こんにちは。アレルギーナビゲーターの細川真奈です。今回からは高校時代のお話になります。
高校受験で私立に進学するため、塾や家庭教師と、日夜勉強漬けだった日々。受験のために学校説明会に行った人は多いと思いますが、その際に発覚した、食物アレルギーの壁についてお話しさせていただきます。
高校では中学と違って、お昼は持参のお弁当が普通なので、普段の生活面で、アレルギーについて気にすることは、特になかったのですが、受験当時、学校説明会に行き、先生との相談コーナーで食物アレルギーのことを伝えると、「その場合は、卒業旅行へは行けません」と回答された学校もありました。
私立は、学校によって考え方や校則も違ってきます。もし、わたしのように私立を希望される場合は、説明会に参加し、細かいことを確認するのをおすすめします。
わたしが入学した高校の修学旅行の行き先は、九州でした。
福岡・熊本・長崎の3箇所を回ったのですが、当時のわたしはまだ、卵・乳製品・ナッツ類・山芋に加え、牛肉・豚肉・鶏肉・蕎麦・エビ・カニもアレルギーで避けていたため、コンタミネーションの恐れもあり、各宿泊先での対応は難しく、中学の修学旅行と同じように家族がついてきてくれました。
各宿泊先近くのキッチン付き宿に泊まり、他のみんなと似たメニューを作り、わたしに出会わないようにと、食事の時間もしっかり確かめてから配膳をしてくれていた家族には、本当に頭があがりませんし、感謝の気持ちでいっぱいです。
家族のおかげで何の問題もなく、修学旅行は楽しい思い出となりました。
「高校生活も修学旅行も、人生で一度きりのことだから、良い経験をさせてあげたいし、楽しい思い出にしてほしかったのよ。実は、私たちも観光したり旅行できて、良い思い出になったのよ」とさらっと話す母を見て、わたしが母親になって、もし自分の子どもが食物アレルギーだった時に、両親と同じことができるか、そして、母のようにさらっとポジティブな考え方ができるのかな…と思ったら、なんだか目頭が熱くなりました。
みんながみんな、ここまでの対応ができるとは限らないですし、その気持ちがあったとしても、例えば共働きでなかなか休みが取れないなど、現実的に不可能な場合もあるかもしれません。
それでも、いつか、アレルギーの人もそうでない人も、みんな一緒においしくごはんを食べられる環境になって欲しい、というのがわたしの願いです。
都内はもちろん、もっと広い範囲で食物アレルギー対応の場所が増えるよう、そして、そういった対応を既にしている場所を多くの人に知ってもらえるよう、情報発信することに努めていきたいと思っています。
文:リズムアンバサダー 細川真奈