世間一般では、冷え性を改善するためには、さまざまな方法があるといわれています。基本は下半身を温めるために重ね着をすること。そして、カイロや湯たんぽ、半身浴、身体を温める食べ物を腹八分目で食べるなどの方法がポピュラーです。
ただ、盲点になりがちなのが、筋肉のこと。しかし、冷え性は、特に筋肉に意識を集中させるのがおすすめです。そこで冷え性を改善する方法の一つとして、筋肉にアプローチする方法をご紹介します。
冷え性の原因の一つに、代謝が低下していることが挙げられます。つまり、人間が生命活動を行う上で必要な体温調整や内臓の働きなどの必要最低限のエネルギーである「基礎代謝」の低下です。基礎代謝は加齢と共に低下し、さらに筋肉量が低下することにも比例します。
熱産生を担う筋肉量の低下は低体温をもたらし、結果的に代謝が下がります。つまり、冷え性を改善する対策の一つに、筋肉量を増やして熱産生も増やすのが有効と考えられるのです。
また、冷え性の原因として、血行不良があります。筋肉を柔軟に動かすことは、血行不良の改善にもつながるのです。
冷え性は特に自分の筋肉にアプローチすべき。その方法を2つご紹介します。
まずは筋肉量を増やすことです。筋肉量を増やせば、身体が生み出せる熱の量を増えてきます。よって、体温が上昇しやすくなるのです。
最も効率的なのは、身体の中でも大きな筋肉である、太ももやお尻を鍛えることです。スクワットはこの2つの筋肉を効率的に鍛えられる基本的な筋トレ方法です。
スクワットは、肩幅より少し広めに足を開いて立ち、太ももの裏側のラインが地面と平行になるくらいまで曲げて元の姿勢に戻る動作を繰り返す方法です。とても単純な動きなので、ぜひ実施してみてください。
冷え性の原因の一つである血行不良は、主に日頃の運動不足や、同じ姿勢を長時間続ける生活を長年続けていることで起こりやすくなります。場合によっては、筋肉は緊張して凝り固まっていることもあります。この場合、意図的に筋肉の緊張を解いてあげなければなりません。
これには、米国の精神生理学者であるエドモンド・ジェイコブソンが考えた「筋弛緩法」を取り入れてみましょう。「筋肉をゆるめるためには、まずぎゅっと筋肉を緊張させてから一気にゆるめるのが効果的である」という理屈です。
例えば、肩こりがひどい場合には、両肩をぎゅっと持ち上げて首をすぼめるようにします。そのまま10秒ほどキープしたら、一気に脱力します。すると、肩の緊張がいくらか解かれた感覚が残るでしょう。このように、血行不良と思われる筋肉を、わざと力を入れた後脱力して、筋肉をゆるめることで、よりそのゆるめる効果が上がるといわれているのです。
特に緊張している筋肉を見つけて、筋弛緩を行い、血行をよくしてみましょう。
いかがでしたか?冷え性を自覚している人は、ぜひ「筋肉」にアプローチしてみましょう。
その方法は、筋トレと筋肉の緊張を解くこと。毎日の生活の中で、ぜひ時間を作って実践してみてください。
文:リズム編集部
(監修)野田 知路(トイトイトイクリニック)
トイトイトイクリニック
院長 野田 知路医師
経歴:2004年熊本大学医学部卒業。熊本大学病院初期研修。2006年久留米大学病院 麻酔科。2012年福岡大学病院 形成外科。2013年品川美容外科 品川本院。2014年品川スキンクリニック渋谷駅前院院長。2015年品川スキンクリニック池袋院院長。2016年トイトイトイクリニック開院。所属学会:日本形成外科学会正会員日本美容外科学会正会員。日本抗加齢医学会正会員。日本麻酔科学会認定標榜医
https://toitoitoi.clinic/
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