各国大使にその国の健康について聞くHealthy Trip第3弾!今回は日本の反対側にある、南米エクアドルの大使館にお邪魔して、レオナルド・カリオン・エギグレン大使にお話を伺って来ました。
──Buenas Tardes(こんにちは)!今日はエクアドルの文化や健康についてお聞きしたいと思います。さて、早速ですが、エクアドルならではの魅力とは何でしょうか。
受け入れることでしょうか。ちがう言い方をすると、多様性。豊かな自然環境と生き物、そして人間がいっしょになって織りなす極彩色のリズム、それがエクアドルです。たとえば、エクアドルの憲法には、人間が持つ人権と同様の「権利」を自然が持つとはっきりと書かれているんです。
レオナルド・カリオン・エギグレン大使
──それは素晴らしいことですね。豊かで健康な生活というのは、そこからはじまる気がします。
あとは赤道直下なので、昼が12時間、夜が12時間と、こちらもきっちりとリズムがあります(笑)。
写真:黄色いラインが赤道
エクアドルで健康というと、はずせないのがビルカバンバという村です。この村は長寿で世界的に有名でして、一説によると99歳でも若いと言われるとか(笑)。赤道直下ですが、標高が1700mあるので、一年中春のように穏やかで過ごしやすいんです。だから、エクアドルには海外からの移住者も多いんですよ。
また、クエンカという街は『International Living』誌で2015年のリタイア生活人気No.1に選ばれました。(記事トップの写真)
──健康と気候には関連性があるという話を聞きます。エクアドルに引っ越したくなってきました。おすすめの健康食品などありますか?
たくさんあるのですが、日本で珍しいものだと、ボロホでしょうか。消化にいいので、飲みすぎや、お腹を壊した時に飲みます。古来、ネイティブ・アメリカン(先住民族)が長寿の秘薬として果実を利用していまして、近年は医学会からも注目されています。滋養強壮にもいいですし、抗酸化作用もマカより高いといわれています。血液もサラサラにしてくれますよ。
──ボロホはたしかにまだ日本では見たことがありませんね。温泉もあると聞いたのですが?
アグア・カリエンテですね。「エクアドルの富士山」と呼ぶ人もいるコトパクシという活火山があって、そこに湧き出る温泉が気持ち良いのです。
──日本の銭湯には富士山が描かれてますが、「エクアドルの富士山」の麓の温泉というのは最高のロケーションですね。身も心も安らぎそうです。
エクアドルは日本の本州くらいの大きさなのですが、その中に世界中の標高、気候が集まっています。ガラパゴス諸島もエクアドルなんですよ。ぜひ遊びに来てください。エクアドル人はみんな日本のこと大好きですから。
多様な生態系と人間が共存する国、エクアドル。その片鱗がインタビューからも伺えました。
ところで取材中、ひとつ印象深い話をお聞きすることができたので、ここで紹介いたします。先住民族に伝わるエクアドルの国鳥ハチドリの物語です。
アマゾンの森が燃えさかり、動物たちは助かろうと我先に逃げ出した。そんな中、体長7センチほどの小さなハチドリだけが、口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落とした。「そんなことして何になるんだ」と笑う動物たちにハチドリはこう答えた。
「私は私にできることをしているだけです」。
取材・文:福田浩久
写真提供:在日本エクアドル大使館