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からだリフォームマイスター・萩原健史 〜身体を整えるセルフケア〜Vol.3『カンタンに健康を手に入れるために必要なこと』

からだリフォームマイスター・萩原健史 〜身体を整えるセルフケア〜Vol.3『カンタンに健康を手に入れるために必要なこと』

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からだリフォームマイスター・萩原健史 〜身体を整えるセルフケア〜Vol.3『カンタンに健康を手に入れるために必要なこと』

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整骨院を経営する傍ら「からだリフォームマイスター」として治療を含めたコンサルティングやセルフケアについて指導する講演活動なども行っている萩原健史さん。身体のバランスが崩れてしまうのは、その扱い方が正しくないからだと言う萩原さんに、健康な身体を取り戻すためのアドバイスを伺っていきます。

からだリフォームマイスター・萩原健史 〜身体を整えるセルフケア〜Vol.2『身体マネジメント力を身につけよう』より続く)

耐震ではなく、制震・免震構造の身体作りを目指す

私は、身体リフォームを考える時に身体を構造物に見たてて説明します。現在、建物の建築基準には耐震・制震・免震の3種類がありますが、主流になっているのは免震構造の建物です。阪神淡路大震災以前は耐震が主流でしたが、耐震構造の建物の多くが倒壊してしまったことから、主流は制震・免震へと変わっていったのです。

耐震構造の基準は、揺れに耐える構造。構造を強くして家を支える考え方です。一方、免震構造の場合は、建物の下にゴム製の免震装置があり、揺れを逃すようになっています。また、制震構造は建物のなかに制震装置を取り付けることで、揺れを吸収するようになっています。


家と同じく、壊れにくい身体作りのためには、制震・耐震構造のいずれかを目指すべきです。しかし、今の身体作りの主流は、実は耐震型なんです。とにかく、筋力トレーニングをたくさんやる。筋肉を鍛えて耐震強度を上げるように鍛えられた身体というのは、もうカチカチになってしまいます。そして、ぎっくり腰になりやすいなど、とにかく身体を痛めやすい。残念ながら、日本ではまだこの耐震型の身体作りが推奨されているのが現状です。

耐震型の身体作りというのは、筋肉を強くしていけば、身体をシッカリと支えられる、あるいは垂れない身体になるといった考え方です。しかし、順番として本当に大事なのは、まずは柔軟性と連動性を身につけることなのです。その上で筋力をつけていくようにするのが最善の方法です。なぜなら、身体の柔軟性と連動性が備わっていない状態で筋肉をつけてしまうと、身体のバランスが崩れてしまうからです。一部分だけ筋肉を鍛えてしまうと、前回、お話したアナトミートレインの話のとおり、すべての筋肉は路線のように繋がっているので、極端に強く引っ張ってしまう部分が出てしまいかねません。

シッカリ動かせる身体作りで大事なことは、連動性。脳と身体をしっかり繋げてしなやかに動かせるように連動させることができれば、正しい身体の使い方を脳が理解するようになります。脳のなかでも、特に身体の姿勢や動作を記憶するのが小脳なのですが、この小脳の働きをよくしていかない限り、どんなに身体を完璧にリフォームしようとも、元の歪んだ身体に戻ってしまいます。変な歩き方になってしまうなど、身体の動かし方が悪くなってしまうのです。

大事なことは、身体の構造を直してあげたら、今度は身体と脳を連動させて、いかに繋げることができるかにかかってきます。つまり、最終的には脳に行き着きます。身体を動かしているのは脳です。脳の反応も変えていかなければ、間違った身体の使い方に戻ってしまい、それが習慣化してしまうのです。。そう考えると、身体の構造を元に戻した後は、脳の習慣を変えるために脳へのアプローチを繰り返し行うことが重要になります。


脳へのアプローチとして効果的なのは、体操です。脳が学習するのに効果的なのは、反復運動。身体に反復運動をさせて覚えさせるために正しい反復運動を繰り返す体操は、正しい身体の動かし方を覚え込ませるために効果があるのです。

また、反復運動には一切、力はいりません。私がオススメしている体操は、遠心力をうまく利用して動かしていくものばかりです。筋力ではなく、連動性を意識する。連動性で身体を動かす体操をすることで、その動きを脳が覚えていくことで、身体はよりしなやかで強くなります。

今後、身体マネジメントやセルフケアの実践編でご紹介させていただきますが、実践するためには、まず、崩れてしまっている身体を元に戻すためにストレッチをする。その次が、ストレッチによって身体を正しい姿勢に整える。さらに反復運動する体操で正しい姿勢、動きを脳に叩き込んでいくというのが、大きな流れになります。

自律神経のバランスも重要

これまで、身体の構造の話と、筋肉を動かす話をメインにしてまいりましたが、もうひとつ、健康な身体を考えていく上で、大事な要素として忘れてはならないのが、自律神経です。人間の身体というのは、長時間同じ姿勢・長時間同じ動作・長時間の活動・長時間の休息など、何をするにしても長時間やってしまうと、ストレスになってしまいます。

姿勢や動作は身体に影響してくるのですが、例えば、働き過ぎとか、寝不足といったことは自律神経にも深く関係しています。姿勢同様、自律神経もバランスが大事で、バランスが崩れてしまうと、身体本来の仕組みも崩れてしまうのです。

自立神経は、人が意識していないときに動かす身体のほとんどすべてを支配していると言っても過言ではありません。その自律神経が乱れてしまうと、身体の機能すべてが乱れてしまいます。実は、人間が意識的にコントロールできるのは、骨格を動かす骨格筋だけ。つまり、脳から指令を送れるのは筋肉くらいのもので、それ以外の内臓を動かしたり、血液の流れを正常にしたりホルモンバランスを整えるといったことは、すべて自律神経がコントロールしているのです。当然のことながら、自律神経が乱れてしまうと身体は大きくバランスを崩してしまうので、健康マネジメントにおいてとても重要なのです。


よく、「寝る間も惜しんで働く」などと言いますが、そういう人は寝不足が続いてしまい、寝ているわずかな間もずっと働いてしまっているのです。しかも、そのことに本人は気づいていません。ほとんどの人は、身体を休めるために睡眠を取り、身体の最適化を行って回復しています。しかし、寝不足が続くと睡眠の質が低下するので、うまく最適化されずに脳が活動し続けてしまい、身体のバランスが崩れてしまうのです。そうなると、うつ病になってしまったり、脳梗塞や心筋梗塞といった様々な自律神経の乱れから来る病気になる危険性が高まってしまいます。睡眠による脳の最適化を怠ってしまうと、ある日突然、身体は言うまでもなく、心まで崩れてしまうことも珍しくありません。

寝る前に効く、身体を整えるストレッチ

人は眠ることで身体の最適化を行い、寝る前の状態に身体を戻しています。しかし、緊張した状態で眠っていると、すぐに起きてしまったりします。それでは、身体を最適化することはできないので、身体を整えてから眠るようにすることが大事になります。

寝る前の身体の整え方としてオススメしたいのは、血液が正しく全身を巡るようにして、脳の指令が全身に正しく巡るようにするためのストレッチです。これまでにもお話してきたように、全身を巡っている血管や神経の通り道を作ってあげるためにやるものです。多くの人がこれを怠っているのですが、それではどんなに努力をしたとしても、健康な身体に戻すための“終わりなき構造改革”になってしまいます。


繰り返しますが、身体は、使ったら使ったとおりの身体になります。長時間、ずっと座ったままで何か作業をしていたのであれば、圧迫された部分の血管や神経はずっと詰まったままになる。そこで、足がむくんでしまって違和感があるといった状態に陥りやすいのですが、それは血液がちゃんと流れていないから。まずは血液が流れる状態に戻してあげてから睡眠を取るのが効果的です。

神経の繋がりに関して言えば、身体をF1マシンに例えると、脳はドライバーです。レースで完走して優勝したいのであれば、整備する時間がはとても重要です。どんなにマシンの性能が良くて、ドライバーの技術が卓越していようと、クルマの整備が十分でなければ満足な走りはできません。

寝ている間に人間の身体は再生をしているわけです。病気で高熱が出たときの対処法として最も効果的なのは安静にすること。何か薬を飲むことでも食べることでもありません。しっかり睡眠をとって休むことが1番です。身体を休めると自律神経や免疫力が働き、血管が拡張することで血液が全身に流れやすくなり、身体の再生がスムーズになります。

ポイントは「姿勢」と「呼吸」の2つ

また、ストレッチのときに意識していただきたいのが呼吸です。呼吸をするために使う筋肉は骨格筋なので、意識して動かすことができます。心臓は自分で意識してコントロールできませんが、呼吸はできるのです。そういう意味で言えば、人が健康マネジメントにおいて何を意識してマネジメントしていけばいいのかというと、「姿勢」と「呼吸」の管理です。それがうまくできるようなってくると、自律神経のバランスが整うようになります。さらに、姿勢をうまく整えることで本来の身体に戻ることができる。この2つのコントロールが大事になります。


健康マネジメントやセルフケアにおいて、コントロールできないことにいくらフォーカスを当ててあれこれやってみても意味はありません。健康マネジメントとは、可能なものをコントロールするからこそ、マネジメントなのです。そういう意味でも「姿勢」と「呼吸」の2つにフォーカスを当ててマネジメントすることこそ、最もカンタンに健康な身体を手に入れる方法と言えるでしょう。

これまで、3回にわたって私独自の理論における健康マネジメントの基本的な考え方について駆け足で説明させていただきました。そのなかでも特にRhythm読者のみなさんにお伝えしたいことは、「健康はバランスだ」ということです。次に順番が大事だということも忘れないでください。これまでにお話したように、まずは「支えられる身体」を作り、次に「動かせる身体」にする。そして、最後に「流れる身体」をキープする。ひとつひとつ、順番通りにステップを踏んで階段を登っていけば、誰でも健康という名の頂に登れるはずです。なかなか症状が治らないと困っている人は、いきなりジャンプして先に行こうとするから行けないだけであって、健康な身体を取り戻すことはそんなに難しいことではありません。

身体をリフォームするための私の考えは、極めてシンプルで、これだけ覚えておけば大丈夫ということばかりです。ところが、多くの人々は、枝葉を追いかけ過ぎているのです。枝葉末節ではなく、もっと幹の部分を見ていただきたいのです。枝葉ばかりを追いかけてしまうと、問題が山積みになってしまい、ひとつひとつ潰していこうと思っても難しいでしょう。しかし、幹はひとつしかありません。常に幹を見ていくようにして、それを習慣化していけば、生活リズムも自然と整い、身体も整っていくでしょう。

次回から3回にわたって、健康マネジメントの実践編としていくつか具体的な方法を紹介していきたいと思います。

からだリフォームマイスター・萩原健史 〜身体を整えるセルフケア〜 Vol.4【実践編1】『身体のバランスを整える静的ストレッチ』へ続く)

取材・文:國尾一樹
撮影:たつろう

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