1日の仕事を終え、ほどよい疲れとともに眠りにつき、ぐっすりと眠って、翌朝は爽快に目覚める……。そんな「心地よい睡眠」は、1日の活力の源です。睡眠のリズムを知り、睡眠環境を整えることによって、眠りの質を向上させられます。
人は眠りにつくと、1~2時間ほどで「ノンレム睡眠」という深い眠りに入ります。
ノンレム睡眠では、脳は眠っていますが筋肉の活動は休止しません。体温は少し低くなり、呼吸や脈拍は非常に穏やかになって、血圧も下がります。ノンレム睡眠は、その深さによって4段階に分けられ、眠り始めから次第に深くなっていきます。そして、ピークに達すると再び浅くなり、「レム睡眠」へと移るのです。
一方、レム睡眠は、身体は眠っていても脳は活動している状態。身体は急速眼球運動 (Rapid Eye Movement)をするほかほとんど動きませんが、脳は覚醒時と同様の動きを示し、夢を見ます。レム睡眠は目覚めの準備をする睡眠状態で、この段階で目が覚めると「すっきりした」気分になりやすいです。
このように、人の睡眠は4段階の「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」で構成され、約90分間のサイクルでひと晩に4~5回繰り返されます。
1サイクルの最後の20~30分にレム睡眠が訪れ、これが次第に長くなって目覚めへとつながるのです。
睡眠の一定のリズムを保ち、心地よく眠るには、「睡眠環境」を整えることが大切です。
寝室の温度は、夏は25度、冬は15度くらいが理想的だといわれています。
夏にエアコンをつける場合は、28度と少し高めに設定。つけっぱなしにせず、タイマーを利用しましょう。
寝室の明るさは、もちろん個人差がありますが、20~30ルクスがよいとされています。
直接照明ではなく、フットライトやスタンドなどの間接照明を利用しましょう。窓にはカーテンやブラインドを付けて、外の光を遮るのを忘れずに。
夜間は静かなため、ちょっとした物音でも眠りが妨げられます。家庭内では家族間で協力しあい、生活音によるストレスを生まないようにしましょう。
屋外の防音対策には、雨戸や二重サッシを活用するのがおすすめです。
寝室の色は刺激的なものを避け、ベージュやブラウンを基調にすると落ちつきます。
寝具の色は、夏場は淡いグリーンやブルーにすると涼しげな気分になるでしょう。
パジャマは、身体を圧迫しない軽い素材のものを選びます。暑く寝苦しい夏でも明け方は気温が下がるため、肌の露出が多いものは避けたほうがよいでしょう。
冷えるからという理由で靴下をはいて寝ると、血液の循環が妨げられ、足に汗をかくため逆効果です。
寝る前には、心身ともにリラックスすることが大切。癒やされる音楽を聴いたり、簡単なストレッチで身体をほぐしたりするのも、睡眠の導入に効果があります。
寝室は、1日の4分の1以上を過ごす大切な場所。室温や明るさだけでなく、防音やインテリア、パジャマにも気を配って、自分にとって心地よい眠りを演出してみましょう。
文:風美紫紺
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