関東大学体育会バスケットボールリーグで、4部から3部へと昇格し、快進撃を続ける学習院大学バスケットボール部。今回は、コーチの志津望さんに、選手に対して指導しているメンタルコントロールについて、お話をうかがいました。
テーマはずばり、”本番に打ち勝つ”です。スポーツ以外にも応用できる、本番に打ち勝つための「メンタルコントロールの極意」をご紹介します。
誰にでもある、ここ一番の大勝負。それは大事な仕事のプレゼンだったり、恋の告白だったりするかもしれません。
志津コーチが試合前に選手に話すことは、あらゆる失敗への対策です。「AがダメならB、BがダメならC」と戦略を伝え、最後に、その対応をすばやく体現できるよう十分な練習を積んできたのだ、という事実を選手に振り返らせます。
選手たちに自信を植え付けることが、ポテンシャルを最大限に引き出すことにつながるのです。志津コーチは、特に大事な試合の前ほどこの作業を丁寧に行っているそうです。
続いて、普段から気をつけている日常のメンタルトレーニング法について聞きました。学習院大学では選手たちに、シーズンの最初は常にリラックスした状態で、楽しくトレーニングをしてもらうことを心がけているそうです。
そしてリーグ戦のシーズンに向けて、徐々に厳しく負荷をかけていくのだそうです。それは、最初から負荷がかかると人は成長しないという論法で、逆に試合前に楽しんでいると、勝負勘が鈍り、試合に負けてしまうという考え方がベースになっています。
この考え方を、1日の練習メニューにも意識して取り入れることで、メリハリのついた成長環境を生み出しているのです。オン・オフの切り替えを、自主的に行えるようになるためのトレーニングでもあるそうです。
最後に、負け試合から得るものについてうかがいました。さらに上のレベルを目指す学習院大学にとって、負け試合は次の勝利への大きなヒントだそうです。試合後の分析で、まずは敗因を洗い出し、それを長所として生かすことができないかと模索します。
そして、弱点であるはずの要素を、長所に変える計画を選手たちに伝え、今後の見通しとします。この”見通し”こそがモチベーションなのだと、志津コーチはいいます。それは、体格や身長で劣る相手をスピードで上回るスタイルを築いた、学習院大学バスケットボール部らしい言葉でした。
今回のインタビューは、自分自身の「本番」に置き換えても同じことがいえるように思います。メンタルコントロールを、あなたの本番に打ち勝つきっかけにしてみてはいかがでしょう。
文:青木大地
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