皆様こんにちは。アレルギーナビゲーターの細川真奈です。毎日寒い日が続いていますが、体調崩されたりしていませんか?うがい・手洗いをしっかりして、風邪やインフルエンザを寄せ付けない身体作りをしましょうね。
さて、2月と言えば「バレンタイン」!!いつもお世話になっている方に、仲良しの友達に、大切な家族に、大好きなあの人に…
最近は自分の為に用意する方も増えてきていると聞きます。当たり前のイベントだと思う「バレンタインデー」ですが、これまた食物アレルギーをもつ人にとっては少しだけ悩ましい行事なんです。
チョコレートと言えば、ミルク(乳製品)やナッツを使用している商品がほとんどだということをご存知でしょうか?
また、乳化剤で大豆由来のものを使用していると、大豆アレルギーの方も口にすることができません。最近はカカオの含有率が高いビターチョコレートも健康やダイエット目的で増えてきましたし、オーガニックやローフードがブームとなって、海外製品の輸入チョコレートも増えてきました。しかしその関係で、原材料の中に”乳製品・ナッツ”が含まれていない商品も増えてきたのですが、実はこれが落とし穴だったりするのです。
チョコレートの主な原材料は、カカオパウダー・カカオバター・砂糖の3つ。
この中にあるカカオバターとは、カカオ豆の中に含まれる脂肪分のことです。つまり、油分。チョコレートを製造するメーカーは複数の種類のチョコレートを製造しています。ダークチョコ、ミルクチョコ、アーモンドチョコ…それらを時間や曜日によって分け、同じ機械を使用して製造しているのです。
違う種類のチョコレートを作る際にはもちろん専用の洗浄が入りますが、油分の強いチョコレートはコンタミネーションレベルまで完璧な洗浄をすることはなかなか難しいのです。ですから、チョコレートは原材料自体にアレルゲンが含まれていなかったにしても、同じ機械でアレルゲンを使用したことがある限り、アレルギー症状が出やすい危険な食べ物の1つなのです。
バレンタインの時期、学生になると手作りチョコレートを渡す機会がやってくると思います。わたしが小学生の頃は、自分でも食べられるクッキーを手作りして渡したり、お店で購入したチョコレートを渡していました。
チョコレートをもらうことも、もちろんありました。ですが、わたし自身がそのチョコレートを口にすることは一度もなく、家に持ち帰り家族の胃袋へ。
高学年になり、わたしがチョコレートを食べられないということを気にしてくれて“食べ物”ではなく、文房具や“物”をプレゼントしてくれた友達もいました。これがわたしの「バレンタイン」エピソードです。
ところが、一昨年の夏。アレルギーっ子の救世主とも言えるチョコレートが誕生しました。株式会社アレルゲンフリーフーズが製造する「27大アレルゲン不使用 アレルゲンフリーチョコレート」です。
原材料はこちら。
このチョコレートは、27大アレルゲン物質を一切持ち込みもしない専用工場で作られています。労働者の平均年齢は65歳。週3日・午前中のみの労働時間となる為、工場の敷地内でお昼ごはんを食べることもなく、コンタミネーションの心配も一切ありません。
しかもこのチョコレート、ミルクが入っているわけでもないのに口あたりがとても滑らかで甘くて美味しいのです!
上の写真は以前、株式会社アレルゲンフリーフーズさんの工場見学に行かせてもらった時のものです。代表取締役社長であり、株式会社ニッコー会長でもある可児浩二さんはこう言います。「自分がやるしかないと思った」わたしはこの言葉にとても感動しました。
原材料に「乳」や「大豆」が含まれている、またはアレルゲン物質がコンタミネーション(混入)している可能性から、チョコレートを食べることができない方々にも安心してチョコレートを食べてもらいたい。そんな想いだけでも素晴らしいのに、高齢者雇用推進の一環として、「無理をしない程度に、お小遣い稼ぎができるような体制」を目指した工場では、現在6名の高齢者が働いています。
そして、アレルゲンフリーチョコレートの製造販売によって得た利益は、事業維持継続に必要な分を除き、全額児童養護施設へ寄付しているということです。可児会長はわたしが心から尊敬する人の1人です。いつも本当に刺激を受けています。わたしも微力ながら、自分の力で世の中を変えていくことをしていきたいとバレンタインを前に、改めて決意するのでした。
文・写真提供:リズムアンバサダー 細川真奈