こんにちは。アレルギーナビゲーターの細川真奈です。
今回は、わたしの高校時代の部活動でのエピソードについてお話ししたいと思います。
わたしは高校時代、チアリーディング部に所属していました。
3歳からピアノを習い、小学校では音楽クラブと合唱団、中学校では吹奏楽部に所属していたわたしが運動部に入るだなんて、両親はもちろん、自分でも意外な出来事でした。
高校へ入ってからはアトピーもだいぶ治まっていたとはいえ、中学時代は特に春になると症状が出ていたため、運動をしたり汗をかくことは控えていました。何より体育の成績もあまり良くなかったので(つまり運動音痴)、まさかそんなわたしがチアリーディング部に入るだなんて思いもしませんでした。
体験入部期間が始まり、入学してから仲良くなった友達と、「どこの部活に入ろうか」なんて言いながら、まずはバトントワラー部へ。先輩に教えてもらいながらバトンを回すのですが、上手にバトンを回す友達の隣でわたしはなかなかできない…。「やっぱり、わたしは文化系の部活が向いてるんだろうな」と思っていました。
その翌日、友達の誘いでチアリーディング部へ。わたしが通っていた高校にはアメリカンフットボール部があり、その専属としてチアリーディング部もありました。試合の応援やハーフタイムで披露するダンス、文化祭のステージがメインの部活でした。
しかし昔からの伝統で、オーディションにより、一学年につき6人しか入部できませんでした。「ダンスなんてやったこともないし、オーディションなんて恥ずかしいなぁ…」という気持ちで体験入部に参加していました。
そして、先輩からオーディションで披露するダンスを教わり、いざ本番へ。その結果、なんと合格してしまったのです!
それまでの不安は一気に消え、合格したことがただただうれしくて、「チアリーディング部で頑張ろう!」とすぐに思いました。
続いて現れた問題は、チアリーディング部は夏に10日間、春に7日間の年に2回、山中湖での合宿があるということでした。
食物アレルギーのわたしにとって、わずかな期間とはいえ、家から離れて過ごすことは不安だったのです。なので、わたしは両親に、「チアリーディング部のオーディションに合格して、ぜひ入部したいのだけど、年に2回合宿があって…」と相談しました。
すると、両親は悩むことなく、「そんなにやりたいのなら一生懸命頑張りなさい」と言葉をかけてくれました。そして、小学校の修学旅行のときのように、毎回の合宿に両親もついてきてくれたのです。
わたしに会うことのないようにと近くのコンドミニアムに宿泊し、そこから食事の度にごはんを届けてくれました。また、最近になって知ったのですが、春の合宿のときには、雪が積もっていて宿舎まで車で向かうのは危ないからと、自転車で届けてくれたこともあったようです。
当時の合宿のことを振り返って思い出すのは「練習の内容がハードだったこと」「先輩がこわかったこと」「同学年のメンバーとの絆が深まったこと」がほとんどです。
食事に関して不便な思いは一度もしたことがありませんし、周りの友達や先輩後輩はもちろん、先生にも何か嫌な態度をとられたこともありませんでした。なぜならば、両親がわたしの見えないところで先生とやりとりをしたり、配慮をしてくれていたからです。
以前の修学旅行についての記事を書いているときもそうでしたが、今こうして大人になって振り返ってみて、両親への感謝の気持ちは計り知れません。たくさん、たくさん、親孝行しようと思います。
文・写真提供:リズムアンバサダー 細川真奈