17世紀の半ば、イギリス人が紅茶を知ってから、中国からもたらされた茶は正式な「茶」として広まっていきました。正式な茶とは、椿科のカメリアシネンシスの芽や葉の部分を製茶したものです。
ヨーロッパでは、茶が東洋から伝わる前から飲んでいたものがありました。それは野草を乾燥させたハーブです。ハーブは製茶の工程はなく、ただ干しただけのもので、これは代用茶と呼んでいました。
とくに多く飲用されたのはセージです。漢方薬のような独特の強い匂いがあるもので、熱湯に浸して抽出し、糖蜜やハチミツなどを入れて甘くして飲みます。薬効があり、整腸、解熱、頭痛に効果があり、殺菌効果もあったので、食べすぎ、食あたりが心配なときに食後のお茶として提供されました。
18世紀に入り、中国の福建省から緑茶や紅茶が多く輸入されるようになると、ハーブに代わり、東洋のお茶が生活の主な飲料になってきました。紅茶は「東洋の神秘薬」と謳われ、ハーブ以上にたくさんの効用が伝えられました。風邪、腹痛、胃腸にはもちろんのこと、不眠症や胆石、鳥目にも効くと言われました。
確かに紅茶に含まれるポリフェノールは血行を良くし、胃酸過多を抑え、腸の働きを活発にして体調を整えます。これにハーブを加えることによって、さらにパワーアップするのです。
例えば…
○紅茶 & セージ
胃腸の働きを良くし、食欲を増進させる
○紅茶 & ジャーマンカモミール
カモミールの効果で安眠を作り出し、不眠症の改善
(カモミールには子宮収縮効果があるため、妊娠中はお控えください。キク科のハーブティーのため、キク科アレルギー体質の方は注意してください。)
○紅茶 & ローズヒップ
紅茶には少ないビタミンCをローズヒップから補給でき、免疫力のアップ、スポーツにも欠かせないビタミンCが摂れる
紅茶は発酵食品で、フレッシュなフルーツや花のような香りは含まれていても、それらを強く感じることはできません。しかし、ハーブはレモングラス、ミント、ラベンダー、カモマイル、ローズマリーなど強い香りのものがあり、これを加えることにより、紅茶にはない香りが生まれ、疲れを癒やす効果を作り出せます。
香りだけでなく、ハーブはカフェインを含んでいないので、ハーブとミックスすることにより紅茶の量が少なくなり、カフェインの刺激を抑えることができます。
かつてハーブは独立した使い方をする薬草であり、紅茶は嗜好性の高い飲料として別々な扱いをしてきました。しかし、近年、同じ飲料としてブレンドし、より高い機能性を作り出し、味、香り、水色をより魅力的に抽出できます。
スリランカ紅茶 キャンディ 6g
熱湯(95~98℃) 600cc
ローズヒップ 3g
ミント 適量
セージ 適量
レモングラス 適量
1)ティーポットに紅茶を入れる
2)ローズヒップ、ミント、レモングラス、セージを入れる
スポーツ後にすっきりと爽やかな紅茶が飲みたい時にぜひ試してみてください。
いつもとちょっと違った紅茶が味わいたい時や、気になる症状があるときは、体調に応じたブレンドを自分で探してもいいですね。
文・写真提供:磯淵猛
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