冷え性対策によいものというと、生姜が真っ先に浮かぶ方が多いかもしれません。しかし、生姜並みに優れたものがあるんです。それが、ココアです。
実験でも効果が証明された、ココアの冷え性抑制力とはどの程度のものなのでしょうか。
森永製菓株式会社が2012年に発表した、ココアの実証実験についてご紹介しましょう。実験では冷え性と判断された女性11名に、牛乳にココアを入れたものと牛乳に生姜を入れたもの、2つの飲料を用意し、摂取後の身体の表面温度の変化をサーモグラフィーで測定しました。
その結果、手の甲と鼻の表面温度は、生姜入りのほうが摂取後の温度上昇が早かったのですが、その後、急速に温度低下が始まるのに対し、ココアのほうは生姜ほど温度上昇しなかったものの、その後の温度低下が緩やかだということが分かりました。摂取後60分経っても、手の甲の表面温度は約0.5度高かったのです。
生姜が冷え対策になるのは、生姜に含まれる辛み成分「ショウガオール」や「ジンゲロール」が交感神経を刺激し、熱生産を促すことが関係していると考えられています。
一方、ココアは副交感神経に作用し、心身をリラックスさせると同時に、ココアに含まれるポリフェノールの血管拡張作用が、手先や足先などの末端部分の血液循環を改善するとみられています。
ココアもまた、生姜と同様に、冷え対策に効果的なのです。
寒い季節は温かいコーヒーや緑茶などを飲む方が多いかもしれませんが、気を付けたいのは、コーヒーや緑茶には身体を冷やす作用があるということ。ホットドリンクであっても、実はのちのち身体を冷やすことになっている場合もあるのです。
そのため、手先が冷えていると感じたときは、ホットココアを飲むのが効果的なんです。
ココアには、あの甘い香りによってホッと一息つかせてくれる、リラックス効果もあります。今年の冬はココアを飲んで身体も心もあたため、冷え知らずで過ごしていきませんか?
文:佐藤まきこ