
そうすることで血圧の低下を予防します。スクワット運動などが有効です。
低血圧の人の中には、ストレスを溜め込み自律神経が乱れやすい体質の人が多いです。特にどこかが悪いわけではないのに、虚弱体質だったりします。
ストレスを溜め込まないために、リラックスできる時間が必要です。趣味の時間を増やしたり、家族や友人と話す機会を積極的に設けましょう。
良質なタンパク質:豆腐や納豆などの大豆製品、赤身の肉、魚、乳製品など
ミネラル:わかめ、ひじき、昆布、のりなど
野菜:ごぼう、れんこん、人参、小松菜、にら、春菊、ねぎ、もやしなど
低血圧を改善するには栄養のある食事をバランスよく摂取するようにしましょう。野菜や果物は健康に良いとされますが、果物のなかにはカリウムを多く含み、ナトリウムを排泄してしまい、反対に血圧が低くなってしまいます。低血圧の方は適度の塩分の摂取も大切です。
重大な病気を引き起こしにくいため重要視されることは少ない低血圧ですが、放っておくのもよくありません。適度な運動をして血液の循環を促して心拍数を上げましょう。生活習慣のほか、低血圧に効果的な食事を摂取して改善するようにしましょう。