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起業家、浜田寿人「和牛に魅せられて」

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起業家、浜田寿人「和牛に魅せられて」

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メード・イン・ジャパンの100以上のメンズカジュアルブランドが集うイベントが、横浜の大さん橋ホールで開催された。

欧米やアジアなど、世界中から有力店バイヤーが集うイベント、その会場の入り口に、ひときわ目立つオシャレなフードトラックが止まっている。

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そこで販売されていたのは、世界でも有名な和牛ブランド「神戸牛」を使ったバゲット。はり紙には「KOBE BEEF BOEUF THON BAGUETTE」と書かれている。

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去年6月に、和牛の魅力を世界に発信し販売するサイト、「和牛ダイレクトドットコム」を立ち上げ、世界中のトップレストランを飛び回る浜田さん。

食に関するこだわりや和牛への想いなどのほか、忙しい日々を送るなかでの身体のリズムの作り方についてお聞きいたしました。3回の連載でお伝えしていきます。

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——神戸牛バゲット、シンプルで美味しいですね!

今日は、メード・イン・ジャパンブランドの初のトレードショーなんですよ。エイ出版社が展開している雑誌「CLUTCH」が世界中で有名になり、世界のブランドバイヤーが集まってくるので、どうせなら、最高のフードもしっかりとメード・イン・ジャパンな和牛でもてなしたいねという話があって。

やるからには最高のモノを食べさせたいと思い、現在日本でも競り値が高騰している神戸牛を、原価を割る形でバゲットに挟んで提供しています。

普通にこのサイズをお店で出そうとすると、おそらく3000円ぐらいは取らないと割が合わない。でも今日は世界のトップバイヤーが集まっているので、日本最高のブランドの味をしっかり覚えていってもらいたい、そういう気持ちでキッチンに立っています。

和牛と言ってもいろいろありますが、海外の人にとって「神戸牛」というのは、特別な響きがあります。

日本に行ったら和牛、なかでもよく知られている「神戸牛」を食べてきたんだって自慢できるという。

使っているのは、「ブリスケ」と呼ばれる、前バラ肉の部分と外モモ肉の部分を合わせて、すき焼き風に焼いた肉を入れています。

ブリスケの脂と外モモの繊維質がほどよく絡みあい、ジューシーな肉と元町のポンパドールで朝、焼いてもらったバゲットのサクサク感が合う。

アメリカとかヨーロッパの牛だったら、普通はバーベキューに使うような肉。でも、和牛のブリスケはとても柔らかくて美味しい。焼き肉だったら上カルビと呼ばれる部位の肉で非常にバランスがいい。薄切りにして焼くだけでも、十分に美味しいんです。

ブリスケを選んだのは、世界の食のシーンで今熱いBBQ、そのなかでもブリスケが一番外国人にヒットしている部位だから。

バゲットと合わせるのも、海外のフードトラックで「フィリーチーズステーキサンドイッチが和牛だったら面白いよね」というわかる人にはわかるウィットを入れています。

外国のマーケットに向かうときは、こういうわかりやすさはとても重要ですよね。

和牛を世界に売るためのビジネスを始めるキッカケは?

——浜田さんは高校、大学と米国で過ごして、20歳という若さでソニーに最年少で入社されました。その後、独立されたわけですが、そもそも、食に興味を持つようになったり、和牛を世界に売るためのビジネスを始めるキッカケは何だったんですか?

ソニーに入社する前に、映画情報を提供する「シネマカフェ」というメディアを立ち上げていたのですが、最後のほうの何本かは、食に関するドキュメンタリー映画を扱っていたのが大きいですね。

そのうちに、世界各国の映画関係者が来日したとき、もてなすためのレストランを10年ほど経営するようになっていたので、そのあたりがキッカケです。

その後、宮崎の尾崎牛という和牛ブランドの育成家である尾崎宗春さんと出会ったことも大きい。

実は、尾崎さんに会うまでは、霜降りの肉ってしつこくて、そんなに美味しいものじゃないと思っていたのに、気付いたら尾崎牛を1㎏くらいペロッと食べちゃっていた(笑)。それほど美味しかったんです。

あんなに食べたのに、次の日もまた尾崎牛を食べたくなった。最近は霜降りの和牛って脂がどうのこうのとか言われますけれど、サッパリしていて脂身までも美味しい。これは面白いなあと思いました。

和牛は知れば知るほど面白い

——和牛のどういうところに魅せられたんですか?

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和牛以外の牛肉も美味しいんですが、赤身肉などは熟成させないとなかなか旨みが出てこない。それを補うためにいろんな料理方法があるわけです。

でも、和牛というのは、筋肉のなかに脂肪が交雑するという、すごく面白い現象で生まれた牛で、どんな料理方法で食べても美味しい。

この日本の牛が生まれるまでに1000年以上の歴史があって、日本独自の牛が誕生しています。その歴史をひも解いて説明するだけでも半日は話せるぐらい、とにかく日本の神話のような食べ物なのです。

あと、シンプルな食材として、どのような料理方法でもとても美味しい。非常に調理しやすい日本食材と言えます。

このバゲットもすき焼きのタレでちょっと焼いただけなのにうまいでしょ?塩、コショーするだけでも十分に美味しい。鶏よりも豚、豚よりも牛、要するに、餌を食べる量が多いほど美味しさは深くなるのですが、すべての牛のなかでも和牛の育成方法、育成期間は群を抜いて別格です。

日本人のこだわりがあったからこそ生まれた食べ物です。

和牛は捨てる部分がない最高の可食性能

もちろん、和牛にもいろんな部位があって、サシが入っている部分とそうでない部分がありますが、おそらく、ボクがこれまで見てきた家畜のなかで、可食性能に関して和牛に勝るものはないんじゃないかと思っています。

つまり、使えない部位はないんじゃないかというくらい、資源ユースとして素晴らしい。

和牛の肉を作るために使う飼料は他の牛よりも多いですが、この可食性に目を配ると話は変わってくる。そして、クオリティとともに高級であること、これは大量消費でないことを意味します。安い牛を大量消費する、世界の潮流に対して逆行した売り方を実現できるのがこの和牛です。

しかも、世界中の多くの人が認める、素晴らしい肉ですからね。プライドの高いヨーロッパの人にとっても、一番高級な肉として和牛が認知されています。

プライスが高くても成立するマーケットが存在するということが、世界ではとても重要なんです。これこそがブランドマーケットです。

だったら、その素晴らしい和牛を海外に持っていく仕事をしようと2013年に思い立ち、翌2014年にはヨーロッパでも和牛の輸出が解禁になったので、動き出したといった感じですね。

和牛の魅力を日本人はもっと知るべき

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——知れば知るほど面白いというのは?

ボク自身がそうであったように、日本人は、実は和牛に対して無知なんですよね。和牛という言葉は誰もが知っているけれど、じゃあ、「和牛って何ですか?」と聞かれると、よく知らない。

そういうところが、ビジネスとして非常に面白いと思うんです。

情報の浸透格差があることは、情報の流動性の高さを意味していて、ビジネスとして成り立つ可能性が高い。

そして、和牛という名前に関してだけ言えば、日本のみならず世界中の多くの人が知っている。

これはすごく面白いマーケットだなと。

ただ、和牛とはどういうものなのかといった情報は、まだまだ届いていないんですよね。

「その情報って何だろう?」というところから考え始めると、そこには多くのドラマがあるな、と思ったんです。

そこが、映画やメディアなどのバックグラウンドがあったボクにとっての編集領域となるような気がしたのです。

ボクは、まったく畑違いなところから和牛業界に足を踏み入れてしまったのですが、だからこそ新しいアイデアで和牛という食材を世界に発信し続けていきたいんですよ。

「ホンモノ」が少なくなった今、「ホンモノ」の生産者に還元したい

——和牛を世界に売るビジネスで目指すゴールというのは、どこにあるのでしょうか?

和牛という素晴らしい肉をできるだけ安く、というのではなく、素晴らしい生産者が作っている最高の肉を、その価値をわかってくれる人々に届けるといった仕事をしていきたいと考えています。

例えばフランスのシャラン鴨のように、ブランド力もあって「ホンモノ」の美味しい食材というのは、すごく値段が高い。

ベルーガのキャビアもそう、世界にはあり得ないような高級食材がごろごろしている。

そういう意味では和牛もブランド力を高め、世界一の価格にしていくことが重要です。

簡単に言ってしまえば、

「ホンモノの人たちに、ホンモノの育成家が育てた肉をダイレクトに繋ぐ」
ということです。

「ホンモノ」が少なくなってきている今だからこそ、このビジネスを成功させ、生産者に還元できるようにしていきたいと思っています。そして、この業界に優秀な若手を送り込みたい。

そのためには、もっとわかりやすい情報をテーブルの向こうにいるお客さんたちに伝えていかないといけないんですよね。

美味しさを知っていただくだけではなく、和牛という素晴らしい食材の裏側にある情報やストーリーをしっかりと伝えていくことが重要だと考えています。

——次回は、ビジネスで世界中を忙しく飛び回る浜田さんが、日々の生活のリズムをどう作っているのかといったお話をお聞きします。

取材・文:編集部ライター J.O
カメラマン:©Michael Holst
写真提供:浜田寿人

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